2157話 驚愕と反撃の兆し
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【荒野の自由】相手に喧嘩を売りに行っていたな。
案の定、俺が全力を出して逃げや守りに徹していても多少の時間稼ぎしか出来ず一度も攻撃を当てることか出来なかったのだがイレギュラーで取得したカタカナスキルの【アキカゼ】を披露したら少しだけ隙を作れたので最後に悪あがきをするだけの時間があったのは大金星と言ってもいいんじゃないだろうか?
その成果がこれだ!
[【荒野の自由】の情報を獲得しました]
[【荒野の自由】の精神的動揺を確認]
[クリティカル! A-Zの反応あり]
[クリティカル! A-Zの情報を抜き取りました]
……まぁ、正直何を言ってるのかよく分からない。
これがあることでどうなるのかもさっぱりだが、とりあえず手に入って損があるわけじゃないからヨシとしておこう。
というわけでやって来ました封印の森ダンサムント!
……まだ、【荒野の自由】はここまで攻めてきてないみたいだな!
昨日の今日で攻め込まれてて壊滅してたらどうしようかと思ってたぞ!
「ガハハ!!!
壊滅はしてないがかなり酷いことにはなっているな!!!
お前が昨日【荒野の自由】を引き留めてくれていた間は少しだけ余裕があったのだが、その後はまた苛烈になってな!!!
鉄血木の数もかなり減ってしまったぞ!!!」
まぁ、向こうがどんどん攻めてきているんだから仕方ないだろうな。
とはいえ、まだ何か逆転の手がないかを探すのを諦める段階でもない。
森人種族はまだ負けてないからな!
あっ、それはそうと【槌鍛冶士】に見てもらいたいものがあったんだ。
昨日【荒野の自由】と戦ってる時に手に入れたんだが、【荒野の自由】の情報を抜き取った写真みたいだ。
……俺にはただの写真にしか見えないんだが、【槌鍛冶士】なら何か分かるかと思って持ってきたんだ!
そう言って俺は写真を【槌鍛冶士】に渡す。
「……っ!?!?!?
お前、これをいったい、どうやって手に入れたのだ!!!!!!!!!!!!!」
すると【槌鍛冶士】がまるで百面相かのように喜怒哀楽を一瞬で顔に表して驚いてきた。
こんな【槌鍛冶士】の驚きは流石に見たことがない。
俺がはじめて【槌鍛冶士】をキルした時や【槌鍛冶士】を復活させた時ですらこんな表情をしなかったというのにな……
これがいったいなんだというのか。
「……お前には分からんのか!!!
端的に言うなら、これがあれば【荒野の自由】に勝てるかもしれない!!!
そうでなくとも負けないようにすることまでは狙えるな!!!」
本当か!?
こんな俺が撮っただけの写真がか?
そんなことあるのね……
「【荒野の自由】へのカウンターまで狙える兆しが出てくるとは相変わらずお前の悪運は捨てたものではないな!!!
流石はワシの唯一無二の相棒だ!!!」
ここで素直にデレ要素を見せてくる【槌鍛冶士】。
ツンツンデレの【菜刀天子】との違いを思い知るな……
「この【荒野の自由】の写真はワシに預からせてもらっていいか!!!
ワシが取り扱える情報に加工するために時間がかかるから【荒野の自由】がここに攻め込むまでに仕上げたいからな!!!」
あぁ、それくらい持っていけよ。
どうせ【槌鍛冶士】にしか扱えないんだし、それに俺の唯一無二の相棒を信頼しているからな!
きっちり刻限まで仕上げてくれるって信じてるぞ!
じゃなかったら怒るからな!
「ガハハ!!!
お前には怒られたくないな!!!
では精一杯頑張るとさせてもらおう!!!
出ていく前にお茶だけ淹れてもらえるか!!!
お前の作るお茶を飲んで気合いを入れさせてもらうぞ!!!」
そうして俺のお茶を飲んだ【槌鍛冶士】は自分の世界に没頭し始めるのだった……
この二人、いったい何をするつもりなんですか!?
次元天子たる私にも教えなさい!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




