2184話 妖しい色欲
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【マキ】に七つの大罪のうちの一つ、【怠惰】の大罪を罪科石に込めてもらっていたな。
これで残りは【色欲】、【傲慢】、【嫉妬】、【憤怒】、【強欲】、【暴食】だ。
【暴食】は俺が出来るが最後の締めとしてやりたいから残してるだけだがな!
というわけでやって来ましたステッキ次元の専用エリア……開襟町ステッキ!
中央にある時計塔が目立つこのエリアで会いに来たのはステッキ次元のMVPプレイヤー……【ロイス=キャメル】だ。
「用件は昨日【マキ】君から聞いているから承知している。
何でも七つの大罪を石に込めているとか?
中々ユニーククエストの中でも人によっては面倒なものを選んだようだ」
そりゃ仕方ないだろ!
話の流れ的にこれ以外で進められる見込みが無かったんだからな……
でも、まぁ、【マキ】から既に話を聞いていたなら好都合だ。
流刑次元にいくぞっ!
というわけで場所を変えて流刑次元!
まぁ、【ロイス=キャメル】なら自力で大罪の風を吹き荒らすことが出来るので場所移動の必要も無かったのだが、一応【マキ】に合わせてもらった感じだな。
大罪を込める場所も統一した方がいいと【ロイス=キャメル】が言うので几帳面さが伝わってくるなぁ……(しみじみ)
「条件がブレた時の不測の事態は避けられるものなら避けた方がいい。
堅実さこそ着実な成果を生み出すものだ。
私の軍もそうやって認められ続けてきたものだよ」
堅実さか……
俺の活動からしてみると縁遠いものだろうな!
基本的には突発的に起きたことをその場しのぎで解決しているみたいなものだからなぁ……
今回のユニーククエストも流れが勝手に生み出したものだし。
「お嬢さんはそれでいいだろう。
私には私の、お嬢さんにはお嬢さんのやり方があるのは仕方あるまい。
それぞれの方法でしか生み出せないものもあるというのは私も実感させられているのだから。
とはいえ、今回は私が協力する以上ここは私のやり方でやらせてもらうがね」
それで構わない。
別に俺だってやり方に拘ってるわけじゃないからな!
「では私は変身しておこう。
発情せよ【色欲】!」
【ロイス=キャメル】はそう言うと身体を幼女のものへと変化させていき、衣装も不思議の国のアリス風のものになっていった。
これが【ロイス=キャメル】の本領を発揮できる姿だからな、変身するのも当然だろう。
……それはいいんだが。
「キャメルちゃんにお任せあれ♪
【包丁戦士】ちゃんに恩返ししちゃうよ♪」
そう、この立ち振舞い、言動の温度差で風邪を引きそうなことだな。
俺は多少慣れてきたが慣れてないやつがこれを見たら腰を抜かすだろうなぁ?
「キャメルちゃんがイクよ♪
大罪スキル発動♪【色欲麗手】♪」
【ロイス=キャメル】が大罪スキル【色欲麗手】を発動させると、【マキ】の時同様にスキルのエフェクトを罪科石が吸い取り始めていった!
よしっ!
成功だな!
「セイコーだね♪
【包丁戦士】ちゃんは明日またここに来てよ♪
キャメルちゃんが手取り足取り仕込む準備をしてあげるから♪」
おっ、おう……
何か色々と怖い気配もするが、頼っていいなら頼らせてもらうとしよう。
ここ最近連続お使いクエストみたいな感じで走り回っていたから、助けてくれるなら藁にでもすがりたい気持ちだったんだ!
「愉しみにしておいてね♪」
楽しみだったり、愉しみだったりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




