2178話 キカイな進捗
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【検証班長】と話していたな。
俺が関与していないところで【風船飛行士】と情報戦を繰り広げていた話とか聞いていたが、俺にはその辺の管理はさっぱり分からないので勝手にやっておいてくれって感じだ。
あと、今後の攻略をどうするのか聞かれたが特に目処が立ってなくて俺と【検証班長】の二人で頭を悩ましていたな。
本当に悩ましい……
というわけでやって来ました荒野エリア!
ここにいるとある人物に話を聞きに来たわけだが……
「オジサンに話って何かねぇ?
お嬢ちゃんみたいな子に質問されるのはドキドキしちゃうカナ」
そう、包丁次元での機戒種族系クエストの代表格の1人である【短弓射手】だ!
代表格といえばもう1人【トンカチ戦士】っていうやつもいるんだが、生憎そっちとはほとんど関わりがないからな……
気軽に聞ける【短弓射手】のところに来るのも自然な話だろ?
「お嬢ちゃんくらい活動してて絡みが全くないのも不思議な話だよ。
トッププレイヤーに準ずるくらいの活動をしているはずだから接点はあって当然だと思ってたカナ」
見たこと自体はあるんだよな。
ただ、話す機会とか戦う機会みたいなのが全くなかっただけで。
俺からもわざわざ話に行くほどの用事はないからそのままだ。
「お嬢ちゃんの事情は分かったけど、オジサンに何を聞きたいのカナ?」
お前に聞きたいのは【荒野の自由】やその周りの現状についてだな。
陣営対戦で【荒野の自由】が敗北してからどうなったのかも気になるし。
「オジサンはリアルでの仕事が忙しすぎてちょうど陣営対戦の時にログイン出来なかったんだよねぇ……
【荒野の自由】もあらかじめ相談してくれていたら合わせられたのに」
そこは知ってたな。
何かで見聞きした気がする。
だが、今ログインしてるってことはある程度は落ち着いて戻ってきたってことだろう?
だったら少なくとも今の状況は把握してるってことだ!
「言い逃れ出来るかなと思ってたけどお嬢ちゃんは鋭いねぇ……
仕方ないからオジサンが知ってる範囲のことなら教えてあげようカナ」
やったぜ!
そうこなくっちゃな!
「まず【荒野の自由】だけど、自己修復や情報操作を受けた部分の精密検査をしているみたいだから何処かに引き込もってしまっているよ。
場所はオジサンも知らないカナ」
だから荒野エリアでも俺が安心して歩けるってわけだな。
前までならこうやって会話してるだけでもワンチャン飛んできてキルされてたからな……
「あと、砂漠が【槌鍛冶士】に統治権が移ったから草木が生え始めたみたいだよ。
お陰で気温が下がったり、足場が安定するようになって歩きやすくなったのはありがたいカナ?
……それと一緒に機戒鮫、【エヌレッド=シャーク】が砂漠にも出現するようになったから快適度の変化はプラスマイナスゼロだねぇ……」
そんな変化があったのか!?
統治権のあるレイドボスによってエリアの特徴が多少変わるのは分かっていたが、【槌鍛冶士】の影響力って何だかんだデカイんだなぁ……
「大規模な変動があったからか、機戒種族のレイドボスが新たに登場する予兆のようなものが出てきたのもあるねぇ。
ユニーククエストなんだけど、オジサンと【トンカチ戦士】たちで攻略中だからそろそろ姿を拝めるかもしれないねぇ……」
それは期待だな!
あと一体くらい倒したら【荒野の自由】討伐もかなり楽になるだろうからな!
だが、陣営対戦に負けた今のままでも倒せそうではあるが……
「さっきも言ったように【荒野の自由】がイマドコにいるのか分からないからねぇ……
分かるなら勝負を挑んでもいいんだけど、ある程度回復しないと姿を見せてくれないだろうから、オジサンたちはそれまでにレイドボスを倒したいと動いているよ」
なるほどなぁ。
近いようで遠い道のりになりそうだな……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




