2110話 ガーデンバトルのチラ見合わせ
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【マキ】が運用しにくいと思った俺の疑問について【検証班長】が答えてくれていたな。
【マキ】をあえて固定の場所で戦わせるというもので、俺では思いつかないものだったからやはり【検証班長】が今回の戦いに参戦してくれてよかったと改めて思わされたな!
というわけで今日がガーデンバトルの開催日だ!
準備期間はなんだかんだ用意されていたが、ガッツリ作り込めるほどのものじゃなかった。
だから前のガーデンバトルでも簡易的な地形を用意してくるので精一杯だったんだろうな……
今になってようやく分かったぞ!
では転送!
【Battle Garden 地動戯場 疑緑都市アネイ】
俺が転送されてきたのは最近何度も見てきたガーデンバトルの戦場だ。
だが、エリア名称を設定したわけでもないのに(未定)の部分が変化していた。
……おそらくだが、プレイヤーが作り上げたエリアの状態を評価してエリア名称を生成しているんだろうな。
今時AIによる自動生成なんて珍しくもないし。
そして今回評価された名称はやはりモチーフとなった新緑都市アネイブルにちなんだものになっていたな!
【検証班長】が意図的にそのように作ったということでその意図が反映されたのだろうよ。
「今回の挙動がエリア名称に関する謎を解き明かすヒントになるかもしれませんね?
元々用意されていたエリアの名称とはアルゴリズムが違うかもしれませんが、参考には出来るかもしれませんからね。
実に興味深いよ」
俺の後に転送されてきた【検証班長】はそんなことを言いながら物思いに耽っていた。
相変わらずどんな時でも検証に全力だよな……
そういうところが頼りになる点でもあり、不安になる点でもあるんだけど。
「それはさておき、他の次元のプレイヤーたちも続々とこの戦場に来ていますね。
蛇腹剣次元はMVPプレイヤーの【マキ】さん、次に戦力として期待できそうなのは……【ネコドラ】さんですね」
MVPプレイヤーだし【マキ】は当然いるのは分かっていたが、【ネコドラ】もいるのか!
あいつも【修練武器上位解放】を使えるし、種族転生もしているのできっちり戦力として活躍してくれることだろう。
「ステッキ次元は【ロイス=キャメル】さん、次に戦力として期待できそうなのは……【エラ=サンドレラ】さんですね」
【エラ=サンドレラ】か。
俺に似た特殊な感覚を保有していて、あいつの場合は嗅覚が異様に優れているんだったな。
その辺は他のプレイヤーでは代用が出来ない長所なので有効活用させてもらいたいところだ。
狼獣人に種族転生もしていて、大斧を使うというパワフルな活躍もしてくれるだろうから可能性は無限大というやつだ!
「包丁次元では際立った戦力を持つプレイヤーは見たところはいませんね……
もしかすると見えないところで待機している可能性もありますが、今回は私と【包丁戦士】さんで包丁次元のプレイヤーたちをまとめていく必要があるでしょう。
お互い頑張らないとね」
まぁ、【検証班長】がいるからまとめ上げるのは簡単だろ!
俺が主体的にまとめようとした時は半分ぐらい毎回分解してたから本当に大変だったんだからな!?
「では、その期待に応えられるようにしないとね。
【包丁戦士】さんに良いところを見せるためにも、気合い入れていこうかな」
男らしさも増してきたな……
始めたばかりの頃はもう少し照れも露骨に出てたんだがな!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




