2246話 次元天子たちによる仕事の押し付け合い
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【フランベルジェナイト】と海エリアの【蛋白石島海域オクトール】にいる深海種族レイドボス【蛋白海の灯壺蛸】に挑んでいたな。
初見だし勝つためというよりは視察と観光を兼ねて挑んでみたので、結局ボロ負けした。
まぁ、レイドボスに挑むというのはそういうことだよな……
【夢魔たこす】はあのタコを相当前に倒しているというのだから、アンカー次元は改めて変なストーリー進行してたんだなと思わされたぞ……
というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにある天子王宮!
ここで護衛バイト(?)をしている【キズマイナ】と【菜刀天子】の姿があった。
「劣化天子、何の用ですか?」
「ふひひっ、【包丁戦士】さんまた会いましたねぇぇ……
【菜刀天子】と違ってあてぃしは最近かなりのペースで会ってますからねぇぇ!」
「そこの【勇者】、何が言いたいのですか?」
「ふひひっ、別に特に何もですよぉぉ……?
でも、頼られて嬉しいですねぇぇ!」
【上位権限】レイドボス同士で煽り合っているな。
俺のために争うなんて……俺は傾国の可憐な乙女だったのか!(確信)
「何を惚けたことを言っているのですか?
頭を一度メンテナンスした方がいいのでは」
【菜刀天子】の辛辣な意見はスルーしておき……
まぁ、冗談はこの辺りにしておいて。
【菜刀天子】は【勅聖剣タイア】を【キズマイナ】から返してもらったんだろ?
それだったら海エリアから侵略してきているキモいザリガニエネミー軍団の掃討に協力してくれないか?
あれを一掃できる可能性があるのは【勅聖剣タイア】の超広範囲攻撃くらいしか思い当たらないんだ。
「……そこの【勇者】、勝手に私の【勅聖剣タイア】の性能を劣化天子にバラしましたね?」
「そうしてはいけないっていう契約は無かったですからねぇぇ!
しっかり使わせてもらいましたよぉぉ!」
「……使われてしまったものは仕方ないです。
ですが、エネミーの掃討に私がわざわざ赴く必要はありますか?
プレイヤーの役目でしょう」
それは……そうなんだが……
とはいえ、今の【カニタマ】を放置していたらまずいって思っているのは【菜刀天子】も一緒だろ?
ちょっとくらい力を貸してくれてもいいじゃないな。
「ちょっとくらいと言いますが、手を貸すにしても劣化天子が対価としてユニーククエストをクリアする必要もありますし、私自身もリソースの消費を強いられます。
そのように簡単に言うべきではないでしょう。
全く、これだから劣化天子は……」
くっ、やっぱりそこは避けては通れないか……
ワンチャンごり押しでいけないかなと思って提案していたんだが!
「本格的に【絶深海溝の異旧外主】による侵略が始まったのならある程度条件は緩和されると思いますが、手下のレイドボスでもないエネミーだけが攻めてきているだけならばかなり厳しめな条件にしないといけないでしょうね」
陣営対戦まで持っていければいいってことだよな。
あれは守り側がすぐ反応して対抗するものを出しているから、消耗するリソースが少なくて済むから即決しやすいんだろうよ。
「それではユニーククエストを発令します。
精々達成できるように尽力しなさい」
【個人アナウンス】
【【ユニーククエスト ユニーククエスト発令と陣営対戦と【勅聖剣タイア】を使うためのリソースを献上しなさい!】を受注しました】
【運営からの忠告】
【このクエストは失敗しても失うものはありませんが、成功することによって特別な報酬が与えられることがあります。】
【ユニーククエストは達成する前に状況の変化によって、クエストそのものが消失している場合もあります。
他の次元では発生しないことも考えられますので、この機会に世界を変えていきましょう!】
「ふひひっ、リソースを完全に自分で集める気がないユニーククエストですねぇぇ……
強欲過ぎませんかぁぁ!」
「この私自ら動くのですからこれくらいは当然でしょう。
手段は問いません、規定量集めたならば一度だけ劣化天子の嘆願を聞き入れましょう」
分かりやすい達成条件だが、達成難易度がかなり高いぞ!?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




