2284話 最悪の強化
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【槌鍛冶士】に【石動故智】からもらった鉱石を使って【失伝秘具】を強化してもらっていたな。
おそらく底下箱庭では採れないであろう性質を持った鉱石だったみたいで、モンスターっぽい力を強化してくれたみたいだな!
まぁ、あんまり使用頻度が高いわけじゃないから恩恵度合いとしては何とも言えないんだが、あるに越したことはないのでヨシとしよう!
というわけでやって来ました草原エリア……世界剣樹ダンジョン!
ーーーーーー【世界剣樹ー下層シードレアー5階】ーーーーーー
「5階までは何とか来られたのら……
でも、ここから先の強化に【ペグ忍者】たちが対応できるのか不安なのらよ……」
【ペグ忍者】が不安がっているが、その不安は俺も持っている。
瞬間移動も手に入れた種モンスターがさらに何が強化されるのかだ。
「【包丁戦士】しゃん、攻撃が来たのらよ!」
噂をすればというわけだな。
俺は光の球を包丁で受け流していき、【ペグ忍者】に攻撃を任せる……が。
「見失ったのら!
どこに出てくるのか警戒するのらよ!」
くっ、さっそく瞬間移動か!
【ペグ忍者】で追いつけないなら出待ちするしかないな……
……っ、【ペグ忍者】!
後ろに来たぞ!
「にゃにゃにゃにゃ!
食らうのら!」
【ペグ忍者】は俺の警告に従い反撃をしていったが……
「一撃で倒せなかったのら!?
これまでならこの一撃で倒せてたのらよ!?」
最悪の予想が当たってしまったな……
この種モンスターが対処可能だったのはヒットポイントや防御力が異様に低く設定されていたからだ。
だから探知範囲が広くなろうと、攻撃が強くなろうと、瞬間移動してこようとなんだかんだ対処できていたわけだがここに来てその最大の弱点のうちの一つであるヒットポイントが補われてしまったわけだな。
「【包丁戦士】しゃん、次はそっちに行ったのら!
気をつけるのら!」
これまでなら倒せていたパターンが崩れて動揺する俺の真横に現れた種モンスターを攻撃してみる。
……っ、これでも倒せないか!?
こうなったらスキル発動!【深淵顕現権限Ж】!
さらにスキル発動!【魚尾砲撃】!
俺はジェーライトの尻尾を生やしていき、極太レーザーを放っていく。
これなら流石に倒せるだろ……
「いや、倒せてないのらよ!
スキル発動!【虎月伝心】なのら!」
俺の【魚尾砲撃】でも倒しきれないと見た【ペグ忍者】が更なる追撃としてスキル【虎月伝心】の円環粒子でトドメを刺しにいった。
ここまでスキル無しのリソース温存戦術で進んできていたのだが、ここから先はそう甘くないらしい。
ダンジョンに挑むにあたって、スキルを切らされるというのは俺たちの持久力をそのまま削らされているのとイコールだ。
冒険者ギルドのダンジョンも含めて、基本的にはそのバランスで形成されているのだがエンドコンテンツダンジョンになると本来のボトムダウンオンラインの理不尽さが顔を出してくるわけだな。
このダンジョンもどこまで続いているのかわからないから、俺たちのリソース切れでヘロヘロになるまで戦わされる可能性もあるって考えると怖いものだな……
「【包丁戦士】しゃん、次の種モンスターが来たのら!
さっきのを倒すのに時間をかけすぎて次のエンカウントが追いついてきちゃったのらね」
くっ、倒すのに時間がかかればそうなるか!
質も量もじり貧で追い詰められて来ている実感がめっちゃあるな!?
だが、そんなことを言ってもやるしかない!
いくぞ、【ペグ忍者】!
「了解なのら!!」
しばらくは死に戻りを繰り返して、感覚を掴むといいでしょう。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




