2144話 頼もしい味方と意外な敵
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日も陣営対戦に勤しんでいくぞ!
まだ確定事項ではないのだが、今回の陣営対戦はテイマー系統のジョブに就いているプレイヤーが強制的に機戒種族側として参加しないといけない縛りを受けていると予想をした。
戦場のプレイヤーたちの戦闘スタイルから逆算したってわけだ!
【荒野の自由】め、かなりこの縛りのためにリソースを使っただろ……っ!
なので森人種族側が数で負けているという前提で味方の有力プレイヤーを今日は探しながら、機戒兵を排除していくという方針で動いていくぞ!
そうして歩いていくと上空から飛行音がするので見上げてみたら俺の目の前に着陸する姿があった!
それは銀色のゴムが硬質化したような鱗を持ち、背中に誰かを乗せている竜だった。
……これは風船偽竜!?
ということは……
「ちょっwww
【包丁戦士】はテイマー側じゃないのかよwww
予想が外れ過ぎてワロタwww 」
そう、東のトッププレイヤーの【風船飛行士】が乗っていたのだ!
どうやら俺がテイマー系のジョブに分類されると判断して森人種族側についたような口振りだな。
「その通りンゴねぇwww
だってテイムモンスターを従えてるじゃんかwww
その軛から逃れられるのはアリエーヌwww 」
まぁ、普通ならそうだろうな。
だが、【槌鍛冶士】が出した強制参加条件の方が強制力が強かったみたいだから機戒種族側として参加しなくても良かったみたいだ。
「……【槌鍛冶士】ならそうするか。
アイツの【包丁戦士】愛は異常過ぎてワロエナイwww 」
ワロエナイとか言いながら笑うなよ!
とはいえ【風船飛行士】が見つかったのはラッキーだったな。
トッププレイヤーが俺以外にも味方としているなら安心できる。
「オレは【包丁戦士】をメタメタに倒す予定だったンゴねぇwww
予定が狂っててワロエナイwww 」
まぁ、そう言うなって!
せっかく味方になったんだから協力して勝つしかないだろ!
それはそうと、俺の知ってそうなやつで味方か敵で確定したプレイヤーを知ってるか?
把握しておきたくてな。
「【包丁戦士】のクランメンバーならボマードちゃんや【ハリネズミ】たちは機戒種族側で戦ってるのは空から見たンゴねぇwww
同じクランのメンバー相手に情け無用過ぎてワロタwww
それもあって【包丁戦士】も機戒種族側にいると思っていたンゴwww」
何っ!?
アイツら【槌鍛冶士】の助けになろうと思わなかったのか!?
流石に薄情過ぎるだろ……
「その理由は自分で確かめて欲しいンゴねぇ……www
だが、【包丁戦士】の言うようにボマードちゃんや【ハリネズミ】たちは【槌鍛冶士】と仲が良かったはずwww
違和感があるンゴwww 」
いや、だが【ハリネズミ】たちは分かる。
アイツらは全員ブリーダー……つまり深淵獣使いになっていたはずだ。
ウマ型の深淵獣に乗って遊んでいるからな!
テイマー系統のジョブなので機戒種族側に強制参加になったと考えれば分かるだろう。
だが、ボマードちゃんはどうだ?
あいつはテイマー系統のジョブに就いていないはずだし、【槌鍛冶士】ともかなり親密だったのは間違いない。
クラン【コラテラルダメージ】の初期メンバーだし。
「【包丁戦士】陣営になりたくて選んだっていうのはあり得そうンゴねぇwww
テイマー系統が機戒種族側に強制参加だからなwww」
確かにボマードちゃんは俺にぞっこんだからな……
あり得ない話ではない。
でも、そこは違和感があるんだよなぁ……
何か俺の知らない事情がついて回っているんじゃないだろうか……
ガハハ!!!
機戒兵が多すぎるぞ!!!
【荒野の自由】、どれだけ製造して溜め込んでいたんだ!!!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




