2188話 協力の確約と剣と思惑
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は七つの大罪のうちの最後……俺に烙印された【暴食】の力を罪科石に吸い込ませていたな。
それで罪科石が虹色に輝くようになったので、とりあえず当初の目的は達成できただろう。
これでお土産は完全体になったわけだし、【熱狂剣山の地霊鉱爵】も不満もあるまい。
さっそく持っていくとするか……
というわけでやって来ました岩山エリア……堅牢剣山ソイングレスト!
ここの鉱山の中にいる褐色踊り子衣装の鉱人種族の【上位権限】レイドボス……【熱狂剣山の地霊鉱爵】と対面している。
「あちきのところに戻ってきたということは約束の罪科石への大罪の取り込みが終わったということでありんすか?
随分と早う終わりんしたね?
手抜きなどしてやせんか?」
疑われているのか?
何日間かかかったのに早すぎると思われるとは思わなかったな……
ちゃんと込めてきたんだから見せてやるよ、ほら罪科石だ!
受け取れ!
俺は罪科石を【熱狂剣山の地霊鉱爵】へと全力投球していった。
それを何事もないかのように平然とした表情でキャッチされてしまった。
……ちょっと悔しいな!
「罪科石を虹色に輝かせんしたか!?
これは予想以上の結果でありんすね……っ!?
プレイヤー換算で最上級の大罪濃度をそれぞれの大罪で注ぎ込まなければここまでの輝きになりんせんし……手を抜いたどころか極上の結果を出したと言ってもいいでありんしょう。
ありがとうござりんす!」
さっきとはうって変わって驚きと喜びの表情を隠そうとしていない【熱狂剣山の地霊鉱爵】。
それだけ嬉しかったっていうことなんだろうが、【大罪魔】と同じくらいの精度で罪科石のことを把握しているのは流石鉱石を専門にしている種族の【上位権限】レイドボスだな。
その辺りは抜かり無いってわけだ。
「とうぜんでありんすよ。
鉱石の鑑定を任せるのであれば私以外に適任者はござりんせんでしょう。
それくらいの自信はありんす。
そして、これをもらえるのは【カニタマ】と戦うのに値する代償としては充分でありんしょう。
ユニーククエストはクリアでありんす」
よしっ、きっちり言質は取ったからな!
ちゃんと総力戦の時は手伝ってくれよな!
……とりあえず【上位権限】レイドボスの参戦を一体確約させたからこの件は一旦クローズでもいいだろう。
【海図航海士】にはまた後日伝えておくとしよう。
あとは流刑次元にある献剣台について調べてみるか。
最近連続して流刑次元に行っていたこともあり、アレに反応があることを確認したからな……
おおよそ何が必要なのかについては分かっているつもりだからだ!
この罪科石関係の一連の流れが無かったら流刑次元にはしばらく行かなかっただろうし、結果的に【熱狂剣山の地霊鉱爵】のユニーククエストを引き受けて良かったかもしれない。
【熱狂剣山の地霊鉱爵】のユニーククエストは正直俺じゃなくても【ロイス=キャメル】、【マキ】【黒杖魔導師】、【ヲ神死弖煌邪】辺りの烙印者でもいけた気もするが、献剣台の方はそうもいかなさそうだし。
……やはり【双真ナル】に誘導されているのか!?
あいつは本当に何を知っていて、何をさせようとしているんだろうか……
さてね?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




