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2164話 戦力の随時投入は悪手

 「強化してきてもその程度では無駄デース!

 【アクセラレート】【ブロー】!」



 【荒野の自由】はスキルを発動させると、手元に機戒のボクシンググローブのようなものを生み出し、それを装着するとバフを受けたプレイヤーたちに向かって疾走していきそのまま殴りはじめた!


 ……拳で殴る系統のカタカナスキルもあったんだな。

 確かにメリケンサックとかそういうチュートリアル武器の使い手もいるから、今考えてみればあり得ない話じゃないんだろうがこれまで考えたことは無かったな……


 

 「うお~【荒野の自由】が速すぎる~!」

 「ムリムリムリムリ!

 あのパンチは避けられないって!」

 「あっ、死ぬデス……」

 「ヒャッハー!

 滅却されたぜぇ……」

 「散り際も綺麗に……これが俺の流儀です……」



 唐突な【荒野の自由】の接近に対して対応できず、そして【荒野の自由】の身体スペックの高さに翻弄されたのもあってモブプレイヤーたちが次々にやられていってしまっているな……

 まぁ、モブプレイヤーたちにあれを対応しろっていうのも酷な話なんだが。



 ……いや、待て?

 しれっとクラン【裏の人脈】の幹部三人が死んでなかったか!?

 【モーニングスターシスター】と【バールソルジャー】と【メリケンサックボクサー】だな。

 一応【バットシーフ】後輩は生き延びてるっぽい。

 【裏の人脈】の連中も上位層には劣るが、それでも皆2つ名持ちだし中堅レベルの実力はきっちり持ってるはずなんだけどなぁ……?

 特に【バールソルジャー】なんて変身できるスキル【聖獣毛皮】を使えるくらいには一握りの実力者だし。



 まぁ、そういう連中でも【荒野の自由】の行動パターンの変化には対応できなかったってことだな!

 さっきまで遠距離攻撃ばかりしてたやつが急に方針を変えてきて、しかもそっちでもかなり強いってなったら動揺はするか。

 


 「まだまだいきマース!

 【キチンシンク】!」



 【荒野の自由】は拳の次に足での攻撃を仕掛けていくようになった。

 キチンシンクは相手のみぞおちを目がけて自らの膝を突き刺す打撃技なのだが、カタカナスキルとしての【キチンシンク】はその蹴りが周囲に連動していくようで直接蹴りを受けたわけでもないプレイヤーも一人が蹴りを受けた部位にダメージを負ってしまっているみたいだな。


 一度で二度も三度もお得になるスキルっていうのは純粋に手数を補えるので集団戦闘に強いな。

 ……だが、そんなスキルをプレイヤーを複数迎え撃つ前提のレイドボスが使うなよな!

 ずるいだろ!



 だが、そんな犠牲を増やしながらも【風船飛行士】の風船偽竜を壁にして俺たちはどんどん戦線を前に進めていっている。

 一部のプレイヤーは突出して前にいっていたりもしたのだが、そういうプレイヤーたちは早々に【荒野の自由】にキルされていったので今残っているプレイヤーたちは慎重な行動を心がけてるやつらばかりだ。


 俺は……まだ出番じゃないと思う。

 せめてもう少し近づいて、それで【荒野の自由】の隙が生まれないと出ように出れないわけだ。


 さっきから戦況の解説ばかりになっているが、サボってるわけじゃなくていつ出ればいいのか分析してるんだからな!

 勘違いするなよ!



 「誰に言い訳してるんだよwww

 そんなことを言わなくても分かってるンゴねぇwww 」



 いやいや、一応画面の前の読者にも言っとかないと!

 舐められたら癪だし。



 「配信者でもあるまいし、【包丁戦士】がそんなことをする必要はナッシングwww

 杞憂過ぎるンゴwww

 自意識過剰すぎてワロタwww 」



 ……まぁ、いいか。



 「それよりも、やっぱり想定してたよりも戦力が削れててワロエナイwww

 お前を安全に【荒野の自由】の目の前まで連れていくのにこのままだと全滅するンゴねぇwww 」



 それは困る!

 俺は【槌鍛冶士】との約束を果たさないといけないんだからな!

 とはいえ、ただでさえ【荒野の自由】へのヘイトを買いまくってる俺が前に出たり支援したりしたらその時点で最優先に狙われてしまうのも自明の理だ。


 何とかして【荒野の自由】に見つからないようにして助け船を出したいところだが……


 いや、そうか!

 機戒種族系のスキルならヘイトは買いにくいだろう!

 そして、悪属性を持ってないやつなら……っ!

 


 スキル発動!【想起現像】!

 来い、【カイ=フジン】!



 俺が呼び出したのはかつて次元戦争の報酬として取り戻した聖獣……金鯱の【カイ=フジン】だ!

 


 「ご主人様に呼ばれて万能メイドのカイがやって来ました!

 ……って、うわっ!?

 【荒野の自由】がいるぅぅぅ!?」



 突然呼び出したのは申し訳ないが、お前にはあの【荒野の自由】と戦ってもらわないといけない。

 かつてのものよりも規模は小さいと思うが陣営対戦だ!

 ここで俺が負けるわけにはいかないからお前にも力を貸してもらうぞ!



 「え、ええっ!?

 しょ、承知しましたぁっ!?」






 全然承知してそうにないですが、大丈夫ですかね……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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