2106話 陣地作成の頼もしい助っ人
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はガーデンバトルの戦場となる場所の視察とその改築をしていたな。
とりあえずウインドウ画面でパラメーターを弄るのはMVPプレイヤーにしか権限が渡されていないみたいだったので広さを結構広げておいたぞ!
これを早めにやっておかないと準備できている場所が一点に固まってしまっていびつなエリアになってしまうからな……
必要最低限ではあるがこれは真っ先に俺がやっておくべき仕事だったから開始早々に行ってよかったと思う。
……というかこれ、MVPプレイヤーが随時ログインしていかないとトラブルがあった時にその場にいるプレイヤーだけで対象するの難しくないか!?
中々鬼畜……というより酷い仕様だな。
最悪のパターンとしてMVPプレイヤーが誰一人ここに来ないで、ウインドウ画面でパラメーターを弄って来なかったら一番狭い状態でガーデンバトルに挑まないといけない。
「そうですよね。
せめて権利の委託のようなものが出来るのならリスク管理がしやすいのですが……」
そう言いながら俺の後にガーデンバトルの戦場に入ってきたのは眼鏡をかけた白衣の青年……【検証班長】だ!
お前も参加の権利を得ていたのか!
ぶっちゃけ侵攻側の時じゃなくて防衛側の時に来てくれて助かったぞ!
だって、【検証班長】の統率力があれば陣地作成の構想を元に人の運用をしてくれるだろうし、離反する人も大きく減るだろう。
こういう資材を持ち込んだり出来るイベントは基本的に放置しておくと途中で陣地作成に参加しなくなるプレイヤーもいるし、参加はしても資材を使わないようになるプレイヤーも増える。
そして期間が長ければ長いほど本番の戦闘の時に参加してくれない可能性もあるから怖いところなんだが……
【検証班長】がいればそのカリスマ力で何とかしてくれるという信頼がある!
本当に頼りにしているぞ!
「そ、そこまで頼られたなら本気で取り組まないといけないですね……
【包丁戦士】さんを上手く運用出来るような戦場をボクなりに作ってみましょう!」
おっ、俺向けに戦場を作ってくれるのか!
助かるな~
前のガーデンバトルは基本的に俺が戦いにくい戦場だったから、それを払拭出来るような感じにしてもらえたら助かるぞ!
「【包丁戦士】さんに有利な戦場はある程度意図して作らないとその状況になりませんからね……
次元戦争で【包丁戦士】さんに有利な戦場になった回数がそこそこあるので勘違いしやすいかもしれませんが、普通は中々ないですよ?」
……まぁ、あの辺は【山伏権現】が一部融通を利かせてくれていたからだろうな。
特に【ランゼルート】相手に俺が勝つためにかなり俺に寄って整えてくれていたっぽいからな……
公には言えないがな!
「あとは他のMVPプレイヤーや次元のプレイヤーとの連携ですね。
ボクとしては【包丁戦士】さんに特化して戦場を作り上げた方が色々と慣れているしやりやすいんだけど、それで他のプレイヤーたちの反感を買ってしまう可能性もあります。
……その辺りはボクの得意分野でもあるので上手くやっておきますよ」
そう言ってもらえると頼もしいな!
本当に頼むぞっ!
他力本願というか何というか……
劣化天子はもっとしっかりしてください!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】