2121話 勤勉の美徳2
【美徳テキスト】
【【勤勉】が世界を凌駕する時、狼は救済される】
【Wake Up!】
【紫焼ミルカ】
【灯火科ムラサキオオカミ】→【灯火科勤勉奮迅紫狼王】
【【勤勉】の権能により美徳進化しました】
【美徳の【生樹技能】が解放されました】
【【勤勉】レベルの上昇】
【【勤勉】時の距離が力へと変換されます】
【【勤勉】の権能による特殊能力が貸与されます】
【大罪への敵対反応が発生しました】
【ワールドアナウンス】
【美徳への敵対反応が発生しました】
【【包丁戦士】の称号に【『sin』暴食の目覚め】の存在を確認】
【【包丁戦士】の称号に【『sin』正義の目覚め】の存在を確認】
【罪は負の連鎖で繋がったり、断ち切られたりする……】
【包丁が血を求める】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の目覚め】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』正義の目覚め】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の渇望】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の飢忌】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食狂姫】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』暴食の狂牙】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』正義の勇足】が強制セットされました】
【【包丁戦士】の称号【『sin』正義の勇鎧】が強制セットされました】
【暴食は食べ散らかしたり、味わったりする……】
【罪は上塗りしたり、消しあったりする……】
【大罪域の風が吹き荒れる】
【【包丁戦士】に暴食と正義の力が貸与されました】
俺が変に追い詰めたからなのか、【紫焼ミルカ】が美徳の権能を起動させてしまったようだ。
厄介なのはその強化幅だな。
これまで戦ってきた天昇箱庭側のセクションリーダーが美徳進化してきた時もそれぞれ大幅に強化されていたから、【紫焼ミルカ】もその例に漏れない強化を得ているはずだ。
ただ、アナウンスこそ流れたがまだ【紫焼ミルカ】は生き埋めになったままだから今のうちに逃走すれば……
「にが、さない、わよ……っ!!
【美徳ー勤勉の積重】……それと【灯火ー烈火の導】!」
俺がその場を去ろうとしていた矢先に赤色の砂を吹き飛ばしながら【紫焼ミルカ】が再び俺の前に姿を現してきた。
おいおい、随分と早い再登場だな?
もう少し砂の下でおねんねしてくれていたらよかったものを……
「このアタシを生き埋めにしようとするなんていい度胸ね!
でも、走り続けた【勤勉】の力を解放すればあの量の砂でも吹き飛ばすのは簡単よ!
ちょっともったいない気もするけど、必要経費ね!」
ちょっともったいない……?
もしかして【美徳】は何かを消費して力を増す特殊な力なんだろうか?
俺が【深淵纏縛】を媒体無しで使うと深度が少し失われてしまうように、似たようなデメリットがあるのかもしれないな。
まぁ、既に発動してしまっているからそこはかなぐり捨てて来てるし、デメリットを知っても今は特に活かせない情報になってしまうか。
【生樹技能】の【美徳ー勤勉の積重】と【灯火ー烈火の導】の組み合わせで身体から弾ける炎を噴き出しながら地面から現れた【紫焼ミルカ】は怒りを露にしながら俺に突撃を仕掛けてきた!
おいおい!
逃げる気満々だったから迎撃する準備も、回避する準備も出来てないんだが!?
勘弁してくれよな……
「これで死になさ~いっ!」
弾ける炎が俺にヒットしてダメージを受けながら、最後に【紫焼ミルカ】の突撃がヒット……
「スキル発動!【イグニッション】!」
……する前に俺の前に一つの影が現れた!
「チビ女、実力派プレイヤーのオレがいない間に負けそうになってるじゃん!
【紫焼ミルカ】はオレが倒すって言ってたのに勝手に一人で挑んで負けそうになるのはどうかと思うぜ!」
そう、こいつはパイルバンカー次元のMVPプレイヤー……【ギアフリィ】だった!
周辺に響き渡るほどの強い衝撃を地面に伝わせることで俺と【紫焼ミルカ】を引き離していった。
「当てる気だったのに躱されたぜ……」
「出たわね【ギアフリィ】!
今度こそ勝たせてもらうわよ!
前はアンタたちの方に味方がいっぱいいたみたいだけど、今回はアンタも含めてまだ二人目……ガス欠まではまだまだ猶予があるわ!
だから前と同じとは思わないでよね!」
出会った瞬間バチバチになった二人。
……もしかして俺は場違いか?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




