2204話 ガタガタゴットン!タンクタンク!
【ガーデンバトル】
【侵攻側【底下箱庭 包丁次元&ピッケル次元】VS防衛側【天昇箱庭 金鉱科&樹木科】】
【終了条件 防衛側のリーダーとして選出されたプレイヤーの離脱、制限時間の経過完了、侵攻側のプレイヤーの全滅】
【異次元の風が吹き荒れている】
【異科の力が激しく脈打つ】
【包丁が血を求める】
【ピッケルが硬き意思を打ち砕く】
【金鉱が世界に富をもたらす】
【樹木が世界に根を広げる】
【Duel Start!】
【ゲーム運営からのアナウンス】
【箱庭間の戦いでは異なるリソース管理、ライフ管理が行われます】
「やっぱり金鉱科がいたね。
あとは樹木科……初回のガーデンバトルでコッチたちと戦った相手だよ」
おっ、樹木科との交戦経験アリか!
それなら樹木科のセクションリーダーの情報も持ってるんだよな?
「当然あるよ。
コッチが戦ったからね。
樹木科のセクションリーダーの名前は【亞樹ツバタ】、見た目は……トレントって言ったら分かるかな」
トレント……つまり木の見た目をしたモンスターってことだな。
前回までは動物系だけなのかと思っていたが、金鉱科のセクションリーダーの【石動ガンジ】がゴーレムだったので別におかしいことでもないな。
……というか、俺がアイドルイベントで擬態するために使っていた名前が【ツバタ】だから下の名前が丸被りしてるじゃん!?
いや、オンラインゲームだから発想が近い人がいればネーミングだって被るだろうけどここで近いのが来たか……
まぁ、【ツバタ】も偽名だから正式に【亞樹ツバタ】という名前を使っている樹木科のセクションリーダーの方が優位だが。
「【包丁戦士】はそんなこともしていたんだね。
でも、名前の優位性なんて考えても仕方ないよね。
戦いに関係があるのかな」
いや、無いが……?
でも名前が被ってたら少しくらい気になるだろ!?
これまで被ってこなかったんだしなおのことだって。
「そうなんだね。
それだったらコッチの【石動故智】と【石動ガンジ】様も名前……というより名字が被っているよ」
そういえばそうだな……
だったは名前被り同士ってことで今回は闘志を燃やしていくとするか!
【石動故智】には秘密だが正直動機はどうだっていい。
これまで関わりがそれほど無かったからテキトーな共通点をこじつけたってわけだ!
そんな俺の頑張りに対して【石動故智】は……
「【包丁戦士】がそれでいいならコッチも頑張るよ。
【包丁戦士】なりの気遣いだもんね」
流石に露骨過ぎてバレるよな……
まぁ、俺の歩み寄りの姿勢が伝わっているってだけでもヨシとしよう。
邪険に扱っていると思われたら最悪だったがな。
「それで、これからどうする」
後から来るであろう助っ人を待つのもありだが、防衛側に有利なルールとして時間切れになると防衛側の勝利になるというものがある。
本当は助っ人を待って万全な状態で挑むのが直接対決での必勝を狙うならやりたいんだが、流石に時間が勿体ないよな。
だからこそ俺たちは先に探索だな。
戦闘は可能なら控えつつ、向こう側が単体で動いていたらMVPプレイヤーの俺たち二人で対処しよう。
向こう側が二人なら退散だ!
流石にセクションリーダー二人同時は敗北濃厚だからな!
「基本のスペックが違うからね。
少なくともコッチ単体で倒せるとは思わないから賛成だよ。
【包丁戦士】と組んで戦う相性がどれくらいか分からないけど、少なくとも一人で戦うよりは絶対勝率は高いと思うよ」
そう思ってもらえて光栄だな。
だが、回避タンクの俺と受けタンクの【石動故智】では役割が被りそうだよなぁ……
「ヘイトを散らしながら相手を困惑させられる可能性もあるよ。
本番にならないとドッチに転ぶかは分からないけど試してみる価値はあるね」
そういう考え方もあるか。
包丁次元で俺の周りだと前線で身体を張って守るやつってあんまりいないからな……
スキル【近所合壁】で盾を遠隔設置するのが主流だし……
「やっぱり次元が違うと戦い方の傾向も違ってくるよね。
その違いを組み合わせたり、競わせたりして高め合うのが次元分けシステムの良いところだよね。
マンネリ化しないから嬉しいよ」
それに人数が増えるとその分揉め事も増えるしな!
次元で括りを分けたことで運営の手間も幾らか省けているはずだ。
実利伴った運営戦略ってわけだ。
俺みたいなプレイヤーキラーが複数いたら、さぞクレームの嵐だろうしな!
「それは自分で言うことなのかな。
コッチには分からないけど、プレイスタイルを改めた方がいいんじゃないかな」
それは……あり得ない!
今さら止める気なんてさらっさらないからな!
立ち上がりからして相性が微妙な気はしますが大丈夫ですかね……?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】