2090話 コングロマリット
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【菜刀天子】から公式イベント【東西南北歌合戦】の様子を聞いていたな。
俺が参加できない状況で開催されて終わっていた公式イベントだから今から聞いても結果を変えられるってわけじゃないんだが、やっぱりこういうのって気になるだろ?
今後の動向に関係してくる可能性もあるのと、純粋に誰が勝ったのかとか誰が活躍したのかって気になるし。
ニュースとか見ていても使わない情報だとしても見てしまうのと似たような心理だな!
というわけでやって来ました開襟町ステッキ!
ここにいる【ロイス=キャメル】に話を聞きに来たぞ!
どうやら公式イベントの【東西南北歌合戦】で活躍していたらしいじゃないか!
まさか魔法少女モノの歌をメドレーで歌うとはな……
「幼女はアニメであろうと愛でるのが私の座右の銘に関わってくるからだ。
健気な魔法少女の姿は見ているだけでも心が洗われるものだな」
流石変態ロリコン紳士……
恥ずかしがることなく言い切ったぞ!?
「何を恥ずかしがる必要があるというのかね?
何事も信念を持って貫くことが大事なのだよ」
まぁ、そういうことにしておこう。
実際、歌のクオリティはかなり高く評価されていたみたいだからな!
それで評価されているならその信念は客観的にも認められているような扱いでいいのかもな。
「それはそうと、お嬢さんの方も公式イベントに参加せずレイドボス討伐に勤しんでいたとは中々ストイックな活動方針だね?
いつもそのように動いているのか気になるところだが……」
普段はそんなことないんだぞ!
公式イベントも皆勤賞とまではいかないが、ほとんど参加しているからな。
今回は脱出出来ないエリアに囚われていたから物理的に公式イベントが開催されている場所へ行けなかっただけなんだよなぁ……
「そのような事態に陥っていたのか……
ふむ、実に興味深い話だ。
公式イベントの期間もそれなりに長かったのだが、その間丸々出ることが出来なかったということは相当手こずったのだろう?
レイドボスを討伐しないと出られなかったということかね?」
あぁ、お察しの通りだ。
かなり曲者だったし、二人で討伐しないといけない流れだったからかなり時間がかかってしまったな。
幸いにも前に【ロイス=キャメル】に話していた【双真ナル】という実力者が同行人だったから攻略の目処がついていたこともあって、攻略自体が無謀とは思わなかったのも良かった。
あれがその辺にいるモブプレイヤーだったらイマココに俺はいないだろうし。
「それほどの実力者だったか。
私は面識もなく、風評も知らないから何とも言えないが助けになったのならステッキ次元の面目も保たれるというものだ。
是非とも私もコンタクトを取っておきたいところだが、これまで私に全く情報が入ってきていないことを考えると意図的にそのように立ち回っていていたのかもしれない。
寄ろうとして避けられるのがオチだろうか?」
それはありえるな……
下手に刺激しない方が身のためかもしれないぞ?
刺激したり、刺激しなかったりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】