2262話 リソース譲渡
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はルル様に次元戦争の勝利報告と深淵細胞の別種組み合わせについて聞いていたな。
俺の強化という点ではまだ実戦で使っていないから何とも評価は出来ないにしても、やれることが増えることは素直に喜ばしいよな!
特に特化したそれぞれの深淵細胞を使っているときの戦術が一色単になりがち……というかそうせざるを得なかったのもあるので、そこに多様性を持たせられるのはありがたいぞ!
というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにある天子王宮!
ここで【菜刀天子】と対面しているわけだが……
「イレギュラーな次元戦争を起こして勝利したようですね。
勝利したことそのものは喜ばしいのですが、次元天子としてではなく【深淵域の管理者】として戦ったのは非常に腹立たしいです。
何故……と言っても劣化天子には響かないでしょうが、私としては面白くありませんよ」
【菜刀天子】は出会い頭に思いっきり不満をぶつけてきたな……
正直言われることを覚悟してきていたから、身構えることは出来ていたが……
だがまぁ、落ち着けよ【菜刀天子】。
お前にとってもメリットのある話なんだからな!
この次元戦争で集めたリソースはあえて包丁次元への還元じゃなくて俺個人への還元の設定にしておいた。
これがどういう意味か分かるな?
【上位権限】レイドボス何だからこれくらいの演算はしてもらわないと困るぞ?
「……私の出したユニーククエストを達成するためですか。
つまり、リソースを集めるためにあえて次元戦争を引き起こしたということですね。
利己的というか何というか……私が言うのもおかしな話ですが、今回の次元戦争に巻き込まれたMVPプレイヤーたちは不憫ですよ」
利益を享受する側の【菜刀天子】に言われたらもはや憐れみだよな……
わざわざ俺に馴染むリソースを提供してくれそうな相手を引き寄せて戦ったんだから、還元率も悪くないだろうしこの一回分全てを【菜刀天子】にくれてやったらユニーククエスト達成出来るんじゃないか?
「イレギュラーな次元戦争ですからどれだけのリソースが還元されているかは未知数ですが、それでも3つの次元を相手にしてそのリソースを総取りしているわけです。
流石に足りるでしょう。
そうでなかったら劣化天子がサボっていたということになりますよ」
失礼な言い振りだな!?
俺は真面目にやってたぞ!?
真面目な中に遊び要素を交えなかったかと言われると嘘になるが……
……だって、普段出来ないようなことが出来る状況なんだから色々と試したくなるのは皆同じだろ!
【ワールドアナウンス】
【【ユニーククエスト ユニーククエスト発令と陣営対戦と【勅聖剣タイア】を使うためのリソースを献上しなさい!】clear!】
【【包丁戦士】から【菜刀天子】へのリソース譲渡が行われました】
おっ、今回のユニーククエストはワールドアナウンスが流れるタイプだったか……
個人アナウンスで終わる時もそこそこあるから、今回は正直そのパターンだと予想していたんだが予想が外れたな……
「大人しく私にリソース譲渡されたようで何よりです。
悪辣な条件をつけてくるかと思いましたが素直でしたね」
お前はいったい俺を何だと思っているんだ……?
「バッドマナープレイヤーで、プレイヤーキラーという認識ですが……?
何か誤りでもありましたか?
その矮小な頭脳でもう一度この発言が誤っているのか考えてみることですね」
ぐぅ……何も言い返せないぞ!?
ユニーククエストを達成したのに謎に敗北感があるのは何故なんだ……
普段の行動を改めることですね。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




