2092話 お嬢様のインビテーション
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【双真ナル】と話していたな。
海底都市での出来事の振り返りを主にしていたのだが、やっぱり【双真ナル】の【修練武器上位解放】ー【Cutout Scissors】から流れが一気に変わったよな……
その感謝の気持ちを伝えたりしていたが、結局【双真ナル】って何者なんだろうな？
どう考えても普通のプレイヤーって感じじゃなかったし……
というわけでやって来ました岩山エリア……堅牢剣山ソイングレスト！
ここで会いに来たのは南のトッププレイヤーであるクラン【お屋敷組】のリーダーの【トランポリン守兵】お嬢様だ！
「あら、【包丁戦士】様！
ご機嫌麗しゅうございますわ！」
【トランポリン守兵】お嬢様とこうやって面と向かって話すのは久しぶりな気がするな。
「そうおっしゃられるとそのような気もしてきますわね！
ワタクシも最近は公式イベントに全面的に参加しておりましたので冒険に出る機会が減っておりましたわ！」
そうそう、そのことで聞きたかったんだよな。
【トランポリン守兵】お嬢様が実質優勝したみたいな感じで公式イベントの【東西南北歌合戦】が終わったって聞いてるからどういう風に頑張ったのか知りたくて。
「そのためにわざわざこちらまでお越しになりましたのね？
ワタクシとしては合唱に力を入れて陣営を盛り上げておりましたわ！
単独でそれぞれが歌うよりも高得点が出やすいということに気がついてからはワタクシが幼少期から受けておりました教育を参考に皆様を鍛えましてよ！」
本格的な特訓をして陣営全体を鍛え上げたというのか！？
そこまで公式イベントをやりこんだのは中々の熱量だぞ……
それでいて、最高得点を獲得したのが【トランポリン守兵】お嬢様自身だから全体のために動きつつも自分自身のためにも精力的に活動していたことになるので、かなり負荷もかかっていたはずだ。
「あれくらいでしたら造作もありませんでしてよ？
普段からそれ以上のタスクをこなしておりますわ！」
おぉぅ……
普段はそれ以上なのか……
本当に【トランポリン守兵】お嬢様のリアル生活がどんなものなのか考えただけで慌ただしそうだぞ！？
「そうですわね、もしよろしければ今度リアルで【包丁戦士】様にお会いするのもいいかもしれませんわね？
ワタクシも【包丁戦士】様ならば一度お会いしてみたいと思いますわ！」
まさかのオフ会提案か！？
これは予想もしてなかった提案だな……
だが、他のやつらならともかく【トランポリン守兵】お嬢様のリアルはめちゃくちゃ気になるし一考の価値があるよな。
ロールプレイじゃなくて、正真正銘のお嬢様なんだろうしどんなやつなのか詳しく知れる機会があるなら知っておきたい気持ちはある。
「意外にも【包丁戦士】様も乗り気ですのね？
ワタクシとしては渋られると思っておりましたわ！」
その辺のモブプレイヤーが同じことを言ってきてもバッサリと切り捨てているだろうよ。
だが、お前とは長い付き合いにもなってきているし、次元戦争でも共闘したりと知り合い以上の関係は築けていると思ってるから断る必要もないと思ったからな！
お前から勇気を持って声かけしてくれたんだし、それに乗ってやるのも俺の甲斐性みたいなものだろう？
狂人やらなんやら言われてるが、俺もリアルでは普通に生活してるんだからそれくらいの礼儀は持ち合わせてるつもりだ！
「そう言っていただけますと光栄でしてよ！
メイドたちに準備手配をさせますわね！
詳しい日程と場所についてはまたのちほど【包丁戦士】様に送らせていただきますわ！」
なんか思ってたよりも大がかりな準備をしようとしてないか！？
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
