2172話 唯一無二の相棒とのリザルト確認
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【荒野の自由】を食い止めていたが、最終的にどうなったんだろうか？
終わってしまった後では分からないので聞きに行くしかないな！
というわけやって来ました、封印の森ダンサムント！
かなり荒れてしまっている森だが、【荒野の自由】を筆頭に機戒兵たちが暴れまわっていたので仕方ないだろう。
だが、今は機戒兵たちがいないな？
ということは……？
「ガハハ！！！
来たか【包丁戦士】！！！
お前のお陰で負け戦のはずだった今回の陣営対戦に勝てたぞ！！！」
おおっ、やっぱり勝てたんだな！
あそこまでやって負けてたら泣くしかなかったので本当に良かった……
封印の森ダンサムントも、【槌鍛冶士】も残ってくれていたので俺はホッとしたな。
「ガハハ！！！
せっかくだ、お前が写真を貼った後に流れたアナウンスを流してやろう！！！
今回はログとして残らなかったみたいだが、ワシの情報操作能力を以てすれば終わったイベントの情報を引っ張り出すのは容易いぞ！！！」
そうして【槌鍛冶士】はウインドウ画面を弄る操作をし始めた。
この辺を見ると普通のプレイヤーに見えちゃうんだよな、だから他の連中にもこれまで怪しまれなかったんだろうが……
【ワールドアナウンス】
【【鉄血森林の森人君主】の【上位権限】ー【enchantment】】
【【荒野の自由】へのAI干渉】
【【荒野の自由】の【上位権限】を封印の森ダンサムントへ一部封印しました】
【【鉄血森林の森人君主】による指示ー【荒野の自由】の帰還命令】
【【鉄血森林の森人君主】による指示ー【荒野の自由】による指示ー機戒兵の帰還命令】
【【鉄血森林の森人君主】による指示ー【荒野の自由】から【鉄血森林の森人君主】へのリソースの譲渡】
【【鉄血森林の森人君主】による指示ー【荒野の自由】から【鉄血森林の森人君主】へのエリア名称【陽炎砂漠シヤラマカン】の譲渡】
【【鉄血森林の森人君主】による指示ー【荒野の自由】から【鉄血森林の森人君主】への【想起砂漠の現像鮫(廻)】の譲渡】
【【鉄血森林の森人君主】による指示ー【荒野の自由】の陣営対戦降伏】
【【鉄血森林の森人君主】による指示ー【荒野の自由】から【鉄血森林の森人君主】への【失伝秘具】の譲渡】
「ガハハ！！！
どうだ、こんなところだ！！！」
【槌鍛冶士】は豪快に笑っているがこれは当人からしたら豪快に笑いたくなる案件だろう。
攻められて自分のエリアはボロボロになったものの、それで得られたものが大きすぎるからな！
陣営対戦の勝利、リソース獲得、【失伝秘具】獲得、【荒野の自由】の【上位権限】の一部を封印、砂漠エリアの獲得、機戒鮫を配下に……中々強欲な命令ばっかり出したな！？
「本当は【荒野の自由】を撃破した扱いにして全て貰うつもりだったんだがな！！！
流石にそこまで情報の海に潜る前にプロテクトがかかっていて、命令出来なかったぞ！！！
だが、失った以上の収穫があったからヨシとしよう！！！
拡張新緑都市アネイブルにいたあのサメをようやく手懐けることが出来るのも鍛冶が楽になって助かる！！！」
あの機戒鮫、誰かが力を入れて倒そうとしていないのでずっと徘徊してプレイヤーを襲い続けてるからな……
【槌鍛冶士】が指示を出せるようになるならそこが改善できるだろうし、包丁次元のプレイ環境が良くなるぞ！
あと、俺的には【荒野の自由】の【上位権限】の一部を封印できたのもありがたい、自由行動し続ける【荒野の自由】にエンカウントしてキルされることが稀にあって鬱陶しかったんだよ。
「というわけでワシとお前でWin-Winだな！！！
相棒同士の力を合わせて得た勝利の結末としては充分だ！！！」
あぁ、そうだな！
俺はそう言いながら【槌鍛冶士】の首を包丁で切り落として恍惚な笑みを浮かべて感傷に浸るのだった……
その流れで、そうなりますか！？
狂人過ぎますね……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
