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2196話 数々の失敗例

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【検証班長】と世界剣樹の根元付近で話をしていたな。

 包丁次元のプレイヤーたちが色々なアプローチで世界剣樹の性質や特性を探りつつ攻略しようとしているって話を聞いたな。

 それが俺のやり方を真似しようとしているっていうんだから驚いたよな。

 それだけ俺のイベント踏破率は包丁次元のプレイヤーに認められているってことなんだろうが、それだったら俺の人望がもっとあってもいいんじゃないか!?

 ……そんなにプレイヤーキルがダメなんだろうか。







 というわけでやって来ました草原エリアにある世界剣樹!

 ここには相変わらず多くのプレイヤーが集まっているが、そりゃこれだけ目立つ新コンテンツがあれば誰だって来るよな……



 「私としても見逃せない。

 まるでジャックと豆の木の話のような見上げるほど立派な世界剣樹だ。

 童話を好む私には魅力的なものだよ」



 その人混みの中に【ロイス=キャメル】もいたようで、俺に気がついて声をかけてきた。

 ……というか気になる理由ってそこかよ!

 木だけに……ってな!



 「それにしても世界剣樹というものが生えてくるとは。

 私のステッキ次元では世界剣種があまり見つかっていないのでやろうと思ってもその段階にないが、所持者をよく説得したものだ。

 おそらくあの献剣台に世界剣種を捧げた時に何かしらのデメリットを負うのは明白だろうに……」



 【ロイス=キャメル】はそれを見破っていたか。

 まぁ、俺と【リフレクトミラーディフェンダー】は気づいてなかったが……

 【キズマイナ】と【菜刀天子】は多少勘づいているようなムーヴをしていたな。

 事前準備みたいなこととか、後からだと出来ないことをやってたし。



 「私の【恋慕戦場の駒剣】は代わりに捧げることができたのか気になるが、とはいえこの剣は元々デメリットを多く含んでいる。

 使いこなせるのはお嬢さんくらいだろうか?

 条件についても分かってきたが、私ではどうにもならないものだったよ」



 あぁ、あの俺から強奪した【失伝秘具】ね。

 次元戦争の報酬になるはずだったのに【ロイス=キャメル】に簒奪されてしまったからな……

 


 「その節は失礼した。

 だが、鏡の国のアリス好きとしては見逃せない逸品であったのも事実。

 こういうコレクションを集めるのもゲームの醍醐味ではないかね?」



 ごもっともだ。

 それを否定する気はさらさらないぞ!

 だが、それはそれとして悔しいな。

 あの力を俺が使えたら良かったんだが……


 それはそうと、この木の攻略方法については何か思い当たるか?



 「まず思いついたのが空を飛んでいくという単純明快なものだ。

 私が試すまでもなく、今目の前で何人も失敗している最中ではあるが……」



 【ロイス=キャメル】はそう言いながら上空を見上げている。

 そこには竜の翼を生やしたプレイヤーたちが一直線に世界剣樹の頂上を目指している姿があった。

 だが、ある一定の高さに到達するとまるで見えない天井にぶつかってしまったかのようになり、そのまま地上へと落とされているようだ。



 「おそらく、ある範囲までは飛行を許可しているのは通常の草原エリア範囲の飛行を阻害しないようにする配慮だ。

 しかし、それ以上は先日アナウンスのあった新エリアに相当するということで飛んで入ることが出来ないのだろう。

 しかも、飛行して行った場合は世界剣樹に飛び移ることが出来ないらしい」



 つまり、正規手段である木登りをしろってわけか。

 でもこれを登りきるのは無理じゃないか?



 「こちらも途中でスタミナ切れを起こしているようだ。

 登るのに通常の木を登る何倍ものスタミナを消費する仕様になっているらしい。

 途中で休憩できる場所があればいいのだが、切れた瞬間にはあの通りだ」



 【ロイス=キャメル】が指し示したところでは木がずり落ちているプレイヤーがいた。

 あれは耐えられないのか?



 「どうやら内部データにあるスタミナのようなものが0になった途端に強制的にあのモーションを起こされてしまうようだ。

 それがどれだけ屈強なプレイヤーであってもだよ。

 かくいう私も軍で鍛えたスタミナでチャレンジしてみたが同じ結果で終わってしまったよ」



 【ロイス=キャメル】でもダメか……

 あんなのクリア出来るやつなんているか……!?






 出来たり、出来なかったりする……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
2週間かけて最新話に追いつきました!すごく面白かったです。
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