2107話 もりもりの戦場
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【検証班長】とガーデンバトルの戦場をどうしていくべきなのかを話し合っていたな。
【検証班長】としては俺を主軸にして戦いやすい戦場を作り出したいとのことで色々と構想を練っていた様子だった。
これで俺が当日欠勤だったらどうするんだろう……?
まぁ、ほぼ確実に参加するから杞憂で終わりそうだが。
何はともあれ、俺が戦いやすい分には大歓迎なので存分にやってもらいたいものだな!
ただ、俺が戦いやすいということは他の【ロイス=キャメル】とか【マキ】が戦いにくい戦場という可能性もある。
その辺りの調整は【検証班長】が上手くやってくれるとは思うのだが、俺だったら無理だろうな……
【Battle Garden 地動戯場 (未定)】
というわけでやって来ました【Battle Garden 地動戯場 (未定)】。
ガーデンバトルの戦場がここになるわけだが、ここ数日で結構整ってきたな~って感じの景色になってきた。
どういう風に戦場を組み立てたのか知らないが、まるで森の中……いや、新緑都市アネイブルを小型化したかのような光景が俺の前に広がっていた!
……確かに木々があった方が俺は戦いやすいし、慣れた地形ということもあって何も考えずに動くことも容易だろうな!
それに俺だけじゃなくて、他のプレイヤーも同様にこの場所に来なくても慣れた立地で立ち回れるから指示を出しやすいのかもしれない。
俺が思いつく限りではその辺りがこの戦場を組み立てたメリットだ。
俺が思いつかないだけで【検証班長】はもっと別のメリットを見出だしているかもしれないので、みんなも考えてみような!
「ふむ、用事でしばらくログインできない間に随分と事が進んでいたようだ。
私としては少々戦いにくい戦場ではあるが、統率者の意図が充分に伝わってくる戦場でもあるか……」
ふと隣に現れたのは【ロイス=キャメル】だ。
どうやらこいつはしばらくログインしていなかったみたいらしく、ガーデンバトルのことを知ったのも今日がはじめてみたいな口振りだな。
「口振りというよりそれが事実と認めよう。
だが、ゲームに人生を捧げているというわけではないのだからそういうこともあるわけなのはお嬢さんも理解しているはずだ」
そりゃまぁな。
俺だってそういう時あるし、別に咎めたりはしないから安心しろよ。
「ふむ、パイルバンカー次元のプレイヤーの中にはそれで非難してくるプレイヤーもいたから念のため予防線を張ろうと思ったのだがその様子だと不要か。
随分と物わかりのいいお嬢さんで助かる」
そりゃどーも!
……ちなみにだが、【ロイス=キャメル】が戦場を作るならどういうものを組み上げていた?
「私がゼロから作り上げるなら、大袈裟な砦を作りそこで籠城戦をして時間切れを徹底的に狙うか、この前のガーデンバトルで天昇箱庭側が一部やってきていた簡易的な洞窟のようなものを複数作って相手を撹乱するものが望ましいな。
そういう戦場での戦いに私は慣れていると断言しておこう」
なるほどな。
……まぁ、イメージ通りといえばそうだな。
そういう堅実な戦いが出来そうな戦場を好むのは薄々気づいていたし。
「察していただけていたようで何より。
なので、この森の中にも私の仕込みを幾つかさせてもらおう。
なに、【検証班長】君の戦術を邪魔せずに私の好みを盛り込むことも出来るというのも証明したいものだからね」
それは期待大だな!
お前の戦場での経験……どう活かしてくるのか楽しみにさせてもらうぞ!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】