2290話 順調な罠
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はモブプレイヤーたちのチームに加わって世界剣樹ダンジョンに挑んでいたな。
【検証班長】が言っていた人数が増えればその分難易度が上昇するというのをこれまで二人で挑んでいたから実感することがほとんどなかったわけだが、思っていた以上に強化されていたし、メンバーの質もそこそこだったとはいえ【ペグ忍者】と組んでいた時よりもかなりやりにくかった。
俺は恵まれた環境にいたんだなと思わされる1日だったなぁ……(しみじみ)
というわけでやって来ました草原エリア……世界剣樹ダンジョン!
ーーーーーー【世界剣樹ー下層シードレアー7階】ーーーーーー
【Raid Battle!】
【マヒク】
【封地剣を司る獣】
【世界剣獣】【失伝秘具】【封地剣】
【世界の基盤を担うが故に】
【地を封じ込め】
【緑をもたらす】
【大いなる力の根底には】
【正の力を宿し】
【担い手を求める】
【かつてその身を封じられた剣は】
【獣となりて】
【冒険者の前に立ち塞がる】
【世界剣樹へ挑む者よ】
【この獣を超えてみよ!】
【レイドバトルを開始します】
俺が今変身しているのは【深淵纏縛ЧЩ】……蜂レイドボスの【チェーンバ】とデカブツムカデ【シシャー】の力を同時に発揮できる形態だな!
見た目はチアガールメイド……それ以外にどうやって説明したらいいのか困るくらいチアガールなメイド姿だな。
「【包丁戦士】しゃん、守りは任せたのらよ~!
スキル発動!【閃虎通月】なのら!」
さっそく【ペグ忍者】が伝播の針で【マヒク】の蔓を地面に縫いつけていく。
ここまでは前回挑んだときの焼き増しだな。
これは【検証班長】の献策ということもあり、厄介な攻撃を封じられるのでやらない選択肢は今のところないからな。
そして、蔓攻撃を封じると【マヒク】は突撃に切り替えてきた。
「この行動はパターン化されているみたいなのらね~
どこまで想定されてパターンが組み上げられているのか怖いのらけど、【ペグ忍者】たちが出来ることは変わらないのらね~」
その通りだ!
いくぞ!
スキル発動!【塞百足壁】!
俺は【マヒク】が突撃してくる方向に黒い壁を生み出し、突撃を防ぐ障害物にしていった。
するとどうだろうか。
黒い壁はわりと早めに壊されていっているのだが、時間は予想していたより稼げているし何より視界を塞いでいるのが大きい。
俺と【ペグ忍者】が突撃の方向から逸れる猶予が作れているぞ!
原理は全く違うのだが、端から見たら闘牛チックな光景に映っていることだろう。
それくらい攻防として成立しかけているってわけだな!
「あとはこっちからの攻撃方法なのらね~
蔓を地面に縫いつけているのらけど、伸縮性が良すぎて【マヒク】本体の拘束に全くなってないのが辛いのら……
本体にダメージを与えたいのらね。
……これで行ってみるのら!
スキル発動!【獣王無尽】なのら!」
【ペグ忍者】は獣人の身体強化オーラを纏い、【マヒク】へ乱撃を繰り広げていく。
……【マヒク】の反応が薄いだけなのか、本当に効いてないのか分からないが攻撃はヒットしているぞ!?
このまま押し進めることは出来そうだな!
「多分、二人だけで挑んでいるからからなのらけどかなりグレードダウンされているのらね?
【ペグ忍者】の予想なのらけど、五人くらいになってたら反撃機能みたいなのがついている前提のAIなのらよ。
この攻撃を受けている微妙な間がその証拠なのら!」
それは俺も感じていたな。
だが、その恩恵がある以上弱体化されているとはいえ敵に配慮する必要はない!
このまま【マヒク】のヒットポイントを削っていくぞ!
……ということで俺と【ペグ忍者】はそれぞれ時折【マヒク】の攻撃を受けたりして片腕ずつを失いつつも、順調に攻撃を続けていた。
レイドボス相手にしてはかなり上手く立ち回れているんじゃないかと俺自身自負があるんだが、相方が【ペグ忍者】だからだろうなぁ。
ここに置いておける相方はMVPプレイヤーたちを除いたら、他の次元を含めても10人いるかいないかだろうよ。
そんな順調な様子で慢心していたからだろうか。
俺と【ペグ忍者】は【マヒク】の変化に気づくことが出来ていなかった。
「にゃにゃにゃっ!?
身体が急に重くなったのら!?
ニャフンッ!?」
ぐぐぐっ!?
なんだこれっ!?
これだけ身体が重くなったら【マヒク】の突進なんて避けられ……ない……じゃない……かぁっ…っ!?
そうして俺と【ペグ忍者】は【マヒク】に引き殺されて死に戻りすることとなったのだ……
全くこれだから劣化天子は……
油断せずにいきましょう。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




