2234話 【槌鍛冶士】とスタート地点
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【熱狂剣山の地霊鉱爵】から世界剣樹についての話を聞いていたな。
どうやら世界剣種の担い手が電池のような役割になっているのと、世界剣樹にも担い手が必要という話だった。
あの規模の世界剣樹の担い手になるとすれば、かなりの重荷を負うことになりそうだ……
というわけでやって来ました封印の森ダンサムント！
一時期は陣営対戦で多くのプレイヤーが出入りしていたこの場所だが、今では俺と【槌鍛冶士】しか入ることができるやつはいないだろう。
陣営対戦からしばらく経ったが、まだ復旧半ばなので荒れ果てているのが物寂しいな。
「ガハハ！！！
これでもかなり戻ってきたんだぞ！！！
【荒野の自由】が遠慮せずに暴れていたから直さないといけないところが多すぎて手が回っていないのだ！！！」
まぁ、あの凶悪兵器たちの無限生成で一気に滅茶苦茶になったからなぁ……
この短期間で一応森に見えるくらいまで戻せたのは【槌鍛冶士】の手腕だろうな。
それはそうと、お前に聞きたいことがあったんだ。
世界剣樹について何か知っている情報はないか？
「ガハハ！！！
当然あるぞ！！！
樹といえばワシの種族が最も関わりが深いからな！！！」
森人種族……つまりはエルフだからな。
創作として木とか森みたいなものに縁が深いのは共通ってわけだ。
それで、最も関わりが深い【槌鍛冶士】はどんな情報を持っているんだ？
「ガハハ！！！
おそらくお前が一番欲しがっている情報をやろう！！！
攻略の始点は地上ではなく、根先からだ！！！
一度そこにたどり着かないと攻略のスタートラインにも立てないぞ！！！」
その言葉を聞いて俺は思わずあんぐりと口を開けて呆けてしまった。
……そうか、根先か！
大きな樹があれば皆登りたくなるものだが、その認識が誤りでまずは地下へいかないといけなかったんだな……
俺は発想力の足りなさで悔しい思いをさせられたわけだが、それはそうと打開策がこの場で見つかったのでヨシとしよう。
くっ、欲を言えば先に自分で見つけてどや顔したかったなぁ……
「ガハハ！！！
とはいえ、普通にプレイヤーで掘るだけでは膨大な時間がかかるだろうな！！！
それこそ鉱人種族の集団で一斉に掘り進めるか、別の掘削方法があれば話は違うがな！！！」
鉱人種族の集団なんて包丁次元にはまだ存在しないし、それは蛇腹剣次元やステッキ次元のプレイヤーでも同じだろう。
せめて、合併された次元の中にピッケル次元がいたら話が早かっただろうに……
ピッケル次元なら間違いなく鉱人種族の集団がいるからな！
「ガハハ！！！
根先に行くまでも大変だが、到達してからも大変だぞ！！！
……どうやらこの先の情報はまだ開示許可が出ていないから話せないみたいだがな！！！
備えあれば憂いなしだ！！！」
うわっ、絶対根先に何かあるパターンだ。
まぁ、そこがスタート地点って言っている時点でこの先に何か難点があるのは分かっていたわけだが……
改めて言われると身構えるしかないな……
「とりあえずは根先に行くことを考えていれば問題ない！！！
何をするにしてもその条件を達成できなければ攻略出来ないのだからな！！！」
それもそうか。
……とりあえず当面の課題は見つかったわけだが、あとはそれをどうやって解決するかだよなぁ。
鉱人種族のプレイヤー集団は用意できないが、一応代案は幾つか思いついている。
どれが一番現実的かについては、ログアウトしてから考えることにしよう！
一度離れてからの方が頭が整理できて見つかる可能性も高いからな！！！
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
