2059話 レイヤーの上乗せ
【邂逅次元 海光カイコウ海溝】
【意図しない次元渡航の発生を確認……】
【error!】
【ability【会者定離】により観測が切断されます】
【蠑キ蛻カ蝓キ陦後?繝ュ繧ー繝ゥ繝?繧定オキ蜍輔@縺セ縺!】
【ディ繝。繝ウショ繝ウ繝トル】
【【1位 包丁次元】VR【繧「繝医Λ繝ウ繝?ぅ繧ケ繝ッ繝シ繝ォ繝峨が繝ウ繝ゥ繧、繝ウ】】
【蜿、縺咲・槭→縺ョ蜿玖ェシ繧堤オ舌?縺九?∵雰蟇セ閠?r蛟偵☆縺九?∝宛蝨ァ繧貞ョ碁≠縺輔○繧】
【異谺。蜈の風が吹き荒れ縺ヲ縺?k】
【包丁が血を求める】
【螟ァ驪上?蜈ィ縺ヲ繧呈妙縺。蛻?k】
【Duel Start!】
……いや、場所は【源海底都市アンディシンバー】のままだぞ!?
なのに次元渡航したアナウンスが流れてきていた。
しかも、表記は完全にバグってるし……
色々とイレギュラーなことが起こって頭がついていけてないんだが!?
「触れた相手を拒絶する力を持った柱同士がぶつかり合ったことで空間そのものに歪みが生じて、擬似的な次元渡航が発生したみたいだね。
せっかくなら本格的な渡航が出来たら良かったんだけど、この場所を使ったからか場所の強度が強すぎたみたいだよ」
今回起きた現象の原理について解説してくれた【双真ナル】だったが、俺がやった行動には驚いていたのに今回起きた結果については驚くどころかより理解の深い解答を理論的に説明してくれたのでチグハグ感があるよな。
まるでこの結果を想定していたかのようだ。
「この歪んだ空間は中々興味深いよね。
さっきまでいたエリアと景色は全く一緒なのに別の次元という扱いになっているわけだよ。
この混沌とした環境だけど、今のところ私たちの行動には支障がなさそうかな?」
確かに行動に支障は無さそうで一応動けているが……なんで【双真ナル】がしれっとここにいるんだ?
さっきまで真逆の場所にある柱の根元にいたはずじゃないか!?
「それは穴だけ掘って倒れはじめてぶつかる前にこっちに移動をはじめていたからだよ。
【包丁戦士】の反応もこの目で見てみたかったのと、私自身も【包丁戦士】のところへ退避したかったのもあるかな?
最悪のケースの場合は【包丁戦士】と一緒に逃げないといけなかっただろうからね」
【双真ナル】は俺の反応を見てみたかったようだな。
どれだけ俺に興味があるんだよ!?
ただ、好意というよりは観察的な意味の興味っぽいからなんとも言えない気持ちになるぞ……
それはそうと、今俺たちが置かれている状況の【邂逅次元 海光カイコウ海溝】は前にも来たことがある。
かつて謎の別ゲームプレイヤー【アキカゼ・ハヤテ】と邂逅して、一緒に探索をして、そして対決をした場所だ。
あの時もバグのような挙動で転送されて、いつの間にか元の包丁次元へと戻されていたのだが、またしても同じ様にバグのような挙動で転送されて来ることになるとはな……っ!
これまで次元戦争やイベントで同じ特設の次元に飛ばされることってほとんど無かったから、同じ名前を見るのって逆に新鮮な気持ちになる。
それくらい異例な出来事が今回起きたというわけだ。
「【包丁戦士】から見て、今の時点で今の【邂逅次元 海光カイコウ海溝】とさっきまでの【源海底都市アンディシンバー】との違いは何か感じ取れるかな?
さっき同じ場所っていうニュアンスの表現をしていたけど、エリア名称がレイヤーの上乗せによって新たに重ねられたわけだからどこかは変化していると思うんだよね」
エリア名称のレイヤーの上乗せか。
それこそ面白い表現だな。
完全に上書きしたわけじゃなくて、元々あるものに重ねて同時にある状態かつ優先度は【邂逅次元 海光カイコウ海溝】にある状態を上手く表現していると思う。
そして、さっきまでとの違いは……
俺たち以外の気配がさっきまで無かったのだが、微弱ながら何かがいるような気配を感じ取れるようになったぞ!
特殊な環境下だから俺の気配察知が上手く活かせていないだけかもしれないが、他の存在が遠方にいるような気がするな。
「【包丁戦士】のその人間離れした気配察知能力には驚かされるよ。
それで【現界超技術】でもないし、あくまでも第五感の中のものを研ぎ澄ませたものというんだからビックリだね」
まぁ、そこまで驚かれるのは見ていて楽しいが、俺の気配察知能力についてもきちんと把握されてしまっているのが怖いのとそれだけ研ぎ澄ましても【双真ナル】には通用しないというところで絶対的な信頼を置けるものでもないのは事実としてあるのだ。
これだけに頼っていたら俺自身が困ることになるのはよーく分かっているつもりだぞ!
謙虚だったり、謙虚じゃなかったりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】