2057話 利用し、利用される
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【双真ナル】と一緒に【源海底都市アンディシンバー】にある巨大な二本の柱のところで観察をしていたな。
謎の力を発しているのを感じ取ったのだが、どういう作用をしているのかまでは見抜けなかったな。
まぁ、何かを試したわけでもないし本格的に調べるのはこれからだな！
というわけでやって来ました【源海底都市アンディシンバー】！
さっそく二本の柱について詳しく調べていくぞ！
「それでどうやって調べるつもりなのかな？
幾つかパターンは考えられるけど……」
まぁ、まずはとりあえず物理的な干渉をしたらどうなるか見てみるか。
俺はその辺にあった珊瑚のかけらを全力投球して、柱へとぶつけようとした。
だが、ぶつかる前に見えない何かに遮られてしまい、ぶつかる前に珊瑚のかけらは粉々になってしまったぞ！？
思っていたよりも過激な反応をしてくれたな！？
「防衛反応……といったところだね。
珊瑚だから砕け散ったけど、プレイヤーがぶつかろうとしたらどうなるんだろうね？」
あんまり想像したくないが……とりあえずやってみるか！
おりゃっ！
俺は全力ダッシュしながら柱へとタックルをしかけていく。
「おっ、思いっきりがいいね！？
私の振りからいきなり行動に移すなんて、やっぱり実際に見てみると驚かされるよ！」
そうして【双真ナル】が驚いている中、俺が柱にぶつかろうとすると……
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
「随分と派手に飛び散ったね……」
案の定、珊瑚と同じ様に俺の身体は四散してしまったようだ。
俺自身が飛び散る様子は見れなかったが、【双真ナル】の反応からして間違いなくそうなんだろうよ。
こういう時に第三者がいると何が起きたのかを把握できるからありがたいぞ！
「そう言ってもらえるなら私がここにいる意味もあるというものだね。
今のところ【包丁戦士】には道案内くらいしか出来ていないけど、いることで意味があるならもうちょっと一緒にいてもいいかなって思えるよ」
一緒に海底まで来たんだ、とことん付き合ってもらうつもりなんだから途中でいなくなるなよ？
悪いが俺はこれまで海エリアや深海種族にあまり縁がなくて攻略に関与できていないんだ。
だからこそ、海エリアの攻略を一気に押し進めた【双真ナル】をとことん利用するつもりだ！
「正面切って本人に利用する宣言をしてしまうのは中々見ないよ。
これがプレイヤーたちに狂人と言われる所以の一つなのかな？
でも、頼ってもらえるのは悪い気がしないね。
嫌悪されて遠ざけられるよりもずっといいよ、私を利用できるなら存分に利用してもらいたいところだね」
そんなこんなで、【双真ナル】とその後も幾つか検証を繰り返していたのだが、この後は特に成果を出すこともなく終わったのだった……
そういうこともありますよね。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
