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2214/2263

2214話 節制の美徳5

 【強欲】な【石動故智】の献身もあってか【亞樹ツバタ】のブレス攻撃範囲に穴が空き始めてきた。

 まだまだ荒いが……これなら何とか【亞樹ツバタ】のところへ向かえるくらいには何とかなっている!

 【石動故智】がガス欠になる前に行動を急がねばな!



 いくぞっ!

 


 俺は天子の翼をはためかせながら飛んでいく。

 さながら、コライダージャンプって感じだけどな!

 

 だが、それを見過ごす【亞樹ツバタ】ではなくサブプランとしての攻撃も用意しているようで……



 「これ以上接近されると~困る~

 だから~これで対抗~

 急接近は~誤り~

 【美徳ー節制の龍翼】と~【樹木ー樹脈の解】~」



 あと一歩で【亞樹ツバタ】に肉薄するかもしれないといったところで【生樹技能(ツリー)】を間に合わせてきたわけだが、それで起きた現象としては木の龍翼が縦横無尽に伸びてきて、俺を吹き飛ばそうとひたすらなぎ払いを連発し始めたってことだ。

 もはやなりふり構っていられないって状況なんだろうが、本当にむちゃくちゃやるなぁ!?


 

 狩猟系ゲームとかでよく見る、モンスターの体力が少なくなったときに起こる暴走アクションと同じくらい激しいからな!?

 ブレスに近寄らないようにしながら、この暴走する木の龍翼の攻撃網を掻い潜るのは至難の業だ!



 だが、これならいけるんじゃないか?

 スキル発動!【鳳仙火花】!



 俺は炎で作られた2対の翼が重なりあったような形で【亞樹ツバタ】の胴体へとぶつけようとしていく。

 木には炎は効果覿面!

 この属性関係はきっと天昇箱庭側でも共通しているはずだ!   

 これが直撃すれば大ダメージは必至のはず!



 ……それを証明するかのように【亞樹ツバタ】は攻撃に使っていた木の龍翼を急激に引き戻しはじめ、胴体全体を覆うように巻き付けていった。

 


 「これで~防ぐよ~

 至近距離からの~炎攻撃は焦ったけど~

 防御を固めれば~安心~

 今の攻撃は~使いどころの誤り~」



 きっちり【鳳仙火花】による被弾を強化したであろう木の龍翼で受け止めていった【鳳仙火花】。



 「ああっ、防がれちゃったよ。

 あれが当たれば倒せたかもしれないのに。

 コッチもこれ以上は余力がないよ」



 ブレスを今もなお防いでいる【石動故智】は悲嘆にくれていた。

 一発逆転の切り札となり得たスキル、そのタイミングを逃したのだから仕方ないだろう。










 だが、甘いっっっっっ!!

 俺の作戦は二段構えだっっっっ!!


 スキル発動っ!【フィレオ】っっ!!




 俺は【亞樹ツバタ】の頭上へと飛び登ると、そこから包丁で首を真横にかっ切っていった!

 


 「あっ、えっ……

 吾、死んだの~」



 その通りだ。

 見てみろ、お前の首と胴体は完全に分離してしまっているからな!

 


 「でも~ライフは直前まで見てたはず~

 一瞬で~削り取られたのかな~」



 いわゆるクリティカルを出したってことだな。

 fpsでもヘッドショットとかあるだろ?

 あんな感じだ!

 ……もちろん、ある程度のダメージを事前に与えてないとダメだし相手が隙を晒してないと決まらないから常に一発逆転出来るような都合のいいものじゃないがな!



 「悔しいけど~吾の負けだね~

 次会ったら~今度は勝つよ~」



 それはどうかな?

 何度だって返り討ちにしてやるさ!

 


 「コッチも負けないよ」

 「あとは~あの方が~

 吾の仇を~取ってくれるのを期待してる~

 ガーデンバトルは~まだ続いてるからね~」



 それもそうだな。

 その口振りからしてお前はリーダーの役割を担ってないってことなのだろう。

 つまり、やはり【石動ガンジ】を倒しにいかないといけないわけだ。


 【石動故智】としては【亞樹ツバタ】を倒して終わった方が気が楽だったかもしれないが、こうなった以上は仕方ない。

 【石動ガンジ】を倒しにいくぞっ!



 「了解だよ。

 でも、【包丁戦士】は片腕失くなっちゃったから戦力的には大幅ダウンだね。

 これで勝ちに行けるのか不安はあるよ」



 まぁ、俺の左腕は既に【フィレオ】のデメリットで失われてしまったから取り戻しようがない。

 だが、あそこで【フィレオ】を使っていなかったら戦闘が無駄に長引いて受けるダメージが増えたり、時間のロスになっていただろうから必要経費だろう。



 「そこは異論がないよ。

 でも、【石動ガンジ】様に勝つには万全で挑みたかったよ」



 それもそうだな。

 前に戦ったときは両足が失くなった状態で戦闘開始して、【石動ガンジ】に勝つのは不可能に近かったから時間稼ぎに徹して何とか底下箱庭側としての勝利を目指したわけだからな!

 


 とりあえず、ここまで来たら突っ込んでいくしかないだろう。

 俺も【石動故智】もダメージこそ受けたが生き残ってはいるんだ。

 手数の多さで翻弄して勝ち切るしかない!


 あと、いつ来るか分からないが助っ人も参戦するみたいだからそいつらに期待するしかないな!







 過度な期待はご法度ですよ。

 期待にそぐわない場合は落胆してしまいますからね。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
天昇側の助っ人も誰か気になるねぇ 基本スペックは向こうが上だしこちら側の助っ人もまだわからないけど……
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