2153話 ブリキの大将
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はさらに【荒野の自由】の行動範囲が広がってきていたな。
その影響もあって森人種族側のプレイヤーが【荒野の自由】に出待ちされるようになり、最前線の戦線にたどり着けないパターンが増えてしまった。
これには俺、【虫眼鏡踊子】、【風船飛行士】は皆で頭を悩ませていたのだが結局は【荒野の自由】本体をどうにかしないといけないという結論になった。
というわけでやって来ました封印の森ダンサムント!
さぁ、突撃のお時間ってわけだな!
その証拠に、2つ名持ちプレイヤーもそこそこ集まってきていた。
【風船飛行士】に【虫眼鏡踊子】は言わずもがなだが、他にも【バットシーフ】後輩、【メリケンサックボクサー】、【モーニングスターシスター】、【バールソルジャー】、【黒杖魔導師】、【短剣探険者】、【月杖錬金術師】、【錆剣剣闘士】、【バグパイプ軍楽隊員】……俺が知ってる包丁次元のやつだとこれくらいだな。
他にもいるが俺は知らないやつもいるからなぁ……言い出したらキリがない。
移籍してきたやつだと【エッジ】を筆頭としたクラン【マリシャス】のメンバーもこちら側にいた。
【コラテラルダメージ】のメンバーがいてくれてちょっと嬉しい気持ちもあるぞ!
あとは【アルティメットヴォルケーノ】とか。
戦場を駆け巡っている時は有力なプレイヤーが全然こっち側にいないなとか思っていたのだが、こうやって集まってみればわりと錚々たるメンバーだったんだな……
「それは向こう側……機戒種族側も似たようなものだけどなwww
向こうには【釣竿剣士】や【トランポリン守兵】もいるし、【検証班長】やそのクランメンバーたちもいるンゴねぇwww
こっちはオレの【冒険者の宴】はともかくとして、【コラテラルダメージ】のメンバーがただでさえ少ないのに内部分裂してるんだから手に負えないンゴねぇwww
悲しすぎワロタwww 」
「そんなこと言って【包丁戦士】ちゃんを困らせないで欲しいわ~
さっさと行くわよ!」
【風船飛行士】はそう言われながら【虫眼鏡踊子】に引っ張られていくのであった……
本当に【虫眼鏡踊子】の尻に敷かれているんだなぁ、ザマァみろ!
そうしてたどり着いた【荒野の自由】がいると知らされていた場所では凄惨な殺戮が行われていた。
「ユーたちは死になサーイ!
【ジャッジメントバレット】!」
【荒野の自由】がスキルで弾丸をばら蒔いていき、封印の森ダンサムントから攻めてきていたモブプレイヤーたちを一瞬のうちに蜂の巣のようにしてしまっていた。
おーう、恐!
「……!
ギルティな気配!
ミーがこれを見過ごすことは出来ないネ!」
モブプレイヤーたちを蜂の巣のようにした【荒野の自由】は次の標的として俺を目線の先に据えてきた。
……くっ、予想はしていたがやっぱり俺最優先で狙われるか!
「【包丁戦士】が狙われててワロタwww
このまま逃げに徹してオレたちの方から離れてて欲しいンゴねぇwww 」
【風船飛行士】に言われてるのが癪だが【荒野の自由】相手に俺が立ち回れるのは逃げることしかないのには同意しかない。
そして、【荒野の自由】を味方からいかに離せるかが貢献できるポイントだろう。
……さぁ、はじめようか鬼ごっこを!
「まずはユーを逃さないためのこれデース!
【ジャッジメントアイ】!」
【荒野の自由】はその目を煌めかせて俺を本格的にターゲティングしてきたようだ。
【ジャッジメントアイ】が罪を暴くのは知っているが、具体的にどこまでどういう効果があるのかまでは知らないから何とも言えないが……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




