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226話 狐耳ロリ陰陽師登場!

 準備も整ったところで寝殿造の建物へと不法侵入をする俺たち。

 まあ、ゲームだし不法侵入とか気にしても仕方ない。

 それに、他に誰もプレイヤーが居ないのなら咎められる心配はない。


 そもそも、高い倫理観を保っているはずのポリンお嬢様もノリノリでついてきているからな。

 今の俺は無敵だ!


 「……ワタクシ、普通の山間部エリアにある寝殿造に入ったことがありますが、どうやら同じ配置になっているようですわね」


 そうなのか?

 じゃあ、この左右の部屋には何があるかわかるか?


 まあ、試しに聞いてみる。

 ポリンお嬢様の事前情報が役立つなら使わない手はない。


 「左が応接間、右が外来客用の寝室ですわね。

 めぼしいものもないと思われますので、もっと先に進みますわよ!」


 おっ、本当にノリノリだな。

 冒険者ギルドをあの竜人ギルドマスターに提案したのもこいつだったし、変なところでタガが外れてる気がする。

 俺は、そっちの方が人間味があっていいと思うけどな。


 で、もっと先に進むのはいいがどこを目指しているんだ?

 何か目星をつけているって思っていいんだよな?


 俺は確認のためにポリンお嬢様を引き留める。

 こいつは俺みたいに直感で動いたりしなさそうだから、何かしらの打算はあるんだろうが一応聞いておきたいからな。


 「ワタクシが目指しているのは母屋ですわ」


 靄?


 「いえ、母屋でしてよ?

 通常の山間部エリアではそこに山間部エリアのレイドボス……【下克上の陰陽妖狐】がいましたわ。

 もし【下克上の陰陽妖狐】がいるなら、この異変について何か知っていると思いまして……」


 なるほどな。

 合理的な判断だ。

 他にプレイヤーがいないってならNPCを探せばいいってことか。

 

 俺はこのエリアについて全く知らないから任せるわ。

 さあ、早く案内しろ!


 「あなた様はせっかちですわね……

 それが強さの秘訣かもしれませんが、今は慎重に行きますわよ。

 何があるか分からないのでしてよ?」


 まあ、保険もあるし別にいいんじゃないのか?

 俺としてはパパっと進んでここの事情を聞きたいからな。


 そんなこんなで進んでいくと、目的の部屋に到達した。

 





 【Raid Battle!】



 【下克上の陰陽妖狐】



 【レイドバトルを開始します】




 俺が部屋の仕切りを押し退けると、レイドバトルアナウンスが流れてきた。

 ……ということは、ポリンお嬢様の狙い通りここにはレイドボスがっ!?



 警戒しながら俺は目線を上げていき、レイドボスの姿を確認しようとした。

 だが、そこに居たのは年端もいかない少女の姿だった。


 着ているのは黒い装束……あれは狩衣だな。

 貴族達が狩猟に出かけるときに着ていったって言われている服装で、腕の上げ下げがしやすい非常に機能的な造りだ。


 立烏帽子を頭につけ、袴を履いているがその全てが真っ黒で不気味な組み合わせのファッションだな。

 

 ここまで、色はちょっとあれだが平安貴族っぽい格好だが、レイドバトルアナウンスから推測すると陰陽師なんだろう。

 陰陽師は宮仕えする役人という扱いだったみたいだから、こんな感じの建物に住んでいても可笑しくはない。


 だが、服装……というより装飾品に不自然なものがある。

 狐のお面だ。

 顔の側面を覆うようにつけているが、意味あるのか?

 顔が普通に丸見えなんだが……


 あと、狐耳がピコピコと動いていたり、尻尾?のようなものが袴の中でもぞもぞとしているから獣人系種族なんだろうか。


 「妾に何のようでおじゃる?」


 うわっ、貴族と陰陽師を微妙に混ぜてきた感じの口調だな?

 おじゃるロリ狐陰陽師か……

 これまたニッチな需要層を狙ってきたな……


 まあ、狐耳ロリっていうのはわりと定番のジャンルではあるからいいか……

 もふもふとしているのが庇護欲をそそる……


 「ワタクシたち、この不気味な山間部エリアに迷いこんでしまって困惑しておりましたの。

 いつもなら人が少ないなりに活気で溢れている山間部エリアが、このような様子で……

 それに、陰陽師様もいつもとご様子が異なるようで?

 いつもでしたら純白の衣を召していらっしゃいますのに……」


 あれっ、こいつもいつもと違う感じなのか?

 本当にここっていったいどうなってるんだよ。


 「……どうやら、何も知らずにこの裏側に入ってきた客人でおじゃったか……

 それでは、自己紹介からするでおじゃる!

 妾は【下克上の陰陽妖狐】と呼ばれているレイドボスでおじゃる!

 この陰陽寮で陰陽道のスキルを教えている……というのが表側での姿でおじゃる」


 あー、それは【ブーメラン冒険者】から聞いたことがあるな。

 あいつが覚えていたのは回復スキルだったな。


 「もちろん、簡単には教えないでおじゃる!

 条件を一つ一つ達成して覚えていくのが定石でおじゃるからな!」


 【下克上の陰陽妖狐】は言葉を一旦止めて、目を細めると俺に視線を飛ばし再度言葉を紡ぎ始めた。


 「……じゃが、そこの包丁を携えたお主がいた結果裏側に堕ちてきてしまったでおじゃるな……

 これは妾の計画が進むでおじゃるか……?」


 なんか不穏なこと言い始めたぞこの狐耳ロリ……









 嫌な予感がしますね……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] ま〜た、包丁戦士の存在が新しいイベントを起こしてるよ 表ならスキルがもらえるようですが… [気になる点] 堕ちるって言ってるなら深淵関係なのか 下克上を誰にするのか [一言] なんとまぁ …
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