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2085話 素付

 水の渦柱による攻撃と水の膜による防御という攻防隙のない布陣を敷いてきた【ウルウシンバー=|◉〻◉)=サハギン】。

 正真正銘、これが向こうの全力ってわけだろう。



 「包丁を失って、漢字スキルもほとんも使えない状態の【包丁戦士】がどうやって活路を見出だすのか興味があるね。

 申し訳ないけど、私にはあの水の膜を突破する手段がないから【包丁戦士】頼りになってしまうんだよ!」



 【双真(ふたま)ナル】にそう力説されてしまったが、せっかくの【修練武器上位解放】ー【Cutout Scissors】は何かに活かせないのかよ?

 その大きな鋏は飾りか?



 「概念系に干渉するための【修練武器上位解放】ー【Cutout Scissors】だからね。

 【包丁戦士】の持っているabilityの【会者常離】に近いものと思ってくれたら分かりやすいんじゃないのかな?

 私のは切り貼りするためのものだから違うところは多いんだけど、納得してもらうには一番分かりやすいと思うよ」



 なるほどな。

 俺のabilityの【会者常離】はシステムに干渉するものだからな。

 それをチュートリアル武器としての形に落とし込んだら似たようなものになるんだろう。

 

 ……?

 それならあれの概念をこれに切り貼りしてくれないか?

 俺は【ウルウシンバー=|◉〻◉)=サハギン】の渦柱を避けながら【双真(ふたま)ナル】に提案していく。

 すると、【双真(ふたま)ナル】は目を見開いて驚きを顔に浮かべていた。



 「おやおやおやおや、それは『面白い』ね!

 私のチュートリアル武器ならそれは実現できるし、成功すればきっと攻略に直結するだろうね。

 でも、あの水の膜があるままだったらきっと効かないよ?」



 【双真(ふたま)ナル】は俺に忠告してきた。

 つまり、あの水の膜は物理的な攻撃だけじゃなくて全方面の系統も防いでくる万能防御ってわけだ。

 それは厄介だが……俺にはあれを突破する手段がある。

 水の膜を突破した後の動きに繋げられなかったからこれまで温存していたのだが、お前がその後を助けてくれるなら何とかなるぞ!



 「それならさっそくはじめようか!

 異次元から切り貼りするために力を貸してっ!

 【Cutout Scissors】、最大出力!」



 【双真(ふたま)ナル】が再び大鋏で空間を切り裂き、そこから何かを垂れ流しはじめた。

 あれが力の源流ってわけか!



 この隙に俺は水の膜を何とかしてやる!

 漢字スキルは封じられてるという話だが、流石にこれが使えないなんてことはないだろうな?





 信じてるぞ【アキカゼ・ハヤテ】っ!

 スキル発動!【秋風領域】!





 俺は【アキカゼ・ハヤテ】との友誼の証であるスキル【秋風領域】を発動させた。

 これは問答無用で水系のコントロールを奪取するという遠慮の引ったくれもないものだ。

 これでコントロールを奪取するのはもちろん水の膜だっ!


  

 「なるほど、【包丁戦士】にはそのスキルがあったね!

 それなら間違いなく水の膜を突破できると豪語するのも頷けるよ。

 でも、漢字スキルだけど今のその姿で使えたんだね?

 やっぱりおじいちゃん由来のスキルだから、【アキカゼ・ハヤテ】コスプレの今の姿にも適合して使えるんだね」



 そうだな。

 いや、むしろ普段俺が使うよりも強化されて【秋風領域】を発動させられたぞ?

 ほら、見てみろよ。


 

 俺は水の膜だけではなく、渦柱のコントロールも奪取してみせた。

 これまでは一つのコントロールしか奪取出来なかったのだが、その制限がさらに緩くなったわけだ。



 「これで【ウルウシンバー=|◉〻◉)=サハギン】は丸裸な状態になったね。

 あとは私が持ってきたものをそのカメラに切り貼りするだけだ!」



 あぁ、あとは任せろ!

 俺は【双真(ふたま)ナル】が空間を切って呼び出した力の源流をカメラに全て取り込んでいき、次の一撃に全てを込めていく。

 【ウルウシンバー=|◉〻◉)=サハギン】、さあ構えろよ?

 はい、ポーズ……ってな!?



 スキル発動!【アキカゼ】!



 俺はスキル発動宣言をしながらカメラのシャッターボタンを押していく。

 【アキカゼ】の効果を知っているわけじゃないんだが、このタイミングで再び使うべきだと何となくそう思ったから使ってみた。






 



 『|◉〻◉)はっ、ハヤテさんの気配!? いや、似てる格好をしてる人はいますけど別人でしたね?』



 うわっ、しゃっ、シャべッター!?



 『|ー〻ー)いえいえ、お構い無く。 すぐ去る身なので』

 『|◉〻◉)えー。僕暇で暇で。またスルメを炙りたい衝動に駆られてるんですけど』



 す、スルメ……?

 だが今ここは海水の中だぞ?

 海水の中で火は起こせないし一回この海水を下げてくれたら火を工面してやろう。



 『|◉〻◉)前にやったことはあるんですけどね。 でも火を用意してくれるならお願いします!』


 

 というわけで【双真(ふたま)ナル】、頼んだぞ!



 「色々と驚きだけどご要望に応えてあげようか。

 実は水中で火を起こす手段もあるんだよね。

 スキル発動!【漁火鵜匠】!」



 【双真(ふたま)ナル】は【漁火鵜匠】というスキルを使って火を起こしていった。

 しかも水中なのに消えないぞ!?


 そして、【ウルウシンバー=|◉〻◉)=サハギン】はそこでスルメを炙っていた……



 何なんだこの状況は!?



 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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意味不すぎワロタ
|◉〻◉)くっちゃくっちゃくっちゃ
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