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209話 コラテラルダメージ

 【Raid Battle!】






 【寄生魚 ジェーライト】





 【荒れ狂う魚尾砲(廻)】





 【寄生魚】【深淵使徒】【復刻版】








 【包丁戦士】





 【最上級深淵適正者(寄生依代)】





 【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】







 【聖獣を担うが故に】




 【深淵へ誘い】




 【聖邪の境界を流転させる】






 【レイドバトル同時発生につき難易度が上昇します】






 【正規のレイドボスではない者が混ざっているため、大幅に難易度が低下します】



 「先輩!

 今日こそ倒すッス!」


 今日もやってきた【バットシーフ】後輩。

 俺がレイドボスになってから何日か経ったが、このレイドボス状態から解除されることはなかった。

 【深淵纏縛】や【深淵顕現権限】を使ったときは時間制限があって、自動で解除されたが、今回はレイドボスであるジェーをそのまま体内に取り込んだからか特殊な立ち位置になっているっぽいな。


 レイドボスになった俺だが、元々満身創痍のジェーと、ただのプレイヤーである俺が合体してもジェーライト=ミューン並みに強くなるわけがなく、しかも時間経過で体力が回復していってないからそろそろ潮時か。

 ゾンビアタックを四六時中さばき続けるのは、プレイヤーキラーである俺でも流石にきついからな……


 あっ、俺がログアウトしているときはAIが自動で戦闘をしてくれていたらしい。

 ……まあ、ログインしたら結構傷が増えていたので戦闘能力はお察しだが、ログアウトしても身体がその場に残り続けるという特殊状態に陥っているということが分かったのでそれはよしとした。


 ともかく、そんな俺が死にそうなタイミングで来たのが俺の後輩である【バットシーフ】後輩ならちょうどいい。

 さあかかってこい!


 そんなことをいいつつも、無限に湧き出てくる初心者プレイヤーたちを極太レーザーで葬り去っている。

 数の暴力にいちいち付き合ってやる必要はないからな。

 やっぱり広域殲滅力こそが正義だ!


 「いくッスよ!

 ストックスロット1【深淵顕現権限】!」


 あっ、こいつ外でタンクトップロリにスキルせびりに行ったな?

 俺がこのレイドボス状態でそのスキルを使ったことはないし、使う理由もないから他に【深淵顕現権限】を持っているのはボマードちゃんしかいない。


 ……だが、ストックスロットで起動しようとしたスキルは霧散したようだ。

 

 「えっ!?

 こんなの初めてッス!?

 俺っちが盗むのに失敗したってことッスよね!?」


 めっちゃ驚いてるな。

 この【バットシーフ】後輩の窃盗が失敗するなんて今までなかったのだろう。

 ……失敗した理由は色々思いつくが、土壇場で高くなっていた鼻をへし折った形になったな。


 「それなら、これッス!

 ストックスロット2!岩山エリアの朱雀レイドボスの炎のオーラッス!」


 ストックを切ると俺の後輩は全身から炎を滾らせ始めた。

 あの遠距離攻撃を封殺してたやつか……

 レイドボスである俺にレイドボスの技能をぶつけてくるのは面白い。


 それに、俺の主砲である極太レーザー……【魚尾砲撃】も遠距離攻撃だからな。

 ダメージが大幅に減らされてしまう可能性がある。


 いい感じのメタ技能を持ってきたな……

 【バットシーフ】後輩だけでここまでピンポイントのものを選ぶのは考えられにくい……自分で頭が弱いって言ってくるくらいだしな。

 おそらくだが、【検証班長】辺りが入れ知恵をしたのだろう。


 あと、俺はルル様の必殺技の【堕枝深淵】を手にいれた時に炎への耐性がクソザコになってる。

 あの炎のオーラを纏ったままぶつかってこられただけでも、大ダメージだろう。


 「これで最後っス!

 ストックスロット3!岩山エリアのカラスレイドボスの蹴りッス!」


 あの三本足カラスの俊足の蹴りか!?

 ちっ!!


 俺は極太レーザーで攻撃するのをやめ、推進力にしてジグザグ移動で俊足の蹴りを回避しようとする。

 だが、寄生がメインのレイドボスと、スピードがメインのレイドボスの技ではやはり差が出てきている。

 

 「ЖЖЖうぼぁЖ#Ж#Ж#ぁぁ###ЖЖЖぉぁ!!!」


 炎と蹴りが俺にクリーンヒットして、俺の身体が浄化されていっている。

 あの朱雀レイドボスの炎……浄化の力があるの……か……よぉ……


 俺は身を焼き尽くすような聖なる炎によって、全身を光の粒子に変えられて死に戻りすることとなった……



 ……まあ、及第点といったところか。



 【ability【会者定離】が起動しました】




 【ワールドアナウンス】




 【レイドクエスト【荒れ狂う魚尾砲(廻)】がクリアされました】



 【この次元の新規プレイヤーにスキル【魚尾砲撃】が開放されました】



 【これで初心者プレイヤー向けイベントが終了しました】





 「かっ……勝ったッスぅぅっっつぅ!!!」


 「やったぜぇぇええぇ!!!」


 「ようやく終わったあぁぁぁぁぁぁ!!!」


 「ようやく安心して寝れる……」


 洞窟の中は勝利の余韻に浸るプレイヤーや、ガッツポーズで叫んでいるプレイヤーが大量に現れた。

 ただでさえ密閉された洞窟でそんな声が響いたらうるさいにも程がある。


 だが、そんなことを気にするプレイヤーはここには居なかった。

 それほど皆歓喜しているのだろう。





 【クランランキングの発表】


 【3位 クランリーダー【風船飛行士】 冒険者の宴】 


 あっ、【風船飛行士】のところの新人プレイヤーも頑張ってたのね……

 というかクランネーム冒険者の宴ってそのままだな。

 冒険者ギルドのメンバーを集めて作ったみたいだし。


 というか初心者プレイヤーそのものの名前は公開されないっぽいな。

 ここで順位について争いが起きるのを運営が避けた結果だろう。

 クランリーダーの名前なら今さら晒しても問題ないと判断したから代わりに出したのかな?



 【2位 クランリーダー【トランポリン守兵】 お屋敷組】


 まあ、あの燕尾服女頑張ってたからな……

 サーベルの使い方もそれなりだったし、今後に期待だろう。


 【1位 クランリーダー【包丁戦士】 コラテラルダメージ】


 はい、【バットシーフ】後輩に拍手!!

 そして、俺のクランの名前は【コラテラルダメージ】だ!

 名前の意味は軍事活動中の不注意による民間の犠牲者と破壊……巻き添え被害だな。


 プレイヤーキラーの俺がクランリーダーならピッタリな名前だろ?

 まあ、不注意じゃなくて意図的だがな!




 こうして、長きにわたる初心者プレイヤーたちの死闘の幕は閉じられた。

 しかし、彼らの人権のない戦いはこれからも続いていくのだった……












 【個人アナウンス】


 【【包丁戦士】に称号【立ちはだかる虚悪(廻)】を付与しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が26になりました】


 【【包丁戦士】に称号【『sin』暴食の目覚め】を付与しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が27になりました】


 この称号たちは何で手にはいったんだ……?(困惑)










 これがマッチポンプ……

 私の推測ですが、最後の攻撃は絶妙な形でわざと受けてました。

 最後、完全に後輩に点数稼がせるためにわざとダメージ喰らってましたよね?

 劣化天子の力とレイドボスの力を合わせたら、本当はかわせていたはずですから。


 【Bottom Down-Online Now loading……】



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― 新着の感想 ―
[良い点] 別のプレイヤーにラストアタックを取られるぐらいなら 当たりに行きますよね 明らかなマッチポンプが見えていますが運営からは特に罰はなさそうですね [気になる点] 深淵顕現権限ガチャ失敗したの…
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