2070話 トライデントスクエア
【Raid Battle!】
【海溝都市の魚人妃】
【ウルウシンバー=|◉〻◉)=サハギン】
【深海溝神魚人】【トップアイドル】【Atlantis World Online(擬似)】【中位権限】
【異なる世界の理により顕現し】
【それでも深海の同胞として】
【その地位を保つ】
【邂逅を望むもの】
【海溝に潜むもの】
【改稿されしもの】
【開港されしもの】
【その力が重ねられたとき】
【本来の物語とは歪んだ進行へと変化し】
【新たに紡がれていく】
【切望する想いをかの者へ届かせよ!】
【レイドバトルを開始します】
「これは色々と驚いたね……
まさかこうなるとは……
世界を重ねた影響だろうけれど、レイドボスとも存在が重なってしまったようだよ」
【双真ナル】の言うようにレイドアナウンスの内容からして本来ここ【源海底都市アンディシンバー】にいるはずのレイドボスの要素と、【邂逅次元 海光カイコウ海溝】で追加された要素が混ざってしまったのだろう。
だって【アキカゼ・ハヤテ】がプレイしていたという【Atlantis World Online(擬似)】っていう要素が思いっきり書かれているからな!
……まぁ、混ざっているし複製されたものだろうから純正じゃなくて(擬似)なんだろうけど。
「意思の疎通は出来るのかな?
出来たら色々と『面白い』んだけどね!
きっと奇天烈なことが起きるだろうからね」
【双真ナル】は何かを期待しているようだが、俺が見た感じ正気を保っているようには見えないな。
あれは狂気に取り憑かれた目をしている!
あれは直近で俺が対処した鉱人種族と聖獣種族が混ざった影響で狂ってしまった【オミクロン=スンホウズ】と同じパターンだな!
だから意思の疎通は難しいと思うぞ……
「だから問答無用で巨大なトライデントを私たちの方へ振りかざしてきているんだね?」
【双真ナル】は冷静な口調で状況説明をしてきているが……
それはやばいって!
防御体勢に入らないと普通に死に戻りするぞ!?
とりあえず俺が相殺してやるから待ってろ!
スキル発動!【魚尾砲撃】!
俺はジェーライトのバニー服フォームを継続しているので強化された【魚尾砲撃】の極太レーザーでトライデントの全力投擲とぶつけあって勢いを相殺していく。
……っ!!!
これは中々重いぞっ!?
極太レーザーを照射し続けているのだが、空中で拮抗しており、極太レーザーの照射を止めてしまったら今にも再び俺たちの命を刈り取ろうと飛翔を継続し続けるだろうな……
「それなら私の一撃も追加してみようか。
スキル発動!【海底撈月】!」
【双真ナル】は銀光をチャージし始めて俺の援護をしようとしているようだ。
さっきそのスキルを俺の代わりに使おうとしたら間に合わなくてそのまま俺たちは死に戻りしていただろうが、俺が【魚尾砲撃】で時間稼ぎをしている最中ならチャージする猶予があるので迎撃に使えるってわけだな!
「そういうことだね、解説ご苦労様!
【海底撈月】チャージ完了、照射っ!」
【双真ナル】のスキル【海底撈月】のチャージが終わって力の奔流が俺の【魚尾砲撃】を後押しするように放たれていった。
これまで均衡を保っていたトライデントだったが、そこに力が加わったこともあってどんどん勢いを無くしていき地面へと落ちていったぞ!
やったぜ。
「何とか初撃を防げたね。
だけどやっぱりレイドボスということもあってただの投擲なのに一撃が重いね……
つまりどんな攻撃も要注意ってことになるよ」
そういうことだな。
レイドボスは身体スペックが高いから最悪ぶつかってくるだけでも俺たちにとっては致命傷になりかねないわけだ。
そして、そんなことを考えていたら【ウルウシンバー=|◉〻◉)=サハギン】は頭上に両手を伸ばしたかと思うと何やら力を込めはじめた。
……何が起こるんだ!?
そして、次の瞬間。
俺たちは天井から落ちてきた何かに押し潰されて死に戻りすることとなったのだ……
突然の死……カニ!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】