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21/2221

21話 変人!?ペグ忍者推参!

 突然発光し始めた【釣竿剣士】の後ろを追いながら、ジェーへと群がる俺たちはさながらゴミに群がるカラスのようだ。


 突然の発光に目が慣れてきた俺は、俺についてきたいわゆる【包丁戦士】部隊のメンバーを確認する。


 「お前ら、ついてきているな!

 点呼!」


 「【モブ】包丁1です!」


 メガネっ子のモブだ。

 【モブ】の後についている包丁ナンバーは部隊の中のコードネームみたいなものだ。

 ほとんど【モブ】なので呼ぶときにややこしいことを懸念して


 「【モブ】包丁2っ!」


 ショートカットの少年だ。


 「【槌鍛治士】だ!」


 こいつはガチムチのむさ苦しいおっさん。

 流石に俺の一心同体(?)とシステムに認識されたこいつを他の部隊に預けたくはなかった、なんとなく。


 「【ペグ忍者】なのら~」


 なんだこいつ?

 【包丁戦士】っ、キレたっ!!

 ではなく、本当になんなんだこいつ。

 

 まず語尾からして胡散臭い。

 そして、【検証班長】に無理やりと言っていいほど強引に俺の部隊に押しつけられた。

 見た目は黒い猫耳頭巾を被ったピンク髪ロングヘアー、そしてよくあるくノ一装束を着ていて、胸元が少しだけ膨らんでいる。

 アクセントとしてつけている赤色のマフラーが走行の風で靡いているのがちょっとロマンをくすぐる。

 あみあみタイツは健康的なむっちりとした太ももを強調している。

 体格はあの爆弾魔よりもさらに小さい、小学生くらいの体型でマニア受けしそうなキャラクタークリエイトする変わり者のようだ。

 いや、雰囲気、語尾、服装、どれをとっても変わり者だが……


 ここからレイドバトル前の回想シーンね。



~レイドバトル前の回想~


 「【包丁戦士】さん、あなたの実力を信じて私たち検証班の秘密兵器プレイヤーを部隊に加えます」


 にこやかな笑顔で【検証班長】が這い寄ってきた。


 「いや、その貼りつけたような笑顔がめっちゃ怖いんだが……

 それで、その秘密兵器とやらは強いんだろうな?」


 不自然極まりないほど上下に頭を動かす【検証班長】。

 いや、どれだけそいつを俺に押しつけたいんだよ……


 「で?どんなやつなんだ?」


 【検証班長】はその服装、見た目に合うようなメガネをクイっと上げるしぐさをしながら解説を始めた。


 「ペグというキャンプなどでテントを地面に固定する金属器具を使って戦うプレイヤーです。

 ペグの見た目を説明するなら30センチくらいの大きな釘みたいなものを想像していただくのが分かりやすいかと。

 このペグを使った戦い方が忍者のように見えることから【ペグ忍者】という2つ名がついたみたいですね。

 喋り方とか見た目が独特なキャラクタークリエイトをしているので忍者と言いながら結構目立ちますが、それは、さほど問題ではありません」


 それは……?


 「ううっ、鋭いですね。

 問題があるのはとあるプレイヤーに対して異常とも言えるほど執着していることですね」


 「ストーカーみたいなものか?」


 「いえ、変態です」


 ん?

 

 「変態です」


 そ、そうか……


 「とりあえずその【ペグ忍者】が執着しているプレイヤーにこのレイドバトル中、近づけないようにしてください」


 そのこころは?


 「全く戦力にならなくなります」


 う~ん、この!


 「ちなみにその執着されているプレイヤーは誰なんだ?」


 「それはですね……」



 ここで回想終わり!



~~~~~~~












 「あああああ~、【釣竿剣士】ちゃんの全身をモフりたいのら~

 なんで【検証班長】しゃんは【釣竿剣士】ちゃんの部隊じゃなくてこんな蛮族の部隊に更迭したのら~~!!」


 「更迭っていうな更迭って……

 どう考えてもお前が【釣竿剣士】の部隊になることはなかったから……」


 「それは嘘なのら~!!」


 息を荒くしながら顔前に迫ってくるな、変わったキャラクタークリエイトをしているが一応美少女なのでちょっとドキドキするだろ……


 「ガハハ!!

 【包丁戦士】も美少女に迫られてたじたじだな!

 いい見せ物だが、そろそろジェーの特殊攻撃が来るぞ!」


 【槌鍛治士】がそう言った途端、紫色の巨大なウサギの爪による連撃が始まった。

 この攻撃の厄介なところはヘイトが一番たまっているプレイヤーに細かいステップを刻みながら、様々な角度から爪斬撃を仕掛けてくることだ。

 この攻撃に連続性がある攻撃はウサギ側系統の攻撃だな。


 「今回ヘイトを稼いでいたのは……

 【ペグ忍者】かっ!?

 かわしてくれよな!」


 検証班の秘密兵器とやらの力見せてもらおうじゃないか。


 「任せるのら~」


 小柄な少女は360度あらゆる角度から繰り出される連撃を、素早い身のこなしで左右のフットワークでかわし、かわしきれないものを逆手に持った彼女の代名詞であるペグを使い受け流す。

 擬音でシュンッシュンッ!とでも聞こえてきそうな見事な身のこなしは先程の変態発言を帳消しにしてもいいかな?と思えるくらい華麗な動きだった。


 そんなことを繰り返していくと、小柄な少女の俊敏さを潰そうとしてか足を狙った地面スレスレの攻撃を繰り出したが、なんなくジャンプしてかわした。


 空中に飛んで回避が出来なくなった隙を逃すようなAIを積まれていないジェーはアッパーに近いような形で【ペグ忍者】の健康的な太ももに狙いをつけ腕を振り抜いた。


 これは流石にかわせない……






 と、思ったが【ペグ忍者】は逆手に持っていたペグを樹木でできた建物に投擲し深く突き刺したのを確認して、どこに隠していたのかわからないがペグの根本につけていたと思われる糸を引っ張り空中移動を成功させた。


 さながら空中殺法、まさに忍者と言って過言ではない変態的な動きだった。


 やっぱり変態じゃないか(困惑)









 


 ハラスメント行為は垢バンの対象ですよ!

 気をつけてくださいね……


  【Bottom Down-Online Now loading……】






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― 新着の感想 ―
[一言] ペグ忍者美少女は草。 【槌鍛治士】←いまだにこれの読み方がわからない...
[一言] このペグ忍者さん自分と釣竿剣士をペグで固定したら昇天しそうですね!
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