2271話 トマホーク・割り箸・フラフープ
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は新緑都市アネイブルの拡張エリアで【槌鍛冶士】と話していたな。
居住区が増えて常駐するプレイヤーも同時に増えたから喜んでいたな。
【槌鍛冶士】としては森人種族のプレイヤーが誕生することを望んでいるみたいだったが、いつ生まれるかなぁ……
というわけでやって来ました草原エリア!
……毎度恒例プレイヤーキルの時間だぁ!
特に久々ってわけでもなく、書かれてないだけでわりといつもやってるんだが今日は念入りにやっていこうと思っているぞ!
モブプレイヤーたちの実力をじっくり見てやろうじゃないか!
「出た、【包丁戦士】だ!
包丁を構えてやがる!」
「プレイヤーキルされるぞ、全員構えろ!」
「今日という今日は返り討ちにしてあげるんだから!」
包丁を持った状態で現れた俺はプレイヤーキルをするという予兆になっている。
これはモブプレイヤーたちが分かりやすい目印になっているわけだな。
今回の標的は……見たところトマホーク使いの竜人モブプレイヤー、割り箸使いのメイジモブプレイヤー、フラフープ使いのモブプレイヤーだな。
トマホーク使いの竜人モブプレイヤーはこれまで異様なほど相手にしてきたが、コイツは俺に狩られるためにここに来てるんじゃないかってほど見るぞ……
そして、フラフープ使い……?
なんか聞き覚えがあるな……
たしか、指名手配されてるプレイヤーじゃなかったか?
422話くらいで詐欺をしているプレイヤーっていう張り紙を見た気がするぞ。
「スキル発動!【竜鱗図冊】!
さらにスキル発動!【波状風流】よ!」
まずはトマホーク使いの竜人モブプレイヤーが先手を打ってきた。
竜人お得意の初手定石だな。
【竜鱗図冊】で竜人としての力を引き上げ、【波状風流】で不可視の刃を飛ばすっていう戦術だ。
これの源流は【フランベルジェナイト】だったり、【風船飛行士】だったりするので俺もかなり見覚えがある。
だからこそ、こんな手垢のついた戦術が俺に通用すると思うなよ!
幾つか対応策はあるが……せっかくだから俺も同じスキルで対抗してやるよ。
スキル発動!【竜鱗図冊】!
さらにスキル発動!【波状風流】!
「【包丁戦士】も同じ戦術……
でも、威力は純正の竜人の私の方が上っ!」
それは百も承知だ。
だからこそ、これだな。
「うわっ、急に【包丁戦士】が後ろに回り込んできた!?」
「くっ、このままだとあいつがやられる!
スキル発動!【塞百足壁】!」
詐欺師のフラフープモブプレイヤーを壁にして不可視の刃を凌いでいった。
本当はこのままフラフープモブプレイヤーを始末させようと思ったのだが、割り箸モブプレイヤーが割り箸を魔法の杖のように扱って【塞百足壁】の設置場所を精密指定してきたようだった。
【塞百足壁】の設置場所は深淵細胞を励起してないと難しいはずなんだが、チュートリアル武器の特性を活かすことで無理やり個人で解決したわけか。
コイツ、はじめて見たが面白いな!
「次に行くわよ。
スキル発動!【濁流万花】!」
トマホーク竜人は濁った水の花弁を出してきた。
あれは攻撃すると巨大化する壁のようなものだ。
だが、関係ない!
スキル発動!【天元顕現権限】!
さらにスキル発動!【花上楼閣】!
俺は岩の花弁を撃ち出してそのまま濁った水の壁に当てていく。
当然巨大化していっているわけだが、それが狙いだ!
スキル発動!【秋風領域】!
「げぇっ!?
俺の方に来るなぁぁ!?」
巨大化した濁流の花弁の操作権利を剥奪し、近くにいたフラフープ詐欺師へぶつけていく。
この根性ナシはそれだけで死に戻りしていってしまったな。
あとは割り箸とトマホークの二人だ。
「あの人全く役に立たなかったんだけどぉ?
強いって言ってたから【包丁戦士】対策として信じて連れてきたのに。
報酬も先払いだったから怪しいと思っておけばよかった」
「詐欺師だな……」
ここであいつは詐欺をしていたのか……
救いがたいやつだな。
そうして残ったモブプレイヤーたちとはそこそこの激戦を繰り広げた上で、それでも俺はプレイヤーキルを完遂していったぞ!
自信満々に言うことですか?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




