2202話 小規模ガーデンバトルのフラゲ
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【マキ】と【ロイス=キャメル】が集まって世界剣樹攻略のヒントを探っていたな。
結局何も分からなかったのだが息抜きでキモいザリガニエネミー軍団を倒しに行くという方針になったのでヨシとしよう。
【海図航海士】も泣いて喜ぶだろうなぁ……(しみじみ)
というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにある天子王宮!
今日は【菜刀天子】に呼ばれてここに来たわけだ。
「劣化天子、ようやく来ましたね。
いつまでこの私を待たせる気ですか?
不敬ですよ」
いつもならただの小言だとして無視したいんだが、今回は一昨日の時点で事前に通知が来てたが【山伏権現】と【ロイス=キャメル】それぞれの呼び出しを優先していたのでここに来るのが遅れたわけだ。
そこそこ待たせたので甘んじて小言を受け入れるしかないだろうな。
「今回はガーデンバトルの事前告知です。
……とはいえ、劣化天子が来るのが遅かったので事前というより直前になってしまいましたが」
【菜刀天子】はジト目で俺の方を睨んできた。
何だよ、たまにはそういう時もあっていいだろ!
俺だって俺の事情があるんだからな!
「それはそうでしょうが……
それで準備期間が短くなるのは自業自得というものでしょう。
それを後から悔いても知りませんよ?」
くっ、痛いところ突かれたな……
そうならないようにガーデンバトル本番は立ち回らないとな!
「それで今回のガーデンバトルですが、参戦する枠組みがこれまでと異なります。
つまり、蛇腹剣次元とステッキ次元は別の次元と組んで戦うことになります。
毎回同じメンバーですとマンネリ化してしまうという配慮みたいですね。
私はそのようなことは思いませんが、プレイヤーとはなんと飽き性なことでしょう」
その辺はAIと人間との違いってことだな!
人間はより面白く移り変わる娯楽を求めるからな。
「難儀なものですね。
それはさておき、今回は侵攻側ですので準備期間はほとんどありません。
なのでもう明日には開催されますよ。
それと、今回は区分けを細かくしているようで2つの次元同士の組み合わせですね。
なので、包丁次元ともう一つの次元が組んで戦うということです。
低脳な劣化天子の思考力でも理解できましたか?」
まぁ、これくらいだったらこれまでのガーデンバトルと大差ないし理解は容易いな。
だが、慣れてきた組み合わせのステッキ次元と蛇腹剣次元が離れるってことはちょっとだけ厄介だな。
組む前提で連携の練習をしてきていたわけだしな!
ちなみに、どの次元と組むのかっていうのは教えてくれるのか?
「それは教えられませんね。
これまでで教えたことはほとんどないので今さらの質問ですね……
少しは学習してください」
いやいや、聞くぐらいはいいだろ!
気になるんだし、戦い方にも影響してくるんだからな!
教えてくれなかったことにケチつけてるわけじゃないんだし。
「それもそうですか。
ともかく、今回もきっちり勝ってきなさい。
最近は勝っているとはいえ不甲斐ない勝ち方でしたから私の顔に泥を塗らないように完勝を期待しますよ」
あー、前はかなりギリギリで時間切れで勝ったし、その前は天昇箱庭側のリーダーだった【石動ガンジ】が自害してくれたというなんとも言えない勝ち方だったからな……
【菜刀天子】の言いたいことも分かるし、俺自身もそう思ってる。
今回こそは勝ち切りたいところだな!
「その意気です。
ですが勝ち方に拘って負けてしまっては本末転倒です。
まず第一優先はあくまでも勝利を納めることですよ。
そこを履き違えないようにしなさい」
りょーかい!
それで負けたら、それこそ恥ずかしいもんな……
本当に頼みますよ……?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】