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2138話 謙譲の美徳5

 はははははははは!!!

 感じる、感じるっ!

 俺の飢えが満たされていく満足感をっ!



 「これが【包丁戦士】さんの暴食状態……権能の貸与がされているだけではこの状態にはならなかったのは不思議ですね。

 いや、【石動ガンジ】の言葉を参考にするなら特定の感情の振れ幅制限を撤廃するための機能なのかな。

 脳からの信号を活用しているからこそ感情がダイレクトに反映されやすいVRMMOには感情表現がいきすぎないようにリミットがつけられていると聞いたことがありますからね」

 「随分と話が分かる青年だ。

 本当は朝まで語り明かしたいところだが……この【包丁戦士】を相手にするには戦闘に全てを割かねば!

 【金鉱ー翡翠の採】【土遁ー泥豪の術】【美徳ー謙譲の来訪】」


 

 【石動ガンジ】は複数の科の【生樹技能(ツリー)】を同時に使用してきた。

 そして放たれたのは翡翠と泥が組み合わさった弾丸だった!


 マシンガンのように放たれる翡翠の泥団子は生成スピードも早く、まともに避けられるものではない。



 泥団子を俺に食べさせようなんて、まさか俺とおままごとでもしたいってのか?

 上等だ、その泥団子も喰らってやるよ!



 大罪スキル発動!【暴食噛牙】!



 俺は包丁で泥団子を切り裂いていき、それを次々と自身のリソースへと変換していく。

 普通の武器では翡翠の弾丸は無理だろうが、チュートリアル武器は壊れない!

 このまま喰らわせてもらうぞ!




 【個人アナウンス】



 【【包丁戦士】が大罪スキル【暴食偽儀】を獲得しました】 


 【【包丁戦士】が称号【『sin』暴食の偽儀】を獲得しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が168になりました】


 【※大罪スキルは大罪域の風が吹き荒れている状態のみ使用可能なスキルとなります】




 新スキルか!

 ならばさっそく使わせてもらうぞ!


 大罪スキル発動!【暴食偽儀】!










 俺がスキルを発動させた途端、俺の姿を翡翠の弾丸が貫いていってしまった。






 「ああっ、【包丁戦士】さん!?

 挙動の分からないスキルを土壇場で使うなんて博打過ぎだよ!」



 悲観している【検証班長】だったが、そのまま負けるわけにはいかないとスキルの発動を宣言していく。

 


 「スキル発動!【想起現像】!

 邪神像の破片っ、ボクを守って!」



 【検証班長】へ襲いかかっていった翡翠の弾丸は召喚された黒い巨大な鎧のようなものによって防がれていった。

 


 「この弾丸を防ぐとは中々に硬質なものと見た。

 だが、動く気配がないところを見ると操作できるわけではないようだ。

 そちらの主戦力の【包丁戦士】が破られた今、時間切れまでの時間稼ぎをするしかないと判断したわけか。

 ……確かにあと3分ほどでタイムオーバー。

 主戦力がおらずとも守りに徹していれば負けないラインと見ることも出来る」

 「……って言うならオレが出てきたらどうだ?

 実力派プレイヤー【ギアフリィ】参戦だぜ!

 スキル発動!【機戒炎剣】!

 剣現せよ、【戒炎剣レヴァ】!」



 【検証班長】の後ろから現れたのはパイルバンカー次元MVPプレイヤーの【ギアフリィ】。

 片腕、片足を失った状態で現れており、パイルバンカーを振るえる状態でなかったからかこれまで杖代わりにしていたパイルバンカーを投げ捨てていた。

 その代わりに手元に生み出したのは灼熱を剣の形に落とし込んだと言われても納得できる世界剣種の【戒炎剣レヴァ】だ。


 

 「ふむ、これは異質な力っ!?

 某の身で耐えきれるかっ!?」



 【戒炎剣レヴァ】の炎が一直線に【石動ガンジ】の身体へ襲いかかってきているのを翡翠の弾丸で必死に妨害しているが、それでも止めきれず【石動ガンジ】の右半身が纏めて融解していってしまったようだ。



 「ぐぐぅっ!?

 実力派のオレとしたことが……

 最後の最後で外したかっ!?」



 世界剣種の使用によって消費されたリソースを賄いきれなくなった【ギアフリィ】は光の粒子となり消え去っていった。

 


 「番狂わせが起きそうだったが、残り1分!

 某の全てを攻撃に回せばまだ間に合う!

 【金鉱ー溶鉄の採】!」



 【石動ガンジ】は最終手段としてなのか、自らの全身を溶かしはじめてそのまま波のように【検証班長】へと襲いかかっていった!

 


 「これは邪神像のパーツでは防ぎきれませんっ!

 【塞百足壁】でも無理そうですし、ここで負けかな……?」



 対応策を導き出せなかった【検証班長】はそのまま溶けた鉄の波に呑まれて死に戻りを……










 させるわけないだろう!

 スキル発動!【深淵煉獄】!




 俺は全身に残っていたら力全てを振り絞り深淵の黒い炎で【検証班長】の周りの鉄だけを近寄らせず、焼き切っていった!

 


 「「何故!?」」








 【ガーデンバトル】



 【タイムアウト】


 【防衛側【底下箱庭……包丁次元&蛇腹剣次元&ステッキ次元&パイルバンカー次元】WIN!】


 【侵攻側【天昇箱庭……土遁科&金鉱科&水流科&灯火科】LOSE ……】


 【計画進行方針の傾向が底下箱庭側へ5パーセント傾きました】


 【テイムモンスターの進化機能が追加されました(機能制限あり)】


 【テイムモンスターの進化アイテムが実装されました】


 【約束の地が拡張されました】


 【流刑次元に献剣台が設置されました】





 【個人アナウンス】


 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力により称号【『sin』暴食の捕食:謙譲の紫水晶】を獲得しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が169になりました】





 相変わらず心臓に悪い戦い方をしますね……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
>>>俺は包丁で泥団子を切り裂いていき、それを次々と自身のリソースへと変換していく。普通の武器では翡翠の弾丸 多分文章途切れてますね ……ギアフリィ生きてたの!?やるやん
普通の武器では翡翠の弾丸 上の文から先の文章が消えているように感じる。
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