2282話 目に追えない種
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【ペグ忍者】と第三階層を探索していたな。
これまで探知範囲、攻撃威力、攻撃スピード、攻撃の大きさが第一階層と比べて強化されていてどんどん進むにつれて余力が奪われて来ているな……
この時点でほとんどのモブプレイヤーが淘汰されるはずだから、それを考えると今実装されるタイミングのエンドコンテンツでは無かったんだろうなぁ。
想定していたのはもっと後なのだろうよ。
というわけでやって来ました草原エリア……世界剣樹ダンジョン!
ーーーーーー【世界剣樹ー下層シードレアー4階】ーーーーーー
「ここまで種モンスターが強化されているのらけど、第四階層では何が強化されるのら?」
いや、それを俺に聞かれてもなぁ……
ずっとお前と一緒に攻略してるんだから、お前が知らないなら俺も知らないだろ!
「それは分かってるのら。
【包丁戦士】しゃんの予想を聞いてみたいのらよ~」
うーん、そうは言ってもなぁ。
索敵、攻撃と来たら次は本体の性能関係じゃないか?
素早さか防御力か……?
「どっちも嫌なのらね……」
とかいう予想を立てながら移動しているとさっそく光の球が飛んできた。
……光の球自体はさっきのフロアと同じか。
これならまだ対処は出来る!
俺は包丁の腹を使って受け流していき、攻撃を防いでいった。
ここまでは問題ない。
あとは俺がヘイトを集めている間に【ペグ忍者】が種モンスターを仕留めてくれたら終わりなんだが……
「……っ!?
【包丁戦士】しゃん、こっちにいないのら!
光の球を放った方向から既に移動しているのらよ!?」
くそっ、俺の予想のうち一つが当たってしまったか!?
このフロアでの強化要素は種モンスターの移動速度だったらしい。
ただでさえ探知範囲が広くて先制攻撃を仕掛けてくるモンスターだったのに、どこにいるのか読みにくくされてしまったら対処に滅茶苦茶時間がかかるじゃないか!
「【包丁戦士】しゃん、真後ろにいるのらよ!?」
マジか!?
気配が全く読めない……っ!?
俺は【ペグ忍者】の言葉を信じて後ろを振り返らずに包丁を引き抜いて回転切りを放っていった。
すると、手に何かを切った感覚が伝わってきたので、間違いなく攻撃は炸裂したのだろう。
そして、俺が後ろを見てみると光の粒子になっている最中の種モンスターが落下していた。
本当にあの一瞬で俺の後ろまで移動していたのか……
流石に恐ろしいモンスターとして認識しないといけなくなってきたな……っ!?
「スピードが上がるってレベルじゃなくて瞬間移動みたいな速さだったのらよ……
動く頻度が少ないから次に移動する前に倒すことは出来そうなのらけど、全方向に気を配らないといけなくなったのら大変なのら~!」
だよなぁ……
気配察知でどうにか出来るならめちゃくちゃやりやすかったんだが、無気配だと俺も目視に頼らないといけないし相当きつい。
最悪の奥の手を使わないといけないが、あんまり得意じゃないし俺自身の隙も晒すことになるから使いたくないんだよなぁ。
「ここのフロアで瞬間移動対策を考えるのら!
このまま次のフロアに行ったら負ける気がするのらよ~」
気乗りしないが仕方ないか。
この世界剣樹ダンジョンはある意味ではそれを前提としているところがあるっぽいからな。
慣れずに進んで倒れ込むよりも、経験を積めるまで狩り続けるのは効率がいいらしい。
だが、流石に毎日同じダンジョンに籠り続けるのも疲れてきたし、明日はダンジョン攻略以外のことでもしようか。
「【ペグ忍者】もそうしたいのらね~
【検証班長】しゃんからはどんどん攻略してほしいって言われているのらけど、スキルの情報も集めたいのらよ」
お互い様ってわけだな。
それならちょうどよかった。
「でも、今日はこの第四階層の種モンスターに慣れるまで戦い続けるのらよ!
にゃにゃにゃにゃ~!」
劣化天子でも対処が難しくなってきましたか。
中枢までたどり着けるのか不安になってきましたね……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




