2068話 台座と王冠、イミテーション
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
【邂逅次元 海光カイコウ海溝】
【意図しない次元渡航の発生を確認……】
【error!】
【ability【会者定離】により観測が切断されます】
【蠑キ蛻カ蝓キ陦後?繝ュ繧ー繝ゥ繝?繧定オキ蜍輔@縺セ縺!】
【ディ繝。繝ウショ繝ウ繝トル】
【【1位 包丁次元】VR【繧「繝医Λ繝ウ繝?ぅ繧ケ繝ッ繝シ繝ォ繝峨が繝ウ繝ゥ繧、繝ウ】】
【蜿、縺咲・槭→縺ョ蜿玖ェシ繧堤オ舌?縺九?∵雰蟇セ閠?r蛟偵☆縺九?∝宛蝨ァ繧貞ョ碁≠縺輔○繧】
【異谺。蜈の風が吹き荒れ縺ヲ縺?k】
【包丁が血を求める】
【螟ァ驪上?蜈ィ縺ヲ繧呈妙縺。蛻?k】
【Duel Start!】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【双真ナル】と壁画や文字についての考察をしていたな。
【双真ナル】の考察をベースに考えていったら一つの可能性に思い至ったので、それを基に考えをまとめて色々と試してみようと思う。
「それにしてもこの辺りを探してみたけど王冠のようなものは見つからないね。
試しに私が持っていたアイテムを台座に置いてみたりしてみたんだけど何も反応しなかったし、やっぱり王冠が必要そうなのは間違いないんだけど肝心の王冠が見つからなかったら進まないね」
【双真ナル】は俺がログインする前から王冠を探し続けていたようだが、特にそれっぽいものを見つけることは出来なかったようだ。
その辺に落ちていたら話は早かったのだがそうは問屋が卸さないってわけだな!
まぁ、そうなったら難易度が簡単すぎるしここまで仕込んだギミックのオチにしてはあっけないからな……
「でもあっけない方が私たちとしては手間が省けたんだけど……
王冠を探しに上のフロアに戻ってみるかな?
それともこの広間で探してみる?」
【双真ナル】は二つの提案をしてきた。
本来ならその2つしか選びようがないだろう。
だが、俺にはこれがある。
「【包丁戦士】の腰についているキーホルダー?
……そんな描写これまであったかな?
でも、その形は王冠だね!
もしかして道中で拾った……?
いや、氷の意匠がされているから……
【失伝秘具】の【氷雹覇王冠】だね!?」
ご明察!
お前ならこれを見せたらわざわざ説明しなくても何か理解してくれると思っていたぞ。
【失伝秘具】の【氷雹覇王冠】は効果を発揮させない時はこのようにキーホルダーになってくれているので持ち運びがしやすいってわけだ。
氷で形成されているから、サイズの伸縮が可能ってわけだな!
「そんな性能を秘めていたなんて知らなかったよ……
でも、まさか……それを代わりに使おうとしているのかな?
たしかに王冠だけれども、別の王冠を使ったら何が起こるか分からないし、そもそも何も起こらない可能性もあり得るよ」
何も起こらないなら特に不利益はないから問題はない。
【氷雹覇王冠】の次回使用までのクールタイムもどうせこれはほとんど使ってないものだから困らないし、何かが起きるならそれこそ望み通りだ!
その何かを起こすために俺はやろうとしているんだからな!
「それは『面白い』ね。
いいよ、ここで見てるからやってみて!
その行く末を私はこの特等席で見届けようか!」
そうして俺は【氷雹覇王冠】を台座の上に置いて効果を発揮させていく。
すると王冠はキーホルダーから通常の王冠サイズまで大きくなり、周囲に吹雪を撒き散らし始めた!
そして、それに伴い壁画が左右に分かれていきまるで隠し扉のように開いていったのだった!
「おおっ、本当に起動したよ!
さあさあ、奥には何がある……の……か……な……???」
興奮していた【双真ナル】だったがおあいにくさま。
ここが海底ということも災いして開いたばかりの扉から海水が侵入してきたのだ!
それだけなら何とかなるのだが、【氷雹覇王冠】の効果が作用して開いた扉を塞ぐようにして海水が凍ってしまい氷の壁になってしまったのだ……
「……【包丁戦士】、これは予想していたかな?」
いや、これは計算外だ!
うーん、二度手間になったぞ!?
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】