2236話 冒険者の宴の協力者
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【検証班長】に【上位権限】レイドボスたちから集めた世界剣樹についての情報をあらかた渡していたな。
あの情報は俺だけで独占していても先に進める気がしなかったから、一番上手く扱える【検証班長】へ渡すのは自然な流れだったと思う。
わざわざ中央にある草原エリアに生えているんだから、複数人協力方のコンテンツを想定しているんだろうし当然だがな!
というわけでやって来ました渓谷エリア……地蒜生渓谷メドニキャニオン!
ここに来た理由はもちろん!
「ちょっwww
クラン【冒険者の宴】の幹部を集めてどうしたいンゴねぇwww 」
「【包丁戦士】さんに声をかけられて嬉しいよっ!」
「何か攻略するのカナ?
私たちはそういう時声をかけられることが多いカラネ」
【風船飛行士】、【ブーメラン冒険者】、【短剣探険者】に声をかけたのだ。
こいつらに共通するのは同じクラン所属というのもあるが、それ以上に価値があるのは……ability持ちってことだ!
「ability持ちなのがそんなに重要ナノ?」
「確かに珍しいけど無くても強い人はいるよっ!」
【短剣探険者】と【ブーメラン冒険者】はそう言ってピンと来ていないようだが、一方で【風船飛行士】だけは何か思案するような様子を見せていた。
……何か気づいたか?
「ちょっwww
つまりability持ちがいないと進行しないイベントでも発生したってことかwww
条件厳しすぎてワロタwww 」
正解を引き当てて来たな、流石と言っておこう。
そう、世界剣樹攻略には縁や理に関するability所持者が複数人必要らしいんだ。
「ability持ちだけじゃなくて、abilityの性質も条件があるんだねっ!?」
「そこに絞って集まるのはかなり難しいヨ」
「クソコンテンツ過ぎてワロタwww
次元によっては詰むンゴねぇwww 」
まぁ、abilityはプレイヤー依存だからな。
そのプレイヤーが次元ごとにメンバーが異なる以上、難易度はそれぞれで大きく変わるだろう。
ちなみにだが、この中で自分が縁や理に関するabilityだと自信を持って言えるやつはいるか?
「私のabilityの【天地逆転】は理に関する……かもねっ!
天と地っていう理を逆転させるって考えたらありえるよっ!」
【ブーメラン冒険者】の意見は最もだな。
実際の判断基準は分からないが、本人の自認はそこそこあてになるはず!
「私のability【天手古舞】は……どっちにも当てはまらないカモ……
無理やり考えたとしても理の方だけど自信はナイヨ」
双子の姉である【短剣探険者】は該当しないという自認のようだ。
とはいえ、ワンチャンありそうという希望が持てるだけましか。
「ちょっwww
オレは縁に関係ありそうンゴねぇwww
だけど、判定としては微妙ンゴwww
【ブーメラン冒険者】未満、【短剣探険者】以上の可能性だwww 」
【風船飛行士】は口調が鬱陶しいながらも、冷静な分析で比較までして教えてくれた。
この辺はやっぱり侮れないし、無視でないんだよなぁ……
【虫眼鏡踊子】みたいな彼女が出来るのも頷けるというものだ。
「とりあえず世界剣樹の攻略になったら三人で協力はさせてもらうンゴねぇwww
役立つ可能性が高いのは【ブーメラン冒険者】くらいだが、もしかしたら【短剣探険者】やオレが引っ掛かる可能性もあるし捨てたものじゃないンゴwww
んんっwww 一大イベントに参加しないのはアリエナイwww 」
そこも【検証班長】と似たような答えを導き出してきたか。
頭のいいやつ、頭の回転が早いやつはどちらも近い結論にたどり着くものなんだなぁ……(しみじみ)
過程はともかく、行き着くところは同じということですね。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




