2203話 ガーデンバトル前の顔合わせと省かれたルール説明
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日は事前に【菜刀天子】から告知を受けていたように次元戦争が開催される日だ!
その証拠に、ウインドウ画面の【上位権限】という項目が点滅している。
あきらかにこの項目を選べという意志がひしひしと感じられるので、それを押すと「【上位権限】【Battle Garden】展開!」という文字が現れた。
これまでは【Battle field】だったのだが、【Battle Garden】へと変わっていることから戦いのステージがこれまでから新たな段階へシフトしたのが伝わってくる。
ここで時間を潰す意味も特にないので決戦の舞台へいざ参ろうじゃないか!
そう考えた俺は口を大きく開き、【上位権限】の起動ワードを唱えていく。
「【上位権限】【Battle Garden】展開!」
俺は包丁を天に掲げて、包丁から力の奔流である光を煌めかせ始めた。
そして、その奔流に呑み込まれるようにして俺は天子王宮から姿を消していったのだった……
【Battle Garden 天動戯場 不偽鉱山イスルギ】
俺が飛ばされてきたのは……鉱山のような場所だった。
周囲には彩り豊かな鉱石もありファンタジー要素も感じるな。
だが、そんな外観よりも気になったのはエリア名称だ。
不偽鉱山イスルギ?
どう考えても金鉱科が今回敵にいるだろ……
だって【石動ガンジ】の名字がそのままエリア名称にも使われてるし、鉱山だし……
ここまで露骨なのはやはり石動家の自分を偽らないという家訓が影響しているのだろう。
そこまで徹底しないといけないのか!?ってツッコミたくなるけどな……
そんなことを考えながら味方が来るのを待っていると転送されてくるエフェクトを発見したのでそちらに近寄っていく。
すると、そこに現れたのは……
「【包丁戦士】だ。
流刑次元で最近会ったから久しぶりって感じしないね」
そう、【石動故智】だった。
そうか……とうとう【石動故智】と【石動ガンジ】が同じ戦場に立つってことか!?
「エリアの名前を見たけど【石動ガンジ】様が天昇箱庭側の今回の敵なんだね。
見放されないようにコッチも気合いを入れないといけないね」
おっ、思ったよりビビっている感じではないか?
いや、強がりかもしれないが……
「強がりは……あるよね。
コッチも自覚はあるよ。
でも、だからって負けられないよ」
その意気なら、まぁ、何とか戦えるか。
萎縮しすぎだったら話にならないからな。
……そういえば今回は俺たちだけで戦うのか?
「……【包丁戦士】はルール聞いてなかったのかな。
助っ人が一人ずつ来るらしいよ。
ランダムみたいで、しかも戦いが開始してからしばらくした後に転送されてくるみたいだね」
そんな変則的ルールだったのか!?
【菜刀天子】め、説明省いてきたな!?
全然来なかった俺に対しての嫌がらせだな!?
どうせランダム選出だし、合流した他のMVPプレイヤーから説明を聞けるだろうってことであえて教えなかったに違いない。
絶妙に支障が無さそうなものをチョイスする辺りは堅物感が拭えないけどな!
「誰が助っ人に来るか分からないけど、少しの間はコッチと【包丁戦士】で動くことになりそうだね」
そういうことだな。
……というか【石動故智】と二人だけで行動するって次元戦争ではじめてじゃないか!?
【石動故智】が味方になること自体珍しい気もするし。
「そうだね。
あの時は蛇腹剣次元、包丁次元、ピッケル次元で組んでいたんだよ。
ただ、コッチだけすぐに分断することになったから一緒に戦った印象はあんまり無かったかもしれないよ」
そうだな……
せっかくだし今回は連携をきっちりとっていきたいところだな!
さてはて、劣化天子にそれが出来るのでしょうか……?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】