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218話 クランピクニック

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 はい!今日も元気にログイン!

 今日も岩山エリアで食材探し……だが……ポリンお嬢様はリアルの用事で来れないと言っていたな。


 そもそも、オンラインゲームに毎日長時間ログインしているやつらは中々クレイジーだ。

 俺も一回のログイン時間はそんなに長くないからな、だから1話1話の長さが……


 「またワケのわからないことをいっておるな!!!

 【包丁戦士】は平常運転というわけだな!!!」


 ま、そういうことだ。


 俺の目の前にいるのはガチムチおっさんの【槌鍛治士】だ。

 なんでこいつがいるのかと言うと、岩山エリアでの散策を今日は【槌鍛治士】とやろうと思っているからだ。

 

 あと、二人呼んでいるんだが……


 「あっ、次ボマードちゃんの出番なのに、順番を奪っちゃったッス!」


 「いや~、私が先に出ていくはずだったのに抜かさないでください!

 せっかくの【包丁戦士】さんへのアピールチャンスが……」


 「つい手癖で盗んじゃったッス!

 あと、もう先に【槌鍛治士】先輩が来てたみたいッスから、どっちにしてもアピールにはならないッスね」


 賑やかな様子で現れたのは手癖の悪さが一級品の【バットシーフ】後輩と、ポンコツ感満点のボマードちゃんだ。


 というわけで、クラン【コラテラルダメージ】メンバー総出で出発だ!


 「こうやって全員で集まって出かける機会なんて中々ないですからね。

 いや~、どんなところに行くのか楽しみです!」


 完全にピクニック気分だな?

 流石頭お花畑娘、自分の思考回路も爆発させてしまったかのような爆弾魔の発言だったが、一理あることもある。

 クランメンバー全員が揃ったのは初心者ダンジョンイベントの突入の時くらいだからな。

 こういうときくらい集まって行動するのも悪くないだろう。

 どうせ、レイドボス戦でまた共同戦線を張ることになるから、今のうちに連携に慣れてもらう方が都合はいい。


 








 まあ、今回はポリンお嬢様と行ったような洞窟ではなく、岩山エリアの中でも草木が繁っている場所だ。

 ここへの来かたはあらかじめポリンお嬢様からメモをもらっていたから、迷わずに来ることができた。

 流石トッププレイヤー情報……


 「ほえ~、岩山エリアにこんな場所があったのですね!

 いや~、ゴツゴツした大きな岩ばかりかと思ってましたよ!」


 あぁん?大きなその双丘ももいでやろうか?


 「いやー、やっぱり【包丁戦士】さん私にだけなんだか辛辣過ぎません?

 もしや私の魅力に嫉妬している……とか!照れちゃいますね~!!」


 「【包丁戦士】先輩も大概だと思ってたッスけど、ボマードちゃんは別ベクトルで思考が飛んでるッスね……

 それに比べて【槌鍛治士】先輩の安心感……」


 「どうだ!!!

 ワシの作ったカゴの背負い心地は!!!!」


 「私でも背負いやすいですね。

 いや~、肩からかけるカバンだと胸に引っ掛かったりして使いにくいですから助かりました!!」


 「俺っちもぴったりッス!

 これ、もしかしなくても一人一人の体格に合わせて作ってあるッスよね!?」


 「当然だ!!!

 作っても使いにくければ、ワシが満足できんからな!!!」


 今回は草木がいっぱいあるゾーンでの散策ということで、背中に背負うタイプのカゴを人数分用意してもらったのだ。

 もちろん、【槌鍛治士】お手製だ。

 鍛治士といいつつ、他の生産活動分野もちゃっかり押さえている辺り流石俺の相棒だ。


 「ガハハ!!!

 お前まで一緒に誉めるな!

 照れるであろう!!!」


 誰に需要があるのかわからないガチムチおっさんのもじもじする姿を横目に俺たちは、草木をかき分けはじめた。

 ここで採れそうなものは……山菜か?

 

 おっ、さっそくそれっぽいのがあったな。

 先端がぐるぐると巻いているこの姿は……コゴミだな。

 こいつは茹でてマヨネーズをつけて食べたり、揚げて天ぷらにすると美味い!


 採っておいて損は無さそうだから、カゴのなかに突っ込んでおくか。





 「先輩!

 これって食べられるッスか?」


 【バットシーフ】後輩が大声で俺を呼んでいるのでそちらに向かうと、後輩が木の根もとを指差していた。

 そこには、焦げたような見た目をしたキノコが生えていた。

 見た目は一見するとトリュフに見えるが……別物だ。


 なぜそんなことが分かるかと言うと、前にこれと同じものを使ったことがあるからな。

 その正体はケムリダケ……!


 噛むと繊維から煙が出てきて咳が止まらなくなる。

 さらに、喉も渇くという毒でこそないが、トラップ系のキノコだ。


 「先輩はそんなトラップ系のものも料理したことあるッスね?」


 「ああっ!

 それって前に私が食べさせられた料理にはいってたキノコですよね!?

 いや~、あの時はひどい目にあいましたよ!」


 「先輩……クランメンバーの仲間に食べさせたんッスね……」


 今度お前たちにまた食べさせてやるから安心しろ!(?)

 俺の言葉に怯えた後輩とボマードちゃんだったが、一応ケムリダケをカゴに入れていた。

 なんだかんだ、役割はちゃんと果たしてくれているので感心感心。


 






 またポイズンクッキングの気配がしますね……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] クランメンバーだけでのピクニックいいですね 4分の3はいかれてるメンバーですが 本人たちは楽しそう何よりです [気になる点] レア度5以上の毒が入っている素材を料理して出したらどうなるのか…
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