2141話 MVPプレイヤーとセクションリーダー
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【マキ】からガーデンバトルでどんな風に戦っていたのかの状況を聞いていたな。
特に【マキ】とは戦闘が始まってから一度も邂逅しなかったので、そこを補完したかった意味合いが強い。
セクションリーダーの【極楽ジゴク】とモブモンスターたちを相手にしてくれていたのは結果的に【検証班長】周りから敵を減らすのに大いに貢献してくれたと言っても過言じゃないから助かったな……
というわけでやって来ました開襟町ステッキ！
今日はここで【ロイス=キャメル】と会談だ！
「先日はお互いによく健闘した。
特にリーダーに据えていた【検証班長】君のところにセクションリーダーが強襲してきたと後から報告を受けたときにはゾッとしたよ」
まぁ、それはそうだろうな。
負ける寸前ってわけなんだからな。
それはそうと【ロイス=キャメル】はあの後合流するのは難しかったのか？
俺の戦闘はそれなりに激しかったはずだし、遠目に見ても分かるとは思ったんだが……
俺がそう苦言を呈すると、【ロイス=キャメル】は肩を竦めて答えてくれた。
「いやはや、１日１幼女を銘言とする私としてもお嬢さんを助けに行きたいという気持ちは山々だったのだがこちらにも厄介な手合いが現れてね。
それを引き連れて【検証班長】君やお嬢さんの方へと向かうのは悪手だと判断せざるを得なかったのだ」
厄介な手合い？
引き受けてくれた灯火科のプレイヤーたちのことじゃないのか？
「それであればよかったのだが、私のところに来たのは水流科のセクションリーダーの【潮騒ローラ】だった。
お嬢さんが離れた直後くらいに地響きは感じなかっただろうか？
上空から【潮騒ローラ】が落下してきてね」
あー、あの震動は【潮騒ローラ】が落下してきたやつだったのか！
てっきり【石動ガンジ】が出したやつかと思ってたぞ……
そりゃセクションリーダーが来てたなら俺の方へは助っ人に来れるわけもないか。
しかもバリバリの超体力増強ビルドみたいな巨大クジラが相手だろうしな。
最後まで削りきれなかったんだろう？
「それはもちろん。
はじめから戦っていたとしたらMVPプレイヤーが最低でも二人、あのタイミングから倒すなら４人以上は必須だ。
しかも無理をして切り札に相当するスキルを行使することが前提になるはず。
私の軍にいたなら真っ先に最前線に送り出して相手を疲弊させるために使うであろう」
【ロイス=キャメル】から見ての【潮騒ローラ】の総評はそんな感じか。
「難点は他のプレイヤーとの連携を取ってこない……というより取れないところか。
私と戦っていたはずの灯火科のプレイヤーたちを最後になぎ払ってしまったのは流石に目を丸くしてしまったよ。
器用に戦うプレイヤーではないみたいだね。
技量だけ見ればセクションリーダーとして選出されているのが疑問に思えるが……
こちらのMVPプレイヤーと同じ様に実力だけはなく貢献度を見て代表として選出されているのであれば納得だ」
うーん、そういえばセクションリーダーの選出基準は謎だな！
MVPプレイヤーの選出基準も謎だし、入れ替わりもほとんどないしな。
「パイルバンカー次元は群雄割拠みたいでね。
一番入れ替りが激しいみたいだけれど、それでも【ギアフリィ】君が何だかんだほとんどMVPプレイヤーとして次元戦争には出てきているみたいだよ」
それは前にも聞いたな。
とはいえ、俺が見ている次元戦争だと全てMVPプレイヤーの入れ替りがない状態なんだよなぁ……
「ステッキ次元でも私がリアルの用事で次元戦争に出られなかった時があったが、そこはホルムズが務めてくれていた。
その場にいなかったが役割をきっちり果たしてくれていたと聞いているよ」
それは納得の人選だな……
確かにホルムズ少年探偵なら適任だろうよ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
