2183話 怠惰注入
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【熱狂剣山の地霊鉱爵】に【カニタマ】討伐のために協力を求めに行っていたな。
結果としては承諾してくれそうな感じだったのだが、代償として罪科石を渡そうと思ったがそこに七つの大罪を込めてきて欲しいとのことだったので集めに行こうと思う!
というわけでやって来ました安寧村ジャバラケン!
ここにいる大罪の烙印者といえばもちろん……
「変態お姉さんこんにちは~!
今日は昼からログインしてるんだね~!
イベントじゃない時なのに珍しいね~」
まぁな。
フリーランスみたいなものだし、仕事が特に切羽詰まってないからそういう時は時間を自由に使えるからな!
そこは特殊なタイプの社会人の特権だな。
それはそうとお前に用事があるんだ、この石にお前の【怠惰】の大罪の力を込めてくれないか?
「【怠惰】を~?
いいけどどうやってやるの~?」
【マキ】から質問をもらったが……どうやってやるんだ!?
そういえばやり方を【熱狂剣山の地霊鉱爵】からも【大罪魔】からも聞いてきてないな!
これは完全にやらかしたか……?
とりあえずこれに向かってスキルを使ってみてくれ!
流刑次元にとりあえず行くゾッ!
というわけで場所を変えて流刑次元!
ここで【マキ】に【怠惰】のスキルを使ってもらおう。
「うちのスキルを見せちゃうよ~!
大罪スキル発動【怠惰蜷局】~!」
【マキ】が発動させたのは【怠惰】の大罪スキルの【怠惰蜷局】。
この効果が起動したタイミングで俺が持っていた罪科石が紫色に輝き始め、スキルの演出を吸い取りはじめたぞ!?
「うわ~、キレイだね~!
これが見れただけでも変態お姉さんについてきて良かったよ~!」
そう言ってもらえると嬉しいな。
正直謝礼を支払えるような案件じゃないからほぼ無償協力を強いているみたいなものだし、何か得られたものがあったなら連れてきた甲斐もあったというものだ!
それはそうと、【マキ】は最近どんなプレイングをしているんだ?
「うちは前と同じ様に集団戦の練習をしたり、一人でダンジョンに潜って特訓したり、あとはお昼寝かな~?」
ということはまだ【ロイス=キャメル】による集団戦闘訓練は続いているってことか!
続けている【マキ】も凄いが、それ以上に根気強く付き合っている【ロイス=キャメル】にも頭が上がらない。
包丁、蛇腹剣、ステッキ連合で一番軸にしやすい戦力が【マキ】だから、その強化を積極的にしてくれるのは効果がデカすぎるからな!
「前のガーデンバトルでも特訓の成果を出せたからやる気が出ちゃったよ~!
前よりも戦いやすくなってきて、みんなと一緒に戦えるのがどんどん楽しくなってきちゃったね~!」
楽しんでいるようで何よりだ。
そういう特訓って苦手なやつは苦手なままだし、楽しんで出来ることは才能の一つなのかもしれないな。
俺だって好んでやろうとは思えないし、そもそもMVPプレイヤーの中で比較するなら苦手な方だからな……
MVPプレイヤーとして槍玉に上がり続けたので昔よりはマシになったが、それでも集団を率いて戦うよりは単身で戦うかせめて少数精鋭がいいところだ。
【マキ】は俺の単身戦闘技術を粗方だが叩き込んだんだから、あとは【ロイス=キャメル】の集団戦闘技術さえ覚えてしまえば【ランゼルート】は無理にしても【綺羅星天奈】や【師匠】までなら何とか打倒できそうなポテンシャルを秘めている。
流石は【山伏権現】が見込んでわざわざ誘いにいった最上級のVR適合者なだけはあるよな……
「頑張って身につけちゃうよ~!
変態お姉さんも油断してるとうちに負けちゃうかもよ~?」
……そうならないように俺も研鑽を積まないとな。
プレイヤーが切磋琢磨するのはいいことです。
劣化天子もいい影響を受けているのが喜ばしいことですね。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




