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2194話 世界剣樹と外なる介入

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【キズマイナ】が【菜刀天子】から借りていた【勅聖剣タイア】の試し打ちをしていたな。

 これまでよく分からない性能をしている剣っていう認識でしかなかったのだが、担い手が使い心地と性能を確認してくれたのでおおよその概要は分かったな!

 ……とはいえ、慣れた担い手だとまた別の使い方もしてくる可能性が高いから油断は一切出来ないけど。






 というわけでやって来ました流刑次元!

 ここには俺以外にも【勇者】である【キズマイナ】と、【パイロット】の【リフレクトミラーディフェンダー】がいる。

 皆包丁次元の【世界剣種】の担い手という共通点があり、献剣台にそれを捧げることに同意してくれてるわけだ!



 「【包丁戦士】!

 約束通り来たわよ!」

 「あてぃしもいますよぉぉ!

 ここにいる人は用件も分かっていますし、さっさと始めちゃいましょうぅぅ!」



 そうだな。

 目的はあらかじめ俺が話しかけているわけだし、前置きはほどほどに始めてしまおうか!



 そう言うと【キズマイナ】は【勅聖剣タイア】と【底骸剣デュラ】を台に置いていき、【リフレクトミラーディフェンダー】は【戒炎剣レヴァ】を台に置いていった。

 

 すると脳内に無機質な声が鳴り響きはじめ……





 【グランドアナウンス】


 【【キズマイナ】によって【底骸剣デュラ】が献剣台に捧げられました】


 【包丁次元に底骸剣種デュラが芽吹きました】



 【【キズマイナ】によって【勅聖剣タイア】が献剣台に捧げられました】


 【包丁次元に勅聖剣種タイアが芽吹きました】

 


 【【リフレクトミラーディフェンダー】によって【戒炎剣レヴァ】が献剣台に捧げられました】


 【包丁次元に戒炎剣種レヴァが芽吹きました】



 【エリアアナウンス】


 【【キズマイナ】は一時的に【底骸剣デュラ】のスキルを使用出来なくなります】


 【【キズマイナ】は一時的に【勅聖剣タイア】のスキルを使用出来なくなります】


 【【リフレクトミラーディフェンダー】は一時的に【戒炎剣レヴァ】のスキルを使用出来なくなります】




 「えっ、【戒炎剣レヴァ】のスキルが使えなくなっちゃうの!?

 聞いてないよ!?

 【包丁戦士】が騙したよ!」

 「ふひひっ、なるほどですぅぅ……

 もしや【菜刀天子】はこれを予見してあてぃしに【勅聖剣タイア】を託しましたかぁぁ……」



 そういうことだな。

 半分騙したみたいな感じで申し訳ない気持ちもあるにはあるが、ここは担い手が犠牲になるしかないコンテンツだ。

 俺だって同じようにスキルが制限されているんだから一蓮托生と思って堪えて欲しいところだ。


 

 「ですが、やはり最後の一本の【海鉱剣エッケ】がないと無理ですかぁぁ……」



 ん?

 【海鉱剣エッケ】!?

 前に最後の一本のことは知らないって言ってなかったか?



 「ふひひっ、あてぃしも調べてたんですよぉぉ!

 名前だけは分かりましたぁぁ!」



 そういうことか。

 だが、名前が分かっただけでもよしとするか。











 ……そう思っていたのだが、俺たち以外の人影が現れてそのまま献剣台の方に剣を捧げていった。



 「悪いね、最後の一本は【海鉱剣エッケ】にはさせないよ。

 芽吹かせる楔にするのはこれだね」




 【グランドアナウンス】


 【【双真(ふたま)ナル】によって【海溝剣アトラ】が献剣台に捧げられました】


 【包丁次元に海溝剣種アトラが芽吹きました】




 【エリアアナウンス】


 【【双真(ふたま)ナル】は一時的に【海溝剣アトラ】のスキルを使用出来なくなります】





 「「『割り込みっ!?』」」

 「しかも【海鉱剣エッケ】じゃない世界剣種ですかぁぁ!?」

 「これは私の持ち込みみたいなものだね。

 少なくとも包丁次元には存在してないものだよ」



 【双真(ふたま)ナル】がそう言い張ってきたが、そんなのアリかよ……




 【グランドアナウンス】


 【七つの世界剣種が芽吹き世界骨子が形作られる……】


 【世界剣種が結合し、世界剣樹へと成長しました】


 【新エリアが包丁次元に生成されました】



 【個人アナウンス】


 【【包丁戦士】が称号【堕闇剣を捧げし者】を獲得しました】


 【【包丁戦士】が称号【封地剣を捧げし者】を獲得しました】


 【【包丁戦士】が称号【正義剣を捧げし者】を獲得しました】


 【【包丁戦士】が称号【世界剣樹の育手】を獲得しました】



 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が170になりました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が171になりました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が172になりました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が173になりました】






 【WARNING!】


 【深海種族への【海溝剣アトラ】による介入……】


 【深海種族が変質しました】


 【海エリア全体が変質しました】







 なんだこれは!

 何なんだこれは!?


 これで目的をまた一つ果たせたかな?


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
育手……
海人鉱人は2種族で一つの世界剣種だったのか 【海鉱剣エッケ】はエッケザックスからだろうけど、【海溝剣アトラ】はいくら調べても元ネタが見つからない…。これも【双真ナル】の異常性の内の一つなんだろうか?
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