2158話 決戦前の会合
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【槌鍛冶士】に【荒野の自由】の情報を抜き取った写真を手渡したな。
【槌鍛冶士】にしては珍しく表情を大袈裟に変えながら驚いていたのが印象的だったが、どうやら俺は切り札を持ち込んだようだった。
どんな風に活用してくれるのかは知らないが、俺の唯一無二の相棒がやることなんだから信頼して待つしかないだろう!
というわけでやって来ました封印の森ダンサムント!
俺がここに来た途端、脳内に無機質な声のアナウンスが鳴り響きはじめた。
【ワールドアナウンス】
【alert!】
【【上位権限】ー【movement】】
【【荒野の自由】の自由特権が起動!】
【陣営対戦中で本来【上位権限】レイドボスが必要とするリソースを無視して出陣が可能になりました】
【現在進行許可が出ている範囲……封印の森ダンサムント】
【日数の経過で広がります】
【ワールドアナウンス】
【alert!】
【【上位権限】ー【closing】】
【【鉄血森林の森人君主】の閉鎖特権が起動!】
【機戒種族側のプレイヤーは一時的に封印の森ダンサムントへ立ち入ることが出来なくなりました】
とうとうこの時が来てしまったか!
【荒野の自由】の【上位権限】と【鉄血森林の森人君主】……つまり【槌鍛冶士】の【上位権限】が同時に発動されている。
【荒野の自由】のやつはこれまでも何度か発動していたエリア跨ぎのためのものだ。
今更説明は不要だろう。
【槌鍛冶士】のやつは……敵のプレイヤーを排除することが目的だな。
肝心の【荒野の自由】を排除出来なかったのは自由特権の方が強制力が強いからなんだろうな……多分。
「ちょwww
ここで向こう側のプレイヤーを締め出せるのかよwww
それが出来るならもっと早くやって欲しかったンゴねぇwww 」
そういって茶化してきた【風船飛行士】だが、まぁ気持ちは分からなくもない。
だが、【槌鍛冶士】としても切り札が無ければこの手段は使いたくなかったんだろう。
リソースとかその辺の兼ね合いとか。
「でも、一昨日みたいに【荒野の自由】とプレイヤーたちを同時に相手にしないといけないと思ってたから気が楽になったわ~!
さっき【槌鍛冶士】さんとも話してきたんだけど、【包丁戦士】ちゃんのお陰みたいね?
お姉さんからもお礼言っちゃうわよ、ありがと!」
【虫眼鏡踊子】からもお礼を言われたが、【槌鍛冶士】は別に写真のことを隠しているわけじゃなさそうだ。
てっきり秘匿した方がいいのかと思って話してなかったんだが、それ自体は漏れても大丈夫ってわけか。
「先輩!
今日が正念場ッスよ!
今回の陣営対戦は【コラテラルダメージ】が分裂してたから俺っちは【裏の人脈】メンバーと同行してたッスけど……」
【バットシーフ】後輩とは確かにあんまり遭遇しなかったな。
一昨日顔を見たくらいか。
まぁ、お前も一人前になってきた証拠だしいいことだろうよ。
「私たち【マリシャス】のメンバーは機戒種族側についた【ハリネズミ】メンバーと戦闘行為をする機会が多かった。
向こう側も随分と集団戦闘の熟練度を上げてきていて目を見張るものがある」
【コラテラルダメージ】傘下の【マリシャス】メンバーたちを代表して【エッジ】が俺に話しかけてきたが、どうやら【ハリネズミ】たちと何度も戦っていたらしい。
【ハリネズミ】たちは前々から【マリシャス】メンバーへの対抗心をメラメラに燃やしていたからいい機会だと思ったんだろうな。
それに、【エッジ】が誉めるくらいには集団戦闘も上手くなったというのは俺も鼻が高い!
あいつらに修行してやったり、練習相手を用意してやったりしたからそれが功を奏した気がするからな!
……今回は敵だから容赦はしないけど。
ガハハ!!!
頼もしい仲間たちが集まってきたな!!!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




