2187話 暴食と輝き
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【牛乳パフェ】と【ギアフリィ】に【嫉妬】と【傲慢】の大罪を罪科石に込めてもらっていたな。
男二人のむさ苦しい絵面だったが、そこは俺の乙女力でカバーしていたのでセーフだったぞ！
そして、しれっと【マキ】がこの二人と遺跡型の次元戦争で最近戦っていたということも聞けてよかったな。
俺と【ロイス=キャメル】が教え込んだことが実戦で活かされているのを聞けるのは教えた甲斐を感じられるからな！
【マキ】本人から聞くのもいいんだが、やっぱり一番分かりやすいのは対戦した相手から話を聞けることだからな。
というわけでやって来ました鉱山の地下にあるエリア……【屍山血河城塞アンデッド】！
ここにいる【大罪魔】の前で最後の大罪である【暴食】を罪科石に注ぎ込むことにした。
【ロイス=キャメル】は流刑次元に拘っていたが、ここも似たような環境だし大丈夫だろ！(確信)
「大丈夫だったり、大丈夫じゃなかったりする……
なんでわざわざズラしたの？」
いや、だって『面白』くないだろ？
失敗するかもしれないが、少しくらいアレンジしたい気持ちは誰だってあるはずだ。
それが俺は今このタイミングだったっていうだけだ。
気分次第では普通に流刑次元でやってたかもしれないけどな。
「世界が分岐したり、しなかったりする……？
数日前のタイミングで誰かの介入があったの。
大きな流れの捻れを感じたりする……」
介入……？
そんなこと出来そうなやつといえば【山伏権現】か、【双真ナル】くらいしか思い当たらないが……
【山伏権現】の場合は基本的には放任してくるだろうし、可能性として高そうなのは【双真ナル】だろうな。
まさに数日前に俺に直接接触して行動方針まで話してきたからな！
そこから捻れの流れとやらを作られていたということだろうが……
【大罪魔】が感じられるほどのものだったのか！？
そういうのってAIで判断できるようなものじゃないと思ってたんだが？
運命とかだろ？
「合ってたり、違ったりする……
運命を見てるわけじゃないの！
【上位権限】レイドボスにはそれそれ司っているものがあったりする……
【鉄血森林の森人君主】が情報、操作。
【荒野の自由】が技術、称号。
私が司っているのは感情だったり、欲望だったりする……
それをデータとして観測してそこから起きる行動を予測するのが得意なの！」
感情と欲望を観測して行動予測！？
そんなことをやっていたのか！
つまり、俺がやると思っていた行動を【双真ナル】が変えたっていうのも感情の動きが変わったということから導きだしたものってことか。
……まぁ、それを聞いたからといって止めるつもりもないけどな。
さあ、俺も【暴食】を罪科石に込めるとするか！
大罪スキル発動！【暴食噛牙】！
俺がスキル【暴食噛牙】を発動させるとこれまでの例に漏れず罪科石がエフェクトを吸い取りはじめた！
そして、【暴食】を吸い取り終えるとこれまで紫色に輝くだけだった罪科石が虹色に輝きはじめたぞ！？
これは驚いたな……
「これがプレイヤーで出せる最上級の輝きに近いの。
【色欲】が少し強すぎる気がする気がするけど、普通に使う分には問題ないの！
虹色になるか、強い紫色になるかは状況によったりする……」
ふーん、虹色にならないパターンもあるのか！
色の違いで性能の差があったりするのか？
ただ見え方が違うだけなのか？
「そこは秘密だったり、教えられなかったりする……」
ちぇっ！
教えてくれてもいいのに！
そこは諦めて欲しかったりする…
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
