2245話 初遭遇!?【蛋白海の灯壺蛸】
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【キズマイナ】が掘れる限界まで穴を掘っていたな。
だが、そこでNPCではなく外部プレイヤー……つまり俺たちしか掘れない地層まで到達してしまったようで、【キズマイナ】ではそれ以上進めなくなってしまったわけだ。
だから、ここからは【キズマイナ】ではなく【検証班長】が集めたプレイヤー集団が穴掘りを担当するようだ。
偶然だが、こうやって俺が集めたり声をかけたプレイヤーたちの行動が連鎖していくのは運が良かったな!
というわけでやって来ました海エリア……【蛋白石島海域オクトール】!
せっかくエリア名称が判明したのでレイドボスを一目見るがてら海に出てきたわけだ。
キモいザリガニエネミー軍団もウヨウヨ湧いていたが、俺の船……魔海城船アンサンセの質量で押し潰しながら進んだのであんまり気にならなかったな。
「フェイちゃんはレイドボスを見てみたいんだよね?
危険だからあまりオススメはしないけど、フェイちゃんが見たいなら俺が命をかけても守るよ」
同行人として【フランベルジェナイト】も連れてきた。
船旅の最中でキモいザリガニエネミー軍団が船の上に上がってくることもあったから処理をお願いしていたわけだ。
こいつは本当に当てになるからな……
【Raid Battle!】
【蛋白海の灯壺蛸】
【???】
【???】【???】【深海曲芸師】
【非公開】
【非公開】
【非公開】
【非公開】
【非公開】
【非公開】
【非公開】
【レイドバトルを開始します】
【フランベルジェナイト】と雑談をしていたらお目当ての深海種族レイドボスの【蛋白海の灯壺蛸】が海の中から現れた!
見た目は……一言で言えば推定7メートルほどの全身がトパーズで覆われたかのような巨大なタコだな!
「とりあえずタコ足を切ってみようか」
俺と【フランベルジェナイト】はそれぞれのチュートリアル武器である包丁とフランベルジェでタコ足に切りかかっていった。
だが……
「くっ、吸盤でガードしてきたね……
剣を真っ正面から受け止めるほどの弾力は中々厄介だよ」
俺と【フランベルジェナイト】は攻撃ごと身体を弾き飛ばされてしまった。
これ、近接攻撃する度に後ろに飛ばされるギミックってことかよ……
連続攻撃出来ないから全然ダメージ稼げないじゃないか!?(困惑)
「遠距離からのスキル攻撃とか、チュートリアル武器での攻撃が効果的なようだね。
俺とフェイちゃんでは不利だよ、どうする?
一回退いて体勢を整えるのも手だね」
【フランベルジェナイト】はそう提案してきたが、別に今回は【蛋白海の灯壺蛸】に勝つことが目的じゃない。
手札を見たいだけだからこのまま戦闘を継続するぞ!
「了解だよ。
それなら……スキル発動!【覇道竜陣】!」
【フランベルジェナイト】は黒炎を撒き散らして【蛋白海の灯壺蛸】を焼き払おうとしていった。
このスキルを一番使いこなせるプレイヤーは間違いなく【フランベルジェナイト】だから、その精度や威力もお墨付きだ!
だが……
「黒い水でかき消された!?」
黒い炎を消したのは黒い水だった。
……あれは蛸墨だな。
アンカー次元のMVPプレイヤーである【夢魔たこす】が似たようなスキルを使ってきていた。
そして性質が一緒なら……
「これは熱湯っ!?
左腕が溶かされてしまったよ……」
おいおい、溶けるレベルの熱湯か!
爛れるくらいは全然あったのは知っていたが、元々無かったかのように腕が一瞬で失くなってしまうレベルなのは予想以上だぞ!?
そうして俺と【フランベルジェナイト】は巨大なタコ【蛋白海の灯壺蛸】を相手に粘りながらも、最終的には二人とも全身を溶かされてしまい死に戻りすることとなったのだった……
無策で勝てる相手ではありんせん。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




