表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2197/2264

2197話 【海図航海士】と変質した海エリア

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は世界剣樹について【ロイス=キャメル】とどんな攻略方法がいいのか話していたな。

 だが、裏技的な方法を試そうとしても先に他のプレイヤーたちが失敗している姿ばかりだった。

 作戦が悪いのか、やり方が悪いのか、モブプレイヤーたちの技量が低いのかは分からなかったが一筋縄ではいかなさそうということだけは分かった。

 ちょっと一旦現場から離れて考えてみるとするか……






 というわけでやって来ました海エリア……の前に沼地エリア……無限湖沼ルルラシア!

 本当は海エリアに行こうと思っていたんだが、途中でなんと既に海になっていたのだ!

 これはいったい……!?



 「【包丁戦士】さん、ようこそ。

 ここの異変にも気がついたようで僥倖。

 俺たちは対処に追われていて大変」



 ここで偶然出会ったのは【海図航海士】。

 こいつがここにいるってことは、この海は擬似的なものじゃなくて海エリアから繋がってるってことか!?



 「その通り。

 だから深海種族に種族転生した俺もここで力を発揮できてしまう。

 行動範囲が広がるのは無問題」



 だが、これはグランドアナウンスでも流れていた海エリアの変質と関係があるんだろうか……?

 


 「間違いなくある。

 【カニタマ】も異様な力を得て変質していて、ここも直に浸水していくはず。

 これまでとは雰囲気や性格まで変わっていてエリア拡張に力を入れはじめた。

 これまでのようなエンタメ方針とは真逆」



 えぇ……

 それって全く別のレイドボスみたいじゃないか?

 本当に【カニタマ】だったのかよ?



 「同じ様に疑ったがあの場所に【カニタマ】以外のレイドボスが出現するとは思えない。

 よって【カニタマ】が変質したという事実が成立。

 種類としても酷似しているし、それに他に【カニタマ】のような存在の姿は見えない。

 何より、深海種族で【上位権限】レイドボスであるというレイドアナウンスが流れているのだから絶対的証拠」



 レイドアナウンスで流れてるならそうだろうな……

 基本的には【上位権限】レイドボスは一つの種族で一体だからな!

 俺みたいに後天的にレイドボスを倒して手に入れた場合は例外だろうが、NPCにはその例外はない……と思うから【海図航海士】の解釈で合ってると思う。



 「【カニタマ】もそうだが、海エリア全体にその取り巻きのようなエネミーが大量発生するようになってしまったのも問題。

 体長は1.5メートル程で、甲殻類の様な姿。

 3対の先に鉤爪のついた手足があって、背中に1対の羽がある。

 変な見た目のエネミーだが油断は出来ない。

 個体によって力の差はあるが、冒険者ギルドのダンジョンのような状況がずっと続く緊張感もプレイヤーには大変。

 だが、リアルでそういう経験をしている人なら無問題」



 そう言いながら俺のほうを見てきた。

 何だよ、俺なら平気とでも言いたそうだな?



 「実際、平気だと俺は確信。

 異論は?」



 ……ない。

 そういう精神的耐久力には自信があるからな! 

 耐久力か再生力かどっちが優れてるのかは自分で判断できないが、ダンジョン踏破耐久みたいなことやれって言われたらプレイヤーの中でも一番泥臭く生き残れるだろうな。



 「一番早く踏破できると言わない辺り手練れと感じた。

 それであれば、変質した【カニタマ】と戦うのに一番適任者なのは【包丁戦士】。

 やはり討伐に力を貸してほしい。

 これ以上俺の愛した海が変質してことを見過ごせない」



 まぁ、任せろ。

 とりあえず鉱人種族の【上位権限】レイドボスである【熱狂剣山の地霊鉱爵】が総力戦に参加してくれるってユニーククエストで約束させたからな。

 ここに俺が加われば不安は解消されるか?



 「……いや、百人力ではあるが手数が足りない。

 【カニタマ】が呼び出すエネミーを対処するために手数が必要。

 実力は問わない、一秒でもエネミーを止められる人材が可能な限り欲しい」



 そんなに切羽詰まっているのか……

 そういうメンバーの集め方をしたレイドバトルは深淵種族レイドボスの【シシャー】……通称デカブツムカデを倒しに行ったときくらいだぞ?



 「……一度見てくることを推奨」







 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ