2261話 使える深淵の肩書き
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は遺跡型の次元戦争を引き起こして戦っていたな。
公に設定されている次元戦争と違って、特別にそのエリアに設置されているっていうこともあったので、エリアを統括管理している【上位権限】レイドボスであればある程度の範囲で設定を弄ることができた。
その副作用で深淵系に偏った戦い方しか出来ない制約を受けたが、大幅な強化を受けた状態で迎撃することで勝利に繋げられたのがデカかったな!
というわけでやって来ました深淵奈落のその先……反転新緑都市アネイブル!
ルル様に聞きたいことがあるからここに来たわけだ。
「カッカッカッ!
先の戦いは見事だったのぅ……!
深淵種族の代表としての戦いで圧倒していたのは見ていて爽快だった故にな。
他の次元のMVPプレイヤーたちを寄せ付けぬ力の差は中々悦に入ったであろう?」
ルル様はきっちり次元戦争を見ていたようだな。
まぁ、自分の領域内(?)での戦いみたいなものだし、普段よりも興味は強かったのだろう。
とはいえ、また遺跡を使えることはよほどの転機がないと無理だろうし地道にリソースを稼ぐしかないな。
それはそうと、別種の深淵細胞を組み合わせて発動させることが可能になったってアナウンスが流れたんだがルル様に説明してもらえるだろうか?
「今の我は機嫌が良い!
答えてやろうかのぅ。
だが、文面以上のことはほとんどないのだが……
深淵細胞を励起する際にこれまでは一つの種類の深淵細胞を選ぶのみであったろう?
それが二種類に増えたのだ。
当然要求されるリソース量も増え、無理繰り組み合わせる分その効率も落ちるが出力と多様性は保証されるであろう。
継続時間もあまり長くはないであろうな」
組み合わせると燃費が悪くなるのか……
それは困りものだな……
【槌鍛冶士】の作った深淵鉄球も改良を重ねて【夢幻深淵】のリソースまで賄えるようになってきているわけだが、無制限ではない。
【深淵纏縛】も複数回使えるようになっているが、その回数が減るみたいな頭でいた方が良さそうだな。
「本来であればプレイヤー一人で二種類以上の深淵細胞を保有するなど考えられぬことなのだが、お前はやってのけたからのぅ……
保有するだけでデメリットを被る深淵細胞は、入手時からプレイヤーへ警告が入るようになっておる。
故に、一種類ですら保有する者は現れぬと思っておったがお前のお陰で幾分かプレイヤーへの布教も多少なりとも進んでおるのが僥倖だ」
深淵種族の宣伝隊長みたいなところあるからな。
プレイする中で色々な力を手に入れてきたわけだが、やはり主力は深淵種族のものだ。
俺が活躍する度にデメリットを払拭する以上のメリットを見出だすプレイヤーがいてもおかしくないってわけだ。
あとはボマードちゃんも同じ感じで、アイドルやりながら深淵種族のジェーライトを身体の中で飼っているから、その悪いイメージ払拭に貢献しているのだろう。
「深海種族の異常に対しても我の種族は有効だからのぅ。
通常の深海種族であれば森人種族が天敵であったが、今はその関係性を残しつつも深淵種族の攻撃も充分に通じるようになっているであろう。
お前が深淵種族の代表として戦う限り……の話ではあるが」
俺が!?
いや、それよりも深淵種族の攻撃が価値を生むのってほぼ初じゃないか!?
大体の相手に不利な不遇種族って認識でしかなかったし……
「ある意味ではこちらが上位であるからな……
もちろん、【深淵域の管理者】かそれに比肩する肩書きの持ち主が戦場にいなければその関係性も発揮されぬが」
【深淵域の管理者】……このレイドクエスト名は何だかんだ使いどころが多いな……
直近の次元戦争でも使ったし、実は深淵種族そのものよりも恩恵があるかもしれないな!?
カッカッカッ!
使える肩書きは使えるうちに利用するのが得策だ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




