2195話 世界剣樹とモノマネ
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は流刑次元にある献剣台に【キズマイナ】と【リフレクトミラーディフェンダー】、【菜刀天子】が所持していた世界剣種を捧げてもらっていたな。
そうしたら急に【双真ナル】が現れて本来存在しないと【双真ナル】が断言した世界剣種【海溝剣アトラ】を捧げてそのまま消えていってしまった。
何がしたかったのかよく分からなかったが、あれをやりたくて俺の行動をコントロールしていたんだろうな……
どこまで想定通りだったのかは知らないがな!
というわけでやって来ました草原エリア!
離れたところから見た時にここが異様な姿になっていて……
「【包丁戦士】さんも来ましたか。
まさか草原エリアにこんなものができるとは想像してませんでしたよ……」
俺と【検証班長】が見上げているのは天高くまで伸びた大樹だ!
遠くからならテッペンは見えたのだが、真下から見ると果てしない高さに見えるな……
これを普通の木登りと同じ要領で登っていくのはかなり困難だろうな。
それこそ木登り大好きプレイヤーとか、そういうスキルとか技能を持っていないと……
「ここに立っていた建築物などは強制的にズレて設置されましたから、中々の無法っぷりですよね……
取り壊されなかっただけ不幸中の幸いとも言えますが。
それより、これは【包丁戦士】さんが発生させた世界剣樹というものですか?」
いやいや、俺だって分からん。
トリガーは流刑次元にあったし、この大樹も今さっきはじめて見たばかりだからな!
……まぁ、発生したタイミングからしてこれが世界剣樹だろうから今後はこの大樹を世界剣樹と呼ぼう。
「それが分かりやすくていいですね。
グランドアナウンスで流れていましたからその名称を全員聞いているのは間違いないからね」
それもそうだな。
こういうアナウンスの良いところの一つで、共通の呼び方が出来たり広まり安くなったところだろう。
「そのアナウンスで気になったこととして、【海図航海士】さんからも【カニタマ】が変質していて大変なことになっていると聞きましたね。
ただ、多くのプレイヤーがより興味を集めるであろうこの世界剣樹の方を優先して訪問しましたが」
【カニタマ】の方も気になるな……
だが、そっちは【海図航海士】が対応しているなら俺も一旦任せておくことにしよう。
……後で行くつもりではあるけどな!
それよりも先にこの世界剣樹の方を調べてみよう。
「ボクが触ってみた感じでは特に変化はありませんでしたね。
ステッキ次元から移籍してきたノコギリがチュートリアル武器のプレイヤーがクラン【検証班】にいるので試しに伐採をしてもらおうと思いましたがびくともしませんでしたが……」
おい、平然と言ったがしれっと伐採しようとしてたのかよ!?
だが、ただの木じゃなくて頑丈さはハンパないようだ。
「他にもジョブがメイジのプレイヤーがスキル【渦炎炭鳥】の火の玉で焼き払おうとしているのを見ましたが、それも世界剣樹に当たった瞬間に鎮火されていましたよ。
耐久力全般が高そうですね」
おいおい、包丁次元ってこんなに治安が悪かったか!?
世界剣樹が全焼してたらどうするつもりだったんだろうか!?
「いやいや、治安が悪くなる要因代表みたいな【包丁戦士】さんが言うセリフですか?
攻略方法については【包丁戦士】さんのやりそうな行動を模倣するのが流行って来ていますからね……
プレイヤーキルはともかく、ユニーククエストやレイドバトル関係の関与率、達成率を羨むプレイヤーは多いよ」
なるほどな……
謂わば俺のフォロワーみたいなものか。
まぁ、【包丁戦士狂教団】みたいなクランもあるしそういう奴らがいるのも分かってはいる。
だが、俺かぁ……
なんだかなぁ……
憧れる対象を間違えてはいけませんよ!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




