2232話 【大罪魔】の世界剣樹正の負
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はルル様に世界剣樹についての情報を聞いていたな。
久しく会っていなかったこともあって完全に拗ねていたが、会いにくい場所に転居したルル様も悪いんだからな!
……でも、攻略に役立ちそうな情報はきっちり教えてくれたのでヨシとしよう。
【菜刀天子】の情報と合わせるとどうやら縁や理に関するabilityの持ち主を複数人集めないといけないみたいだから、世界剣樹の攻略は思ったよりも大変だって思わされたな。
ただでさえability持ちプレイヤーを見つけるのは大変なのに、その特性まで限定されるのはかなりキツイだろ!
どうなってるんだ、【山伏権現】!!
というわけでやって来ました堅牢剣山ソイングレスト……の地下にある【屍山血河城塞アンデッド】!
ここにいる【大罪魔】に会いに来たわけだ!
「今度は何について聞きに来たの?
一方的に情報をもらおうとするのは強欲だったり、傲慢だったりする……」
昨日会ったルル様とは対照的に色々と揺すり過ぎて苦言を呈してきたな……
まぁ、最近罪科石をもらったばかりというのもあるか。
とはいえ、【上位権限】レイドボス全員から話を聞くと決めているのでここで引き下がるわけにもいかない!
何とか教えてくれないか?
世界剣樹について知ってることを聞きたいんだって!
俺がそういうと【大罪魔】ヤレヤレと言わんがばかりに手を竦めていた。
だが、一応は教えてくれる気があるみたいで口を開き情報を開示し始めたぞ!
「世界剣樹はセフィロトだったり、クリフォトだったりする……
正と負の二面性を持つの」
んおっ!?
これまでとはまた違った方向性の情報が開示されてきたな!?
これは攻略方法というより世界剣樹の性質についてのことだろうか?
「特にクリフォトについてはほとんどが世界罪剣が担っているの。
世界罪剣の一本や二本だけならセフィロトの影響力の方が強かったり、強くなかったりする……」
なるほど、世界罪剣は世界剣樹の中でも単独で複数本あるシリーズだもんな。
……まぁ、俺の持つものは既に捧げていて残りはアンカー次元のMVPプレイヤー【夢魔たこす】が色欲の一本と、あとの全部は聖剣次元のMVPプレイヤーである【ランゼルート】が複数本所持しているからな。
パワーバランスとして単体でもそれなりの力を持たされているのだろう。
「そのバランス次第で世界剣樹はセフィロトにもクリフォトにもなったりする……
安定しているように見えて、実は不安定な状態なの」
その不安定さってヤバいのか?
それとも何とかなる範囲のことなのか?
「それはこの次元のプレイヤー次第だったりする……
どっちの性質に適合するのかは分からないの。
適合しない世界剣樹に成った場合には悲惨だったり、凄惨だったりする……」
うーん、つまり俺たちの気の持ちようってことか?
「【暴食】は正の側面だったり、負の側面だったりする……
どっちの世界基盤でも生き残れるかもしれないの。
でも、他のプレイヤーたちは違ったり、異なったりする……」
それはどういうことだ?
「基本的に人は一つの性質しか持てなかったり、持てても破滅したりする……
そこに真逆の世界基盤が打ち込まれると適合できなくて力を発揮できなくなるの。
つまり、プレイヤーの選別だったりする……」
偏った性質の持ち主は似たような性質の世界基盤の中でしか生き残れないってわけか?
俺も正しく理解できているかはあまり自信はないが、包丁次元性質そのものを左右するコンテンツが世界剣樹ってことなのだろう。
もはやエンドコンテンツチックな要素だが、プレイヤーに人権のないボトムダウンオンラインでは当たり前にも思える。
見捨てられたくなければ迎合しろってことだな!
見捨てられたり、迎合したりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




