2190話 反射鏡の戒め
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は献剣台に【堕闇剣ダイン】、【封地剣マヒク】という2つの切り札を置いてみたらなんと両方のスキルを一時的に使えなくなるという弱体化を受けてしまった。
そんなぁ……という感じだが、世界剣種グランドクエストの進行には必要不可欠だろうから仕方あるまい。
俺が出来ることはさっさと世界剣種グランドクエストを進めて再びスキルを使えるようにすることだけだ!
やるしかない!
というわけでやって来ました荒野エリア!
ここにいる世界剣種の持ち主に協力してもらおうと声をかけに来たのだが……
「あっ【包丁戦士】!
陣営対戦ぶりだっ!
機戒種族陣営は負けちゃったけど私が負けたわけじゃないから勘違いしないでよね?
オジチャンは渡さないんだから!」
いや、別に【短弓射手】のことを狙ってるわけじゃないし……
むしろ今日はお前……【リフレクトミラーディフェンダー】に用事があってここに来たんだ。
「私に……?
珍しいよね?」
まぁな。
だが、先日のアナウンスとお前の状況から考えたら見当もつくだろ?
「【戒炎剣レヴァ】を私が持ってるからってこと?
献剣台ってところに持っていって欲しいって予想したけど」
その通りだ、話が早くて助かるな。
どうだ?
引き受けてくれるか?
「うーん、ライバルの【包丁戦士】の言うことを聞くのも複雑な気分だけどグランドクエスト案件だもんね……
私が止めるわけにもいかないし、やっちゃおうかな!」
それは助かるな。
これに関しては世界剣種を所持してるプレイヤーに頼るしかないからな……
俺が二本捧げたとはいえ、まだまだ本数は必要っぽいから仕方ない。
「他はどうするの?
私のだけで足りない可能性も高そうなんだけど」
それはまぁ、順繰りに回っていくしかない。
特に【勅聖剣タイア】はエリア移動制限がされている【菜刀天子】が持っているからな……
それとこれまでの実績照会でも名前が明かされていないものもある。
それらが必要になってくるなら相当厄介なんだよなぁ。
勝手になんとかしてくれるなら苦労しないんだが……
「【包丁戦士】が知ってるのって【菜刀天子】が【勅聖剣タイア】を持っている以外だと他にある?」
他は……
【キズマイナ】が【底骸剣デュラ】を持っているくらいだな。
実績照会を見るに最低でも後一つは包丁次元に世界剣種があるとは思うんだが、実績照会自体【大罪魔】を討伐した時から流れてないしその時から状況が変わっているのかどうなのかすら分からないのが辛いところだよな!
「聖獣か【上位権限】レイドボスを倒せたらいいんだけど、そう簡単にはいかないもんね。
オジチャンが【荒野の自由】の様子を見たりはしてるけど……」
それは前に本人に会ったときに聞いたな。
倒すためにももう一体くらい機戒種族レイドボスを倒そうとしているってこともな。
「なーんだ、知ってたんだ。
それだったら私からわざわざ話さなくてもいいね。
だったら今分かってるもう一人の世界剣種の担い手の【キズマイナ】を連れてこれるならそのタイミングで一緒に流刑次元の献剣台に行くことにするよ」
そういう条件か。
まぁ、落としどころとしては悪くないか。
どっちにしても【キズマイナ】は誘いに行くつもりだったからな。
勧誘に成功するかどうかは分からないが、【リフレクトミラーディフェンダー】が【キズマイナ】次第で参加するかもしれないという条件があれば来やすくなるかもしれない。
利用させてもらうとしよう。
「相変わらずセコいね。
やっぱり深淵種族なだけあるよ!」
それは偏見だって!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




