2160話 相対して~
【Raid Battle!】
【荒野の自由】
【????】
【機戒天使】【上位権限】【保安官】
【螺旋のように回る歯車は輪廻の象徴】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【罪を裁き悪を挫く】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【罪を迎え撃つ雌伏する弾丸は】
【増長する悪意を討ち滅ぼす】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】
【レイドバトルを開始します】
レイドアナウンスと共に現れたのはカウボーイ風の機戒の身体をした【上位権限】レイドボスの【荒野の自由】だ。
両手に機戒銃を携えて、俺たち全員を仕留めようとする気満々ってわけだ。
「ミーの敵に回ったギルティなプレイヤーたちはこの手で排除しマース!
そして、ミーはこの封印の森ダンサムントを手に入れて更なる躍進を遂げるのデース!」
まぁ、【荒野の自由】の行動と目的はそんなところだろうな。
特に因縁のない【鉄血森林の森人君主】を狙うんだから足掛かりくらいしか考えてないのは予想していた範囲内だ。
だからこそ、【荒野の自由】には切羽詰まった様子が一切ないとも言える。
その隙をどうやって突いていくかがカギになるだろう。
「ability【銀盃羽化】発動www
さらに……スキル発動【竜鱗図冊】っ!
そしてスキル発動!【聖獣毛皮Ω】www 」
【風船飛行士】がスキルとabilityを発動させると、チュートリアル武器に竜の鱗が貼りついていきそのまま風船自体の形も竜の姿へと変貌していった。
これが【風船飛行士】の十八番である風船偽竜だ!
そして【風船飛行士】自体もオメガンドの力を借りてリザードマンような姿へと変化を遂げていた。
ガチガチの竜人ビルドだな!
それなら俺もとっておきだ!
スキル発動!【夢幻顕現権限】!
俺は【夢幻深淵】を扱いやすいように調整したスキル【夢幻顕現権限】を使用していく。
本来なら十二枚の瞳のような見た目の羽が生えるんだがこれはその枚数を二枚に制限しており、その分燃費や持続力が増しているわけだ!
長期戦にはならないとは思うが、それでもある程度持続してくれて途中でガス欠にならない程度のものって考えた時に思いついたのがこの変身形態だったわけだな。
「先輩のその姿ってかなりレアッスよね。
俺っちが見るのって基本的に【深淵顕現権限】か【天元顕現権限】ばっかりッスから……」
ちなみにだが、【バットシーフ】後輩はこの【夢幻顕現権限】を盗みとることは出来るのかな?
「いや、それは無理ッスね。
【深淵顕現権限】を盗もうとした時と同じ感じがするッス!
【天元顕現権限】は盗めるのに不思議ッスよね」
やはりそうだったか。
【天元顕現権限】は必要とする資格はほぼないに等しいが、【深淵顕現権限】系統は深淵細胞が必須だからな。
それが無ければ無理だろう。
……もしや!?
ボマードちゃんや【トランポリン守兵】お嬢様が機戒種族側にいるのって深淵細胞を身に宿しているし、そこに深淵細胞の元になったレイドボスの意識も宿ったままになっているから擬似的なテイマーとして扱われたからって可能性があるな!?
【バットシーフ】後輩と話してなかったらこの可能性に思い当たることは無かったから、やはり【バットシーフ】後輩は異世界人特有の目線もあって気づきを得やすいな……
「それならまずはオレから突撃するンゴねぇwww
オマイラ、風船偽竜の後ろに隠れながら突撃だwww 」
そう言って前方に風船偽竜を展開しながら、【風船飛行士】は前進を始めていった。
当然それを見逃す【荒野の自由】ではなく……
「ミーの弾丸で萎みなサーイ!
【ジャッジメントバレット】!」
機戒銃から放たれた弾丸が風船偽竜へと直撃する。
回避すらせずに直撃したわけだ。
だが、それを受けた風船偽竜はピンピンしており、穴が空いた様子どころか傷を受けた様子もない。
「what !?」
「引っ掛かってくれたンゴねぇwww
この風船偽竜はテイムモンスターじゃなくてチュートリアル武器だwww
つまり何がいいたいのかというとwww
チ ュ ー ト リ ア ル 武 器 は 壊 れ な い www 」
そう、【風船飛行士】のこれが強いんだ。
自律生物型に出来るチュートリアル武器だから相手を誤認させられるからな。
俺の狼包丁のように夢幻の力……ファンタジーガスと【風船飛行士】が呼んでいるものを風船の中に仕込んでいるからこそ擬似的な【修練武器上位解放】が成り立っているというイレギュラー事象なのもあって、なおのこと誤認させやすいな。
「このまま急接近だwww 」
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




