2055話 海底都市と生産アイテム
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【双真ナル】に導かれて海底にある都市エリア……【源海底都市アンディシンバー】にたどり着いたんだったな。
到着した瞬間にエリア名称を口にしたのは驚いたが、まだどんなエリアなのかはよくわからないのでスキル【花上楼閣】でリスポーンポイントを設置してログアウトしていった。
海底まで潜るのにかなり時間がかかったから俺はついたタイミングでログアウトしないといけなかったのだ!
というわけでやって来ました【源海底都市アンディシンバー】!
珊瑚礁のような素材の建物が建ち並んでいるな!
それもあって綺麗な光景の都市って印象だな。
都市の色合いからして地上にあるものとは一線を画しているというわけだ。
「ここが【源海底都市アンディシンバー】だよ。
海底都市というのも乙なものだとは思わないかな?」
確かにな。
これだけの光景が見れるのはVRMMOならではだ!
幻想的なものを見られるのはトレジャーハンターとして活動している最中にも何度か機会はあったが、綺麗な海底都市は流石にはじめて見たからな……
ゲーム特有の絶景を見れた時はやりがいを感じるぞ!
「そう言ってもらえると潜水に特化した船を作って【包丁戦士】をここに連れてきた甲斐があるというものだね。
わりとコストがかかったから感動くらいしてもらわないとわりに合わないんだけど、【包丁戦士】のその言葉でコストパフォーマンスに見合ったものになったって思えるよ」
あの変な船、そんなにコストがかかっていたのか……
まぁ、確かにここまで深度のあるところまで潜るための性能を持たせないといけないんだからコストもかかるか。
潜水機能は弄ったことがないからどれくらいなのかは全く想像もつかないけどな!
「【包丁戦士】の作った魔海城船アンサンセほどはかからないと思うよ。
あの船はプレイヤーが持つには規格外過ぎるスペックと規模だから、それと比べられたらほとんどの船が低コスト扱いになってしまう」
よく知ってるな……
あれは全プレイヤーが献上可能なシステムを使って天子王宮の宝物庫に集まった素材をこれでもかというくらい浪費を厭わずに作った逸品だからな!
そこらの船と比べられても俺も困るぞ。
そんなことを話しながら都市を歩いて進んでいるが……
ふと思った。
……海底にいるのに呼吸が出来てるぞ!?
このゲームは変なところでリアルだから水の中にいたら呼吸が出来なくなるはずなんだが……
「いや、【包丁戦士】は忘れているかもしれないけど耐水用の水着を着ているという話じゃなかったかな?
今も着ているんじゃない?」
あぁ、そういえば【槌鍛冶士】に作ってもらったやつにその機能もついていたか。
活用機会が少なくて着てるのにすっかり忘れていたな……
「それはそれで問題だと思うけどね。
常用しているくらいなら覚えておいてあげなよ!
せっかく作ってくれた【槌鍛冶士】が浮かばれない気がするね」
まぁ、【槌鍛冶士】なら笑って許してくれるだろう。
それくらいで目くじらを立てるほど心の狭い相棒じゃないからな!
俺がよく忘れたりするのも知ってるし、もはや今さら感すらあるぞ?
「これはこれは……
思っていたよりもさらに信頼しているんだね。
私の口を挟む隙すらないくらいだなんて驚いたよ!」
それこそ、簡単に理解されたら俺の方こそ驚くと思うぞ。
俺がここまで信頼を寄せるのは【槌鍛冶士】くらいだからな。
……と、それはさておきこの海底都市は結構広いんだな?
歩きながら色々と喋っていたのだが、それでもまだ端までたどり着けていない。
海底にある都市だからそれほど広くないと思っていたのだがあてが外れたな……
……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】